着物の種類まとめ・女性編!名前や見分け方・TPOも解説!
どの場面でどんな種類の着物を着るべきなのか、帯や和装小物はどうすればいいのか、分からないことや悩むことも多いはずです。今回は、女性の着物における第一礼装・準礼装・略礼装・普段着の種類と名前を、見分け方やTPOなどの解説と共にご紹介いたします。
目次
- 着物には種類がある
- 黒留袖(第一礼装の着物)は祝儀のための装い!
- 黒留袖に肝心なのは重厚感
- 振袖(第一礼装の着物)は成人式以外にも使える!
- 振袖には華やかさが欠かせない
- 黒喪服(第一礼装の着物)の見分け方・TPOなど
- 色留袖(第一礼装・準礼装の着物)は黒留袖と少し違う!
- 色留袖は帯や和装小物の組み合わせに注意
- 訪問着(準礼装の着物)は格式とおしゃれ要素を併せ持つ!
- 色無地(準礼装・略礼装の着物)は幅広く活用できる!
- 色無地に合わせる帯・和装小物は用途によって様々
- 付け下げ(準礼装・略礼装の着物)でさりげなく魅力を演出
- 江戸小紋(準礼装・略礼装の着物)は粋に着こなす!
- 江戸小紋を着るなら帯で季節感を表現しよう
- 小紋(普段着の着物)は普段使いにピッタリ!
- 小紋は個性を活かして楽しむ
- 紬(普段着の着物)はカジュアルに日常を彩る!
- 紬の着こなし方は自由度が高い
- 浴衣(普段着の着物)は夏のマストアイテム!
- 浴衣に大切なのは清涼感
- 種類とTPOを知ることが着物女子への第一歩
着物には種類がある
どんな種類の着物を着るべき?ルールが分からない!

例えば、結婚式に参列する時や、子どもの入学式に出席する時、せっかくなら着物を着て行きたいと思うこともありますよね。しかし、具体的にどんな着物を着るのがTPOに合っているのか分からず、悩まれた経験もあるのではないでしょうか?冠婚葬祭、様々な場面で着ることのできる着物ですが、実は、TPOに応じてその種類を細かく使い分ける必要があります。

この記事では、女性の着物の種類について、その特徴や見分け方を、分かりやすくご紹介します。「どの場面で着たらいいのか」というTPOの解説の他、意外と知らない帯の使い分け方や和装小物の揃え方もお伝えしますので、要チェックです。
黒留袖(第一礼装の着物)は祝儀のための装い!
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黒留袖(くろとめそで)は、既婚女性の第一礼装にあたります。黒地に「五つ紋」付きで、縫い目で模様が途切れない「絵羽模様」が裾だけに描かれていることが、見分けるポイントです。また、黒留袖の多くは、二枚重ね着しているように見える「比翼仕立て」となっています。これは、長襦袢の上に白羽二重を着た上で黒留袖を重ね着するという、従来の着方を簡略化するためのものです。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面は、親族として参列する結婚式、披露宴などです。具体的には、新郎新婦の母親、既婚の姉妹やおばなどの親族が着ることになります。また、媒酌人(仲人)を頼まれている場合、その婦人も黒留袖を着るのが一般的です。
黒留袖に肝心なのは重厚感
黒留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯

黒留袖を着る時の帯は、金地や銀地、白地に色を加えて織られた、「織りの袋帯」を選ぶのが一般的です。柄は「吉祥模様」などの格調高いものがTPOに合っています。帯結びは、「喜びが重なって続いてほしい」という願いの込められた結び方である「二重太鼓」にしましょう。
黒留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②帯揚げ・帯締め

帯揚げは、「総絞り」か「縮緬」か「綸子」の白、または、白地に金色や銀色が入っているものを使います。帯締めに関しても、帯揚げと同様、白か、白地に金色や銀色が入っているものを選ぶのが一般的です。
黒留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前③扇子

黒留袖を着る時は、骨(紙以外の部分)が黒い「黒骨」の「末広(祝儀扇)」を、帯の左脇に挿しておきます。誰かに挨拶をする時は、取り出して右手に持ちましょう。広げて扇ぐことはしません。
黒留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前④その他の和装小物

他に、長襦袢や半襟(長襦袢の襟に縫い付けるもの)は必ず白を選ぶことがポイントです。草履やバッグは、金色や銀色、白色がベースとなっているもの(バッグは小ぶりの抱え型か手提げタイプのもの)がTPOに合っています。草履のかかとの高さは5cm前後が目安です。
振袖(第一礼装の着物)は成人式以外にも使える!

振袖(ふりそで)は、未婚女性の第一礼装にあたる着物です。この「振袖」という名前は、長い袖を振ることで神を呼び寄せたり厄を払ったりするという習わしに由来しています。他の着物との見分け方のポイントは、袖の丈の長さです。最近は、袖丈114cm程度のものが、一般的な振袖として着られています。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面として、成人式の他に、未婚女性として参列する結婚式や披露宴、初釜などが挙げられます。
振袖を着るならヘアアレンジも!

