ケチャップはアメリカ英語?イギリスではトマトソース?由来を解説
トマトケチャップは私たち日本人に欠かすことのできない調味料です。ただ単にケチャップは外国から伝わった英語だと思っていませんか?実はケチャップの由来は奥が深いのです。ここでは、アメリカ英語のケチャップとイギリスでのケチャップの意味など、由来をご紹介します。
目次
日本人にとって身近な調味料ケチャップ
ケチャップは色々なメーカーから発売されている人気で身近な調味料です。オムライスにかけたり、フライドポテトにつけたり、ナポリタンを作ったり、私たちの食生活には欠かせないものですよね。トマトの甘みと旨味が凝縮した美味しいケチャップは、すっかり日本人にとってなじみのある調味料となっていますが、その由来をご存知でしょうか?
ケチャップは外国からやってきた調味料なので英語なんだろうな、という程度の曖昧な印象しかないのではないでしょうか?実はケチャップの由来は奥が深く、アメリカ英語で言うケチャップと、イギリス英語で言うケチャップとは意味が異なっていたりします。日本人がケチャップと思っているものは、実は英語ではちょっと違っているのです。

ケチャップは元々英語ではない?
奥が深いケチャップの由来
ケチャップという言葉の由来は、かなり奥が深くはっきりとは分かっていないのですが、東南アジアで食されていた魚介の塩漬けを発酵させた調味料、魚醤のことを指していたといわれています。諸説ある中で一番有力な説です。中国語で塩漬けした魚の調味料「コエチアプ」と呼ばれていたものが、転じてケチャップとなったとされています。
ケチャップはインド奥部、東南アジア地域が発祥とされており、語源の「コエチアプ」も中国語と、元々英語ではなかったのですね。日本人にとってはケチャップは洋食に使われる調味料というイメージが強いため、英語圏の外国で作られだしたと思われることが多いです。実は発祥は東南アジアで、しかもケチャップの語源は英語ではなかったのですね。

ケチャップはトマトだけじゃない
英語で言うケチャップとは?
ケチャップはまず東南アジアで作られていた魚醤が始まりです。魚介類の塩漬けを発酵させて作られた食品が元なので、最初はトマトが原料ですらなかったのですね。東南アジアの魚醤はやがてマレーに伝わったのですが、台湾語で小魚などの塩辛のことを「KECHIAP」と呼んでいたため、マレー半島で「KECHOP・ケチョプ」となりました。ちょっと今のケチャップに近づきましたね。
元々の原料は魚介類であったケチャップですが、色々な国に伝わっていくうちに名前もケチャップとなり、更に原材料も変化していきます。最初は私たちの馴染みのトマトのケチャップではなく、日本人のイメージで言う英語のケチャップというものへ長い年月をかけて変化していったのですね。マレー半島に伝わったケチャップは、やがてイギリスへと伝わっていきます。

