小説のおすすめまとめ!ミステリーや感動物など厳選作品紹介!
普段から読書の習慣がある人は様々な小説を読みますが、普段そんなに読まない人もふと読みたくなる時がありますよね?そんな時、たくさんある小説から選ぶのは大変です。誰かにおすすめを教えて欲しいという人のために、今回は厳選したおすすめの作品を紹介していきます。
目次
- 小説ってどれを選べば良いの?
- ミステリーの王道は外せない!
- オマージュ作品は面白さも倍に
- 長い間話題の理系ミステリー小説
- 壮大なスケールの圧倒的ミステリー小説
- 読み終わったら必ず読み返したくなる
- 信じる事の難しさを考えさせられる
- 心情がしっかり描かれた独特なミステリー
- 小さな小さな日常のどこにでもある幸せ
- ほのぼの感残る大人の恋愛小説
- 愛情溢れた不思議な人間関係
- 泣ける大人の恋愛小説
- 大人の女性の生き方と友情
- 愛に生きるすべての人に送る大人の恋愛
- 奔放な大人の可愛らしさが際立つ恋愛小説
- ふんわり幸せな気持ちを運ぶ
- 必ず2度読みたくなる切ない恋愛小説
- 様々な恋のかたちを集めたら
- 人生の価値を考えさせられる小説
- 優しさに満ち溢れたストーリーに涙
- 切ない恋心が感動を呼ぶ
- 映画で話題の恋愛小説は読んでおくべき!
- 胸キュン青春学生ラブストーリー
- パラレルワールドの独特な世界観を楽しもう
- 読んだらタイトルに涙する感動小説
- 男気に感動させられる話題の小説
- 博士の優しさと愛の深さに感動
- 人の様々な側面と自分自身について考える
- ほっこり系感動小説
- 優しい世界観が美しく表現された素敵な小説
- 自分好みの小説をみつけよう!
小説ってどれを選べば良いの?
小説が読みたいと思っても、本屋には数え切れないほどの小説がありますよね。読みたいと思える本を探すのには大変苦労します。決められないから誰かおすすめ教えてと思っている人も多くいることでしょう。そんな人のために、厳選したおすすめの小説をいくつか紹介していきます。
小説読みたいし、漫画も読みたい。でも何から呼んだらいいかわからない。漫画はみたいな決まってるからいいんだけど、小説はどの作家さんが自分の好みに合うかわからんしなぁ。どう選ぶかなぁ。
— くりやま/ポップコーンぶちまけ学生推しと話せた🙌 (@uravity_short) March 28, 2018
分類できるものはわかりやすいように、ミステリー、恋愛、感動物とジャンル別にして紹介していきます。特に好みのジャンルが決まっていない人も、おすすめの本の中から試しにどれか読んでみてください。挑戦してこなかったけれど、意外と好みという小説に出会えるかもしれませんよ。
久しぶりに小説読みたいけど最近どんな小説が出てるのか知らない←
— イルちゃん (@iruchaan) March 28, 2018
おすすめあったら教えて
ミステリーの王道は外せない!
【おすすめのミステリー小説】そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー
あまり小説を読まない人でも、題名くらいは知っているというくらい有名な小説ですね。以後の作品に多大な影響を与えたと言われるクローズド・サークルの傑作であり、代表作品です。クローズド・サークルとは何らかの事情で外との連絡が断たれた状況で起こる事件を扱った作品のことで、ミステリ用語になります。

孤島に招き入れられた十人の男女が、不気味な童謡の歌詞通りに次々と殺されていく物語です。読んでいるうちに、読者も追い詰められていく感覚に陥ります。複雑すぎないシンプルなトリックにもかかわらず、犯人がわからないまま追い詰められていく感覚は読んでみないとわかりません。正にミステリー小説の王道ですよね。有名すぎて敬遠していた人も、是非一度読んでみてください。

オマージュ作品は面白さも倍に
【おすすめのミステリー小説】十角館の殺人/綾辻行人
「十角館の殺人」は1987年に出版された「館シリーズ」の第一作目で、ミステリー作家・綾辻行人さんのデビュー小説です。この小説は「そして誰もいなくなった」のオマージュ小説になっています。「そして誰もいなくなった」を読んでいなくても楽しめますが、読んでおくことで更に楽しめます。王道のようで王道ではない、新本格ミステリーと表されている小説です。

ある大学の推理小説研究会のメンバー7人は、以前怪事件が起きた青屋敷跡と十角館を見に行くため、孤島・角島に一週間滞在します。一方、本土では元研究会のメンバー宛に既に死んでいるはずの男の名前で怪文書が届きます。怪文書を見て不審に思い、元会員の男は友人と共に調査を始めます。孤島で次々起きる事件と怪文書の謎という二つの視点で語られる事件の真実とは?

