バラードとは一体どんな曲?クラシックやポップスで詳しく解説!
バラードとは詩や音楽として幸せな時、辛い時、落ち着きたい時昔から多くの人に愛されてきました。ではバラードとはどんな曲でしょうか?ゆっくりしていて、感動的でと感覚では分かっていても言葉で説明しようとすると定義が曖昧です。今回はそんなバラードについてご紹介します!
目次
バラードとは?その意味
そもそもバラードとは何でしょうか?一般的に知られているのは楽曲ですね。辞書等で調べると次のような意味が出て来ます。「自由な形式の民衆的小叙事詩、物語詩等」「物語のような内容・感情を楽曲に移したもの」等。意味を考えても音楽のみを指す感じではありませんよね。
実はバラードとは古いヨーロッパの詩(英:balladバラッド)に音楽が付けられたもので、それが現代のポピュラー音楽におけるバラードミュージックとされています。バラッドとバラードミュージックでは別の事を指しているのです。派生して物語や詩、語り物のような歌、物語や感情を器楽曲にしたもの等多くの意味があります。
バラードとは?どんなイメージ
バラードのイメージときくと、暗いものが多くなります。クラシックのバラードであげられるように、悲劇的や破滅的な音楽の多くを踏襲しているためでしょうか。感情に則した音楽であるため悲しさや切なさが多く、暗い印象がありますよね。
いつも思うけど、
— サックスパパ@nana民 (@saxfather) February 3, 2018
明るい曲や楽しい曲が
ピンとくることはまれ。
哀しさとか切なさとか
そういうバラードの方がピンとくる。
JAZZでもJPOPでも。
僕って暗いんだろうなぁ・・・(笑)
しかし、バラードの中でも前向きな気持ちになるもの・明るい気持ちになるものももちろんあります。絢香の「にじいろ」や藤原さくらの「春の歌」等はサウンドも明るいものではないでしょうか。そもそもバラードだと思っていなかった人もいるかもしれないですね。
バラードとは?どんな曲
では、バラードとはどんな曲とされているのでしょうか。明確な定義がないため、バラードであるかそうで無いかは感覚によって様々ということになりますが、世の中にはバラード曲のランキング等もでています。一般的にはどのような曲が入ってくるのでしょう。
ポピュラーミュージックではやはり、スローテンポのものやラブソングが多いです。元をたどると物語的な楽曲のことを意味しています。長い間受け継がれてきたことにより、様々な解釈がされるようになってきたのですね。
バラードとは?その起源に迫る
バラードとは楽曲の名称としても、古くは舞踏歌のことを言っていたようです。その後楽曲形式を意味するようになり、語り物的な内容をもつ歌曲からクラシックに受け継がれ、今では広い意味で解釈されています。
中世フランスにゆかりのある詩はバラード(仏:ballade)と呼ばれます。バラードの起源はフランスになります。イギリスのバラッドとは、伝承されてきた物語的な内容の歌謡のことをいいます。ラテン語のballareに由来しており、踊るという意味を持ちます。フランス語では物語詩、憚詩と訳されます。
イギリスのバラッドとフランスのバラードとは大変近しいですが、厳密には意味が異なるとされています。しかしドイツ語ではバラードもバラッドも発音がバッラーデ(ballade)とすることから日本では総称して「バラード」と呼ばれているようです。
そもそも詩であったバラッドは、声楽曲を経て器楽曲へと転用されていきます。19世紀、ロマン派音楽の時代に入った事からバラード音楽は急速に発展していきます。
バラードとは?クラシック音楽との関係
クラシック音楽との関係におけるバラードとは何でしょう。イギリスでは語り物的な内容の歌曲がバラッドと呼ばれていました。これが19世紀ロマン派音楽時代にフレデリック・ショパンにより器楽曲の作品に転用されました。ロマン派のバラードとは、中世の物語や伝説が元になっているものが多くあります。
元が詩ということもあり多種多様な楽曲が物語風に展開され、作曲者によって実に様々な楽想が生まれました。クラシックにおけるバラードとは美しい楽想から悲劇的で激情に溢れる転調の大きなものが多く生まれました。そもそもバラードとは、高揚や哀愁といった感情を表現しています。そのため喜怒哀楽を表現するように、転調の大きなものになっていったのです。
クラシックにおけるバラードとは殆どが悲劇的や破滅的に終わるものが多く、詩をイメージして作曲されたのも頷けます。現代のバラードとはどんな曲が多いか考えると、この時代から影響を受けていることがわかります。
このように、バラードとはクラシックの歴史と非常に強く結びつきがあり、誰もが聞いた事のあるショパン、ブラームス、チャイコフスキー、ヨハン等の偉人達によって世間に広く認知されていきました。バラードとは多くの人の手によって広まってきたのですね。
バラードとは?ポピュラーミュージックとの関係
どっちが好き?