イギリスで生産され始めたケチャップ
イギリス英語でのケチャップ
イギリスへ伝わったケチャップは、当初はキノコを原料として作られていました。マッシュルームケチャップというものです。マッシュルームケチャップに塩を振って染み出した汁を煮詰めた調味料を作っていたのですが、このマッシュルームケチャップは今でもイギリスで愛されている調味料です。イギリスでのケチャップは、最初はマッシュルームなどのキノコを原料としていたのです。
シチューなどに入れて食されていたイギリスのマッシュルームケチャップですが、当初のケチャップは他にも様々なものがありました。牡蠣やアンチョビと言った魚介が材料の物、クルミやキノコ、フルーツなどを原料とする植物性の物と、色々なケチャップがソースとして考案されていったのです。日本人が思う英語でケチャップとは、最初はトマトソースの物ではなかったのです。
イギリス英語で意味するケチャップとは?
英語でケチャップはトマトケチャップではない?
イギリスで作られていたケチャップは、最初は魚介やキノコを原材料されていました。そのため今でもイギリスでケチャップというとキノコを原材料とした、日本人が思うケチャップとは違うものを指すのです。では日本人が思うケチャップとはイギリスに手英語で何というかというと、トマトソースというのです。イギリスではケチャップとはトマトソースのものではないのですね。
イギリスでは昔から、トマトを使ったソースは作られていました。私たちがイメージするトマトを煮詰めて作るケチャップは、トマトをたくさん使ったソースという意味合いでトマトソースと呼ばれるのですね。日本でトマトソースというと、パスタなどに使うさらさらとしたトマト味のソースを思い浮かべますが、イギリスではケチャップをそう呼んでいるのです。
アメリカに渡ったケチャップ
アメリカ英語でいうところのケチャップ
ケチャップはハインツ派です。 pic.twitter.com/TZtvy9bFMP
— みけモンがー (2) (@mikemonger3_2) February 5, 2018
イギリスにおいてケチャップはトマトソースと呼ばれているのですが、ではアメリカではどうかというと、日本と同じくトマトケチャップのことを指しています。そもそもトマトを使ったケチャップはアメリカに手作り始められ、開発された調味料なのです。当初アメリカでは切ったトマトに塩をかけて染み出た汁を煮詰めて作られており、今のケチャップとはまだ違った物でした。
善のハインツ、ケチャップ社〜♪ pic.twitter.com/OYEyhF2S1P
— はらさり (@harasari35) February 2, 2018
アメリカでケチャップを作って販売し始めた会社は、ハインツという食品会社です。古くからあるハインツ社が、始めてトマトケチャップを瓶に詰めて家庭用に売り出したのです。トマトケチャップはアメリカで大人気の調味料となりました。ハインツ社のトマトケチャップは日本でも買うことが出来ますね。ハインツはとても歴史あるトマトケチャップメーカーなのです。
アメリカから日本へとやってきたケチャップ
日本人のイメージする英語のケチャップ
日本にケチャップが入ってきたのは、明治期にアメリカから伝わってきたのが最初です。アメリカで生まれたトマトケチャップが日本に伝わって来たために、私たちに馴染みのあるケチャップはトマト原料なのです。私たちにとってケチャップは英語で、トマト原料のものを指すと思っているのはこのためですね。
イギリスからアメリカへ伝わった後でトマトケチャップが生まれたために、日本とアメリカで言うところのケチャップと、イギリスで言うところのケチャップにギャップがあるのです。海外旅行でイギリスへ行ったとき、ケチャップが欲しくて注文するときはトマトソースと言わなければ伝わらないのですね。
日本で定着したケチャップ
#なんでやねん→ 因みに、🏠我が家のケチャップはカゴメだけど・・・なんでやねん(゜゜;)\(--;)ペシッ pic.twitter.com/r7KQVpEK9T
— あなごまき (@anagomaki1020) December 26, 2017
日本でケチャップが普及したのは明治期ですが、最初は明治屋が輸入商品であるトマトケチャップを販売していました。ほぼ同時期に蟹江一太郎という人が、日本でもトマトケチャップの製造を開始します。当時の日本においてトマトはまだ未知の食材だったために、最初はあまり売れ行きが良くなかったのですが、改良を加えることでだんだんと販売数を伸ばしていきました。
第1話 ケチャップ カゴメの。 pic.twitter.com/M9tj2nF6P8
— えみた (@ambi38) November 27, 2017
トマトケチャップ販売当初は一緒に売っていたウスターソースばかりが売れているような状況でしたが、トマトケチャップを使った料理の普及、トマトケチャップ製造の品質の向上、販売促進運動などを経て、人気の調味料へとなっていったのです。蟹江一太郎のトマトケチャップ販売会社は、カゴメという名前で日本のケチャップ最大手の会社となったのです。
身近なケチャップには長い歴史がある
なんとなく何時も美味しく食べているケチャップですが、奥が深い歴史があるのですね。元々はトマトが原料ですらないというのも驚きです。英語でケチャップというとすべて同じ物を意味すると思ってしまいますが、トマトの普及の歴史により、アメリカとイギリスでは違う調味料を指すのですね。私たちに身近なケチャップですが、面白い由来の歴史が詰まっているのです。