前半読み進めていると一見よくある王道ミステリーのようで、先が読めてしまいそうな不安が出てくるかもしれません。しかしそこは新本格ミステリーです。良い意味でこれまでの考えを裏切ってくれる展開に、最初から読み直したくなることでしょう。
長い間話題の理系ミステリー小説
【おすすめのミステリー小説】すべてがFになる/森博嗣
「すべてがFになる」は森博嗣のS&Mシリーズの一作目の小説で、デビュー作となります。S&Mシリーズは登場人物の助教授・犀川創平とその助手の西之園萌絵のイニシャルになっています。ミステリー小説としてはもちろんですが、ミステリー要素以外も面白く大変読み応えのある小説です。漫画やドラマにもなっていますが、おすすめなので是非小説で読んでみてください。
犀川創平と西之園萌絵は大学の研究室の学生と、ある孤島へ旅行に出かけます。その孤島の研究所で幼少期から完全隔離された場所で生活を送る天才工学博士・真賀田四季の部屋から、ウエディングドレス姿で両手両足を切断された死体が現れます。偶然居合わせた犀川創平と西之園萌絵は、この複雑な密室の謎を解決していくことになります。

舞台や登場人物、トリックに至るまで理系要素が多く、理系ミステリーとも言われている小説です。壮大な密室トリックと、「すべてがFになる」が理解できたとき、読者は驚きと感動すら覚えるでしょう。シリーズは全部で10になります。理系の学生以外でも楽しめる理系ミステリーを試すなら、是非この作品から読んでみましょう。

壮大なスケールの圧倒的ミステリー小説
【おすすめのミステリー小説】ジェノサイド/高野和明
「ジェノサイド」は「13階段」で江戸川乱歩賞を受賞した高野和明さんの代表作です。この小説は日本推理作家協会賞・山田風太郎賞・このミステリーがすごい!・週刊文春ミステリーベスト10の4冠を受賞しています。壮大なスケールの話で、サスペンスの中にSFの要素が入っています。読み始めると物語のスピード感がすごく、本当に圧倒されますよ。

物語はアメリカ政府からの要請でアフリカのジャングルを進む傭兵・イエーガーと日本で薬学を専攻する大学院の学生・古賀研人の二人の視点で進んでいきます。どちらも予期せぬトラブルや妨害で苦戦しますが、次第に明らかになってくる陰謀に立ち向かい、自分の使命を果たすために奮闘します。この2つのミッションが1つに繋がる時、驚くべき真実が明らかになります。

それぞれの物語がどちらも同じくらい面白く、ハラハラドキドキする展開にのめり込む事間違いなしです。読むにつれて、緻密な構成とリアリティーさに圧倒されますよ。スケールの大きいハリウッド映画のようなスペクタクルが好きな人は是非とも読んでおきましょう。

読み終わったら必ず読み返したくなる
【おすすめのミステリー小説】葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午
小説らしさのある展開が好きな人におすすめのミステリー小説です。ネタバレされると面白さが半減するので、読んだ事のない人は予備知識なしで読み始める事をおすすめします。読後感はスッキリして綺麗な作品ですが、ミステリー小説の中でもアッと驚くトリックが好きという人にはあまりおすすめしない作品です。壮大なスケール感やハラハラドキドキとは別の面白さが魅力ですね。

元私立探偵・成瀬将虎が同じフィットネスクラブに通う愛子から保険金詐欺の調査を以来されるところから始まります。同じ時期、成瀬は自殺を図ろうとしていた麻宮さくらを助け、成瀬の運命は動き始めます。保険金詐欺の真相究明と成瀬の恋がやがて交錯していくという物語です。

恋愛小説のような感覚も残しつつ、最後まで読むと描写ひとつひとつに意味があったと気付かされる驚きを含んでいます。好みが別れるミステリー小説ではありますが、その年のあらゆるミステリー賞を総なめにした作品ですので、読んでおいて損はないでしょう。

信じる事の難しさを考えさせられる
【おすすめのミステリー小説】怒り/吉田修一
八王子の郊外に暮らす若い夫婦が自宅で惨殺され、目撃情報からモンタージュ写真が作られました。犯人は山神一也、27歳です。殺人事件から1年後の夏、房総の漁港に現れた田代・ゲイの優馬がサウナで出会った直人・離島で女子高生が知り合った田中はそれぞれ前歴不詳の人物です。整形をして逃亡を続けている山神は今どこにいるのでしょうか?