— ヒロ (@TWICE373716) February 3, 2018
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後にポピュラーミュージックと呼ばれる広く人々に愛される決まった定義のない音楽が誕生しました。POPS(ポップス)と言ったりもしますがこれは和製英語になり、正しくはポピュラーミュージックとされています。ロック、ポップ、ソウル、レゲエ、ラップ、バラード等全てを総称してポピュラーミュージックとされています。
例えばドラムやラップを用いたミディアムテンポの音楽であっても、全体的にゆったりとした曲調で感傷的(ラブソングや失恋ソング等)な歌詞の場合、総称してバラード曲と呼ばれるのが一般的になっています。バラードとは必ずしも曲調だけで分類されるわけではありません。
バラードとは?ポップスの中のバラード
ポピュラーミュージックもクラシック音楽を踏襲しています。ゆっくりなテンポ、美しいメロディ、ラブソングや失恋ソングといった感傷的な楽曲が多く、ピアノやクラシックギターを用いた静かな旋律の物も少なくありません。また、どんな曲もメッセージ性が強いものが多いというのも特徴です。
ゆっくりな曲調の音楽が全てバラードというわけではありません。例えばジャズなどは音楽において概念的に異なり、決まった定義を持たない曲になります。このため、バラードかどうかを判定することは出来ません。
スローバラードやラブバラードと呼ばれることもあるように、バラードとはいってもひとくくりにはできません。詩にルーツを持つバラードとは聴く人の心に直接訴えかけるものであり、明確な定義を持たせる意味はないのかもしれません。
ポピュラーミュージックとクラシック音楽の違い
それではポピュラーミュージックとクラシック音楽の違いとは何でしょうか?ポピュラーミュージックは民衆的なもので、日常生活の感情を表現したものです。ダンスミュージックに使用されるなど娯楽の意味を持ち、生活に深く溶け込んだものになります。
クラシック音楽は古典的な音楽で、西洋の芸術音楽です。第一級の作品であり、優れた芸術作品とも言えます。一般的にはバロック音楽、古典派音楽、ロマン派音楽になります。
なんとなく説明してみましたが、厳密には明確な定義はありません。時代によって音楽は姿形を変え、人々に受け入れられてきたのです。クラシック音楽は管楽器のような空気媒体による演奏が主でしたが、最近ではポピュラーミュージックの楽器が用いられる事もあるようです。時代の移り変わりとともに、音楽も変化していっているのですね。
代表的なバラードとは
代表的なバラードとはどんな曲があるでしょうか。よく知られているものでもショパンやブラームス、チャイコフスキー等数多くあります。なかには楽曲名自体にバラードと入っているものもあります。フランツ・シューベルトやカール・レーヴェによる「魔王」、ロベルト・シューマンによるローレライの伝説に基づいた「森の語らい」等も有名ですね。
特にショパンのバラード第1番は、羽生結弦選手がオリンピックのショートプログラムで選んだ曲ですね。聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ショパンのバラードとは4曲ありますが、1番はこの中でも最も有名な曲になります。
日本のポピュラーミュージックでは、切ないラブソングや号泣ソングと言われるものが多くあげられます。「TSUNAMI」や「涙そうそう」、近年では安室奈美恵の「Just You and I」やMr.Childrenの「ヒカリノアトリエ」等ですね。
バラードとは何かを知ると人生が豊かに
このように様々に変化しながらも、バラードとは古くから親しまれてきました。曲として変化していても、多くの人の心に受け継がれていくバラードの本質は変わらずに残り続けています。クラシックにおけるバラードも、ポピュラーミュージックにおけるバラードも、感情に訴えかける曲であることに変わりありません。
どんな曲にも歌詞に込められた想いがあれば、聴く人のその時の感情によって音楽は色を変えます。古くは19世紀から人々は詩から歌へ、形を変えながら思いを馳せ、音楽を愛してきたのですね。
バラードの歴史から振り返ってみました。普段何気なく聞いている皆さんが好きなバラード曲も、更に深く歌詞に込められた意味に想いを馳せながら聴くと今まで以上に温かい気持ちになれるのではないでしょうか。