可愛いヘアアレンジに挑戦してみることも、振袖を着る上での楽しみ方の一つです。TPOにも気を付けつつ、女性らしい素敵な髪型で、振袖姿をより一層美しく彩りましょう。

振袖には華やかさが欠かせない
振袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯
振袖を着る時の帯は、金糸や銀糸を用いた「織りの袋帯」を選ぶのが一般的です。帯は、帯全体に柄がある「全通柄」か、胴の一巻き目が無地になっている「六通柄」の帯を用います。「未来に向かって飛び立つ」という意味が込められた「変わり結び」(リボン結びや蝶々結びのような、羽根が出ている結び方)が、成人式などの場面にはふさわしいです。
振袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②帯揚げ・帯締め

帯揚げは、華やかな着物や帯に負けない色の「総絞り」でボリューム感を出すのが一般的です。帯締めも、帯に負けない色で、幅広タイプの「平組」や太めの「丸組」のものを選ぶとよいでしょう。先端が細いひも状になったものや、アクセサリーが付いたものが、最近の主流です。
振袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前③草履・バッグ

草履のかかとの高さについては、5cm以上の高めのものが、フォーマルでTPOに合っています。また、バッグは「裂地」(布地)のものが正式であるとされており、特に、「綴織」や「錦織」、「佐賀錦」などの気品のあるものがよく使われます。ただ、最近はエナメル製のものなども多く流通しており、好みに応じてそれらを選んでも問題はありません。
振袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前④その他の和装小物

長襦袢の襟に付ける半襟や、着物の襟に重ねる伊達襟は、刺繍が施されているものを選ぶと華やかになります。成人式などの場では、華美であっても、TPOに沿わないということはありません。
黒喪服(第一礼装の着物)の見分け方・TPOなど
黒喪服(くろもふく)は、女性が喪に服する際の第一礼装にあたる着物です。黒留袖と同じく、黒地に「五つ紋」が付いています。柄がなく黒一色であるということが、黒留袖との見分け方のポイントです。二枚重ね着しているように見える「比翼仕立て」のものもありますが、そうでないものもあり、好みで選ぶことができます。地紋のない無地のものが、正式な黒喪服です。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面として、葬儀、告別式などが挙げられます。家によっては、三回忌くらいまで黒喪服を着ることもあります。夏の時期に黒喪服を着る場合は、透け感のある布地で、かつ「単衣」(裏地を付けない仕立て方)のものを選ぶのが一般的です。
黒喪服のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前

長襦袢、半襟、足袋は白で合わせ、それ以外の帯、帯締め、帯揚げなどは、全て黒で揃えます。草履やバッグは、黒色で、かつ光沢のないものを選びましょう。
色留袖(第一礼装・準礼装の着物)は黒留袖と少し違う!

色留袖(いろとめそで)は、既婚か未婚かを問わず、女性の第一礼装、あるいは準礼装とされている着物です。「五つ紋」が付いており、なおかつ「比翼仕立て」である場合、黒留袖と同格の第一礼装として扱われます。訪問着と見た目がよく似ていますが、模様が縫い目で途切れない「絵羽模様」が裾だけに入っていることが、見分け方のポイントです。
いつ・どこで着るのか

第一礼装として着る場合は、黒留袖と同様、親族として参列する結婚式や披露宴に着て行くことができます。「三つ紋」や「一つ紋」の場合は準礼装となり、実際に着る場面として、披露宴、また、格式のある茶会やパーティーなどが挙げられます。
色留袖は帯や和装小物の組み合わせに注意
色留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①第一礼装として着る場合

色留袖を第一礼装として着るのであれば、金色、銀色、白色の帯や和装小物を使用するのが一般的です。「末広(祝儀扇)」は「黒骨」または「白骨」のものを用います。その他の和装小物も、基本的には黒留袖に準じます。草履は、台と鼻緒が同素材・同色のフォーマル用のものを選びましょう。かかとの高さは5cm前後が目安です。
色留袖のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②準礼装として着る場合

準礼装として着る場合も、帯は「袋帯」を合わせますが、なるべく金糸や銀糸を抑えたものを選ぶのが一般的です。帯揚げや帯締めは、濃い色にするなど、自分なりにアレンジすることもできます。草履やバッグは、金色や銀色のものよりも、白系のシンプルなものの方がTPOに合うでしょう。
訪問着(準礼装の着物)は格式とおしゃれ要素を併せ持つ!
ピンクで四季草花柄の訪問着が入荷いたしました。ぜひ3月のこの時期に着て頂きたいような春らしく品のある雰囲気で、お嫁入りのお支度や20~30代のお嬢様用のお召し物として最適です。#訪問着 #名古屋市で訪問着選び #きものやまなか pic.twitter.com/OZ0c2kYzWS
— 訪問着 名古屋市 (@houmongi_nagoya) March 13, 2018
訪問着(ほうもんぎ)は、色留袖の次にフォーマルな着物で、女性の準礼装にあたります。縫い目をまたいで続く「絵羽模様」があるのは色留袖と同じですが、襟、肩、裾にかけて全体に模様が広がっていることが、見分け方のポイントです。「八掛」(裾の裏地)が表地と同じ素材で「共八掛」という仕立て方になっていることも、特徴の一つとして挙げられます。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面は、友人や会社関係の方の結婚式、披露宴、各種パーティーなどです。茶会に着て行く場合は、華美なものを避け、模様の少ないすっきりとした色柄のものを選ぶのがよいでしょう。
訪問着のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前