自分の身近に現れた人物が指名手配犯かもしれないと思った時、人は何を考えどう行動するのかを3つのストーリーに照らし合わせて考えさせられる作品になっています。ミステリーでありサスペンスである「怒り」は、信じる事の難しさを教えてくれます。自分だったらどうするかを考えさせられ、何が大切なのかをしっかり学べる小説です。

心情がしっかり描かれた独特なミステリー
【おすすめのミステリー小説】告白/湊かなえ
「告白」は、湊かなえさんのデビュー作です。映画化もされて話題になったので、知っている人も多い作品でしょう。愛娘を教え子に殺された中学校教諭・森口悠子が復讐をしていく物語です。その方法が斬新で、読み進めていて背筋がゾクッとします。更にそこから事件に関わりのある人たちのそれぞれの視点で物語が明らかになっていきます。
スピード感がすごく、テンポも良いのでどんどん読み進めてしまいます。登場人物の思いや行動が交錯していき、大変読みごたえがあります。人間の悪意の部分が丁寧に上手に切り取られていくので、読んでいて暗い気持ちになりますが、真相がわかることでスッキリもし、独特な読後感が味わえますよ。

小さな小さな日常のどこにでもある幸せ
【大人におすすめの恋愛小説】タイニー・タイニー・ハッピー/飛鳥井千砂
小さな小さな幸せという意味のタイトルの小説です。東京郊外にある大型ショッピングセンター「タイニータイニーハッピー」を舞台にした、日常の男女間の出来事を丁寧に描いていく作品です。8人の男女の人間関係をそれぞれの目線で少しずつ語られていきます。日常にある些細な幸せを静かに切り取った様な幸せを感じられる小説です。
それぞれの人間が抱えた小さな悩みを、リアルに表現した素敵な作品です。オムニバス形式なので、主役として語られていた人が、その後脇役で登場します。このときは実はこんな事を考えていたのかと気付くのも、面白いですよね。読み返す楽しさもあります。

ほのぼの感残る大人の恋愛小説
【大人におすすめの恋愛小説】センセイの鞄/川上弘美
30代半ばで独身の主人公・大町ツキコはよく行く居酒屋で十数年ぶりに、高校の時の恩師で国語を教えていた松本春綱に再会します。先生の名前を覚えていなかったツキコは、春綱をセンセイと呼んで誤魔化します。その後も居酒屋でばったり会うと、「センセイ」「ツキコさん」と呼びあい、他愛もない話をするようになります。

こうしてセンセイと交流していくことで、徐々に2人の関係も穏やかに変化していきます。38歳と70歳の穏やかでどこかほのぼのとした大人の関係性が、空気感と共に伝わってくる優しくて切ない小説です。読み進めていると、ツキコには不思議と可愛らしさがあり、少女の様な魅力を感じます。

センセイに惹かれていくツキコの心情もリアリティがあり、距離の取り方も絶妙です。ときどきふいに読み返したくなる、しみじみと切ない大人の恋愛小説になっています。

愛情溢れた不思議な人間関係
【大人におすすめの恋愛小説】きらきらひかる/江國香織
お見合いをして、笑子と睦月は10日前に結婚しました。そんな2人は普通のカップルとは少し違っています。笑子はアルコールに依存して情緒不安定ですし、睦月は同性愛者で恋人がいます。それでもお互い納得して結婚したはずでした。アルコール依存症の笑子と同性愛者の睦月、その恋人である紺の3人による、複雑な関係性を描いた作品です。
この小説は1991年に発表された小説ですが、何度読んでも飽きないし色褪せない不思議な物語です。人間関係の不思議さを感じながら、純粋でまっすぐな感情と、人を愛するということを全力で教えてくれる魅力ある小説です。

泣ける大人の恋愛小説
【大人におすすめの恋愛小説】マチネの終わりに/平野啓一郎
切なく泣ける大人の恋愛小説です。天才ギタリスト・蒔野38歳と通信社記者の洋子40歳の大人の恋愛物語です。出会った瞬間から強く惹かれ合う2人ですが、洋子には婚約者がいました。愛するが故にすれ違い、もどかしく切ない大人の感性がしっかりと描かれています。

感情やお互いの思いは激しいのですが、40歳にもなるとしっかりと理性が働きます。どこまでも理性的な大人だからこそ、もどかしくも美しい恋愛になるのでしょう。共感できる大人の方に是非とも読んでいただきたい小説です。

大人の女性の生き方と友情
【大人におすすめの恋愛小説】肩ごしの恋人/唯川恵
奔放な大人の女性、るり子と萌の2人の生き方や友情について描かれている作品です。るり子と萌がそれぞれしっかりと自分を持った大人の女性で、好き嫌いは大きくわかれますが、なんとも言えない魅力があります。セックス等の話題にしづらい話も、いやらしさがなく明るくサバサバとした表現で読みやすいです。

ひたすら女について描かれた作品ですが、2人の大人の女の意見や行動を読み進めているうちに、女であることについて考えさせられることが多くあります。しっかりと自分を貫くるり子と、大嫌いだと言いながらるり子と友達でいる萌に共感できる部分も理解できない部分もひっくるめて、いろいろと考えさせられる作品です。
愛に生きるすべての人に送る大人の恋愛
【大人におすすめの恋愛小説】サヨナライツカ/辻仁成
「好青年」と言われる豊は30歳で、4ヶ月後に結婚を控えています。相手は妻にするには理想的な結婚相手・光子です。そんな中、奔放で魅力溢れる女性・沓子と出会い、恋に落ちます。出会う時期が違っていたら結果も違っていたのではないか、これほどまでに悩まなくて良かったのではないかと思わせる、切なく悲しくそれでいて美しい大人の恋が表現されています。

愛すること、愛されることについてじっくりと考えることができる小説になっています。愛に生きて、愛に悩むすべての人に読んでみて欲しい作品です。辻仁成さんの表現力の巧みさも魅力の小説ですよ。

奔放な大人の可愛らしさが際立つ恋愛小説
【大人におすすめの恋愛小説】言い寄る/田辺聖子
主人公・乃里子が独身時代の話です。乃里子が主人公の小説は「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」の三部作あります。大阪弁の大人っぽい恋愛表現が得意な作家さんですね。乃里子は「言い寄る」では30歳です。乃里子は自由奔放に恋愛を楽しみますが、どうしても言い寄れない相手が一人だけいました。幼馴染の五郎です。

他の男性には駆け引きができて、楽しく奔放に大人の恋愛を楽しめるのに、五郎にだけはどうしても言い寄れない乃里子の可愛さがとても際立ちます。好きな相手だからこそ言い寄れず、奥手になる乃里子の感情が丁寧に表現されていて、切なさや焦りや嬉しさ悲しさといった様々な感情が読者の感情も揺さぶります。乃里子と一緒にリアルな恋愛の感情を楽しんでみましょう。

ふんわり幸せな気持ちを運ぶ
【大人におすすめの恋愛小説】阪急電車/有川浩
宝塚駅から西宮北口駅を走るローカル線を舞台に、1話1駅ずつ話が進んでいく物語です。宝塚駅からスタートして、西宮北口駅に着いたら折り返して宝塚駅に戻っていく、全16話からなる物語になっています。電車を舞台に小さな幸せを少しずつ分けてもらえるような、ほっこりしたい大人におすすめの優しい小説です。

関西のローカル線を舞台に、恋や別れや途中下車をしながら少しずつ話が繋がっていく、片道わずか15分の胸キュン物語です。電車は人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていきます。外に出て幸せを探してみたくなる、そんな小さな奇跡の物語が詰まっていますよ。

必ず2度読みたくなる切ない恋愛小説
【おすすめの恋愛小説】ぼくは明日、昨日のきみとデートする/七月隆文
美術大学に通う学生・南山高寿はある日、大学までの電車内で一目惚れしてしまいます。相手は福寿愛美といい、美容師の専門学校に通う清楚で品のある顔立ちの人でした。会話をするうちに仲良くなり、やがて交際が始まります。初めて手をつないだとき、初めて料理を作ったとき、初めてお互いの呼び方を変えたとき、愛美は「私、涙もろいんだ。」と言い、涙を流します。

気配り上手でさびしがりやな愛美には、実は大きな秘密があったのです。奇跡の運命で結ばれた2人の、甘く切ない恋愛小説です。彼女の秘密を知った時、切なさに涙して、きっと最初から読み返したくなりますよ。

様々な恋のかたちを集めたら
【おすすめの恋愛小説】きみはポラリス/三浦しをん
11編からなる恋愛短編集です。すべての恋愛が普通じゃなく、様々な形の恋愛を集めた小説となっています。短編集なので、読みやすくおすすめです。恋の概念が広がる、幅広い恋愛を感じることができますよ。

恋に落ちた時、なぜ人はそれが恋だとわかるのでしょう?どんな時にその感情を恋と呼ぶのでしょう?三角関係や同性愛、片思いや禁断の愛、大人の恋愛等どんなに定義しても、この地球上にひとつとして同じ関係性はありません。決してひとつではない、そんな様々な恋のかたちが綴られた短編小説集です。

人生の価値を考えさせられる小説
【おすすめの恋愛小説】三日間の幸福/三秋縋
未来を悲観した嫌われ者の主人公・クスノキは、大学生になってお金に困り、寿命を売って生活費を得ることを決めます。寿命の大半を売り払ったクスノキは、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になります。しかし空回りし続け、何をやっても裏目にでてしまいます。そんなクスノキを醒めた目で見つめる監視員・ミヤギは何を思うのか?

卑屈で嫌われ者の主人公が、残り僅かな余生を過ごすうちに、人生の重みが浮き彫りになっていきます。人生は期間の問題ではなく、精一杯生きることなのだと思わせてくれます。命の価値をじっくり考えさせられる小説ですね。

優しさに満ち溢れたストーリーに涙
【学生におすすめの恋愛小説】僕は何度でも、きみに初めての恋をする。/沖田円
両親の不仲に悩む高校1年の女子学生・セイは、ある日カメラを構えた少年・ハナに写真を撮られます。優しく不思議な雰囲気のハナに惹かれてセイは毎日ハナに会いに行きます。しかし、ハナの記憶は1日しかもたないことを知ります。何度も「はじめまして」を重ね、そして何度も恋に落ちる、優しさに溢れた感動小説です。
それぞれが抱える痛みや悲しみを、2人で分かち合っていく過程に胸が痛みます。純粋な心が優しくあたたかく、心に響きます。それでも逃れられない過酷な現実が苦しくて涙が抑えきれない、美しくも悲しい感動小説です。

切ない恋心が感動を呼ぶ
【学生におすすめの恋愛小説】百瀬、こっちを向いて。/中田永一
こちらの小説は、4話からなる短編集です。どのストーリーも会話のテンポが良く、脇役のキャラクターも味があります。大人ではなく、学生だからこその爽やかさが感じられる甘酸っぱい恋愛や心地よい読了感があります。

中身も外見も冴えない主人公の「僕」が高校生の時の話です。「人間レベル2」の冴えない生徒だった「僕」は、隣のクラスの美少女・百瀬陽と付き合うことになります。しかし、これにはある事情があるのです。切なくて苦しい恋心と日常に隠れた謎の真実が描かれている、胸キュン恋愛小説です。

映画で話題の恋愛小説は読んでおくべき!
【学生におすすめの恋愛小説】君の名は。/新海誠
言わずと知れた映画「君の名は。」の小説です。ストーリー展開は映画と同じで、切なく感動と呼ぶSF恋愛ストーリーです。映画はもちろんのこと、小説も2016年の文庫売上ランキング1位となっています。東京で高校に通っている男子学生・立花瀧と、田舎町の高校に通っている女子学生・宮水三葉は眠っている間に意識が入れ替わってしまう謎の現象に悩まされます。

繰り返すうちに、日記を残すことでお互いとコンタクトをとっていくのですが、入れ替わりの現象がある時を境にパタリと止まってしまいます。心配になった瀧が三葉を探し出そうと奮闘していく物語です。映画とは違い、それぞれの心情が丁寧にしっかりと描かれているので、映画と小説で相互補完できるようになっています。映画を観た人でも、しっかり楽しめる小説ですよ。

胸キュン青春学生ラブストーリー
【学生におすすめの恋愛小説】君に恋をするなんて、ありえないはずだった/筏田かつら
続きが気になると話題になった学生同士の恋愛小説です。続編もでているので、続きもきちんと読めます。高校生のリアルな青春を描いた作品で、学生からの指示が厚い小説です。リアルな青春を描いているので、思わず感情移入してしまいます。
県立高校に通う地味男子学生・飯島靖貴は、クラスメイトの派手系女子学生・北岡恵麻が困っているところを助けます。それから気に入られたのか、恵麻は靖貴に話しかけてくるようになりました。しかし、恵麻が話しかけてくるのは学校外でだけです。靖貴は恵麻に苦手意識を持ち、どうして話しかけてくるのかわからず、戸惑うばかりです。
正反対の2人のすれ違い恋愛ストーリーは、リアルな青春そのものですね。読んでいるうちに2人の恋の行方が気になって、見守りたくなりますよ。主人公の心の描写がしっかりしているので、感情の流れがわかりやすく、面白くて感動する恋愛ストーリーになっています。

パラレルワールドの独特な世界観を楽しもう
【学生におすすめの恋愛小説】四畳半神話大系/森見登美彦
主人公は京都の大学に通う3回生の男子学生です。中学・高校時代に素晴らしい青春を送る事が出来なかったため、大学こそは素敵なヒロインと恋愛をして薔薇色のキャンパスライフを過ごすぞと意気込んで入学します。しかし3回生の今、四畳半のアパートで鬱々とした日々を過ごす毎日を送っています。現実に耐えきれず、いっそ1回生の頃から大学生活をやり直せればと願います。

この小説は4章で構成されており、どの章でも主人公が入学当初に選ぶサークルが別のものになっているパラレルワールドを扱った作品です。もしも1回生の時に別のサークルを選んでいたならば、きっと薔薇色のキャンパスライフになっていただろうと考え、そのためのサークル選びが物語の分岐ポイントになっています。
どの章においても別の並行世界の断片が見え隠れし、時に別の並行世界では解決しなかった部分が解決していくといった、各々の並行世界が少しずつ干渉しあっている独特の世界観が味わえる作品となっています。登場人物も個性的な人たちばかりで、飽きずに読む事ができます。各章での登場人物の印象も、見えていたもの見えなかったものにより変わってくるところが興味深いです。

森見登美彦さんの独特の文体も中毒性があり、世界観にハマる人が多いです。薔薇色のキャンパスライフを目指している学生や、現状に満足出来ずに嘆いている大人にも是非おすすめしたい小説ですね。


読んだらタイトルに涙する感動小説
【おすすめの感動小説】君の膵臓をたべたい/住野よる
目を引くタイトルで話題となった感動小説ですね。住野よるさんのデビュー作です。「君の膵臓をたべたい」なんて青春恋愛小説とは思えないタイトルですが、作品を読み進めると、タイトルに込められた意味に涙すること間違いなしです。命の尊さ、今日という1日の奇跡と人生のある種の平等さに気付かされる作品です。

ある日、高校生の主人公・僕は病院で「共病文庫」と書かれた文庫本を拾います。それはクラスメイトの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳でした。僕はこれによって、彼女が膵臓の病気で余命わずかであることを知ります。偶然にも彼女の秘密を知ってしまった僕は、その後彼女に振り回される日々を送りつつ、自分とは正反対の彼女に徐々に惹かれていきます。

学生の恋愛と死について描かれる作品は暗く重くなりがちですが、僕と山内桜良のやりとりが軽快で明るく、恋愛小説としてもしっかり楽しめるようになっています。明るい中に描かれるふとした桜良の不安や切なさを考えると、感動せずにはいられませんね。

男気に感動させられる話題の小説
【おすすめの感動小説】永遠の0/百田尚樹
映画にもなり、大変話題なので知っている人がほとんどでしょう。百田尚樹さんの作家デビュー作です。特攻隊員として戦死した祖父の事を姉弟で調べるうちに、祖父の人柄や生き様に触れていく物語です。祖父・宮部久蔵の印象は語り手によって異なり、調べていくほどにわからなくなっていきます。

国のために命を捧げるのが当たり前の時代に自分の意志を強く持ち、娘に会うまでは死なないという妻との約束を頑なに守ろうとした久蔵の男気に、感動なしでは読めません。特攻を選んだ理由や判明した事実にも、ただただ心打たれます。久蔵の生き様と共に、戦争についても考えさせられる素晴らしい作品です。

博士の優しさと愛の深さに感動
【おすすめの感動小説】博士の愛した数式/小川洋子
事故のせいで80分しか記憶がもたない元大学教授の数学者・博士と、家政婦として博士の家に勤めている主人公の女性と、その息子・ルートの3人の奇妙で穏やかな日々の心あたたまるほのぼのしたふれあいを描いた物語です。博士との会話の中で、数式の美しさや奥深さに触れることができます。

記憶が80分しか持たないという博士の悲しさや切なさと共に、博士の子供や数式に対する愛が心に深く沁みる作品です。そんな博士とふれあう主人公やルートの博士に対する向き合い方にも、大変感動させられます。

物語の展開が気になって読み進めていくというよりも、3人のやりとりをずっと見ていたい気持ちなっていきます。優しさに溢れた日々を一緒に感じることができますよ。読んでいてあたたかい気持ちになれる、優しい愛と奇跡の感動物語です。

人の様々な側面と自分自身について考える
【おすすめの感動小説】アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス
チャーリー・ゴードンは32歳で、パン屋で働く心優しい主人公です。幼児程度の知能でしたが、脳外科的手術によってIQ180以上の天才的な知能を手に入れます。アルジャーノンはチャーリーと同じ手術を受けたハツカネズミです。チャーリーは自分とアルジャーノンを重ね合わせながら、自分自身の変化や周囲の人間の対応の変化に苦悩していきます。

言わずと知れた感動小説です。天才的な知能を突然手に入れたチャーリーは、幼いままの精神とバランスがとれずに苦悩していきます。頭が良くなればもっとみんなと仲良くなれると思っていたチャーリーの期待とは裏腹に、手術を受けたことで見えてきた人間の様々な側面が彼を苦しめる様は、読んでいて心が締め付けられます。

誰もが持っている様々な側面を、チャーリーを通して今一度考えることができます。学ぶことや知らないことを知ることの大切さと共に、共感することの大切さを考えさせられます。チャーリーを通して見ることで、自分自身がどうあるべきなのかを改めて問われているような気持ちになります。涙を流す覚悟で、チャーリーの苦悩を一緒に感じてみましょう。


ほっこり系感動小説
【おすすめの感動小説】西の魔女が死んだ/梨木香歩
中学に進んでまもなく、少女まいは思春期独特の女子のグループ化についていけず、学校に行かなくなってしまします。見かねた母が、西の魔女こと田舎のおばあちゃんのもとで夏休みを過ごす事を勧めます。イギリス人のおばあちゃんから魔女の手ほどきを受けるまいは、次第に自分らしさを取り戻していきます。魔女修行の内容は、何でも自分で決めて、最後までやり遂げる事でした。

おばあちゃんの無条件の愛でまいが受け入れられ自分を取り戻していく様が、優しく楽しく描かれている愛に溢れる小説です。自分の意志を把握するのは、当たり前のようで意外と難しいです。おばあちゃんとの生活でほっこりしながら愛と感動を与えてくれる「西の魔女が死んだ」は、不朽の名作ですね。

優しい世界観が美しく表現された素敵な小説
【おすすめの長編小説】羊と鋼の森/宮下奈都
2016年に本屋大賞に選ばれた宮下奈都さんの作品です。「羊と鋼の森」というタイトルは、ピアノを意味しています。ピアノの調律師に魅せられた青年外村が、調律師として人として成長していく暖かな小説です。学生の時にたまたま体育館のピアノを調律しに来たピアノ調律師との出会いによって、ピアノにもクラシックにも興味がなかった青年が調律師の仕事に没頭していきます。

ピアノ調律師という仕事で出会った人々との関係がしっかりと繊細に描かれていて、仕事についても考えさせられる作品です。世界観全体がとても優しく、登場人物も優しく素敵な人ばかりです。美しく繊細な描写が、読んでいる人を優しい気持ちにさせてくれる心暖まる小説です。優しい世界観が好きな方には是非ともおすすめしたい小説ですね。


自分好みの小説をみつけよう!
おすすめの小説を紹介してきました。題名も初めて聞いたという小説もあったかもしれません。紹介してきた小説はおすすめの中でも一部ですが、選びきれない小説の中から試しに読んでみる物を探す時の参考にしてみてください。

これまで挑戦してこなかったジャンルにも、あなた好みの小説があるかもしれません。少しでも気になった小説があれば、是非読んでみてください。自分に合った小説を見つけることができたら、新しい自分も発見できるかもしれませんよ。