訪問着を着る時は、「織りの袋帯」を用います。帯揚げは、着物に調和する「絞り」や「綸子」を選ぶのが好ましいです。帯締めは、金色、銀色、白色の他、着物の色地に合うような、おしゃれ要素のある色を選んでも問題ありません。草履については、かかとが5cm前後の高めのものが、フォーマルな場に合います。バッグは、華やかな色を用いて織られた「帯地」のものが一般的です。
色無地(準礼装・略礼装の着物)は幅広く活用できる!

色無地(いろむじ)は、女性の準礼装、及び略礼装の着物として、幅広い場面で着用されています。特に「一つ紋」付きの色無地(略礼装)は、女性にとって最も着用範囲の広い着物の一つです。「三つ紋」付きのものに格の高い帯を合わせると、準礼装として着ることもできます。模様を付けずに黒以外の一色で染められているかどうかという点で、他の着物と見分けることが可能です。

「色無地」という名前ですが、生地に地紋が入っているものもあります。地紋の柄の種類や有無、染めた色によって、慶弔どちらの場面でも用いることができます。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面として、卒業式、入学式、茶会、一流レストランでの食事などが挙げられます。格を上げると、結婚式の披露宴にも着て行くことが可能です。紋を入れない場合は、おしゃれ着感覚で着ることができます。
色無地に合わせる帯・和装小物は用途によって様々
色無地のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯

色無地を着る時に使う帯の種類は数多くあります。具体的には「袋帯」、「京袋帯」、「袋名古屋帯」(※綴織など格調のあるものに限ります)、「名古屋帯」などがあり、TPOに応じて使い分けます。フォーマルな装いの際には「袋帯」を用いるのが一般的です。
色無地のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②帯揚げ・帯締め

色無地を準礼装として着る場合、帯揚げは、「絞り」や「綸子」の素材で、着物や帯に調和する薄い色地のものを選ぶのが好ましいです。帯締めは、準礼装の色無地に用いる場合は、やや幅広かボリューム感のあるもので、なるべく淡い色のものを用います。
色無地のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前③草履・バッグ

草履は布製のものの他、皮革に金粉、金糸、螺鈿などの光るものが施された、おしゃれ度の高いものも使用できます。かかとの高さが5cm前後のものを選ぶのが一般的です。お祝いの席では、バッグは上質な布製のものを持って行くと、場の雰囲気に調和します。
付け下げ(準礼装・略礼装の着物)でさりげなく魅力を演出

付け下げ(つけさげ)とは、訪問着を簡略化した、女性の準礼装、及び略礼装にあたる着物です。訪問着や留袖などでは、裏地が表地と同じ素材になる「共八掛」という仕立て方が用いられていますが、付け下げの場合、裏地には表地と異なる素材が使われており、見分けるポイントとなっています。また、柄が縫い目で途切れている(「絵羽模様」ではない)ことも、付け下げの特徴です。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面として、卒業式、入学式、お宮参り、七五三、茶会、披露宴などが挙げられます。七五三など、子どもが主役のシーンの場合は、控えめであっさりとした柄付けのもので、地色も優しい色調のものを選ぶのが好ましいでしょう。
付け下げのTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前

古典柄模様の「織りの袋帯」などを合わせると、着物の格が高くなり、結婚式や披露宴などの場に準礼装として着て行くことができます。こうした場合、帯をはじめ、帯揚げ、帯締めなども、金色や銀色が少し入ったものを用いるのが一般的です。草履のかかとの高さは、準礼装として着る場合は5cm前後が目安です。略礼装として着る場合は、3~4cmのものを選んでも問題ありません。
江戸小紋(準礼装・略礼装の着物)は粋に着こなす!

江戸小紋(えどこもん)は、女性の準礼装、及び略礼装として用いられる着物です。「一つ紋」を付け、かつ礼装用の帯を合わせると、準礼装になります。「江戸小紋」は、名前の通り、江戸時代中期以降に町人や女性の服として流行した着物です。そのためか、ぱっと見では無地に見えるものの、近くで見ると繊細な柄が染められているという、江戸っ子らしい粋な工夫が施されています。

つまり、「遠目に見ると無地」、「近くで見ると小さな柄がある」という二つの条件を同時に満たしていることが、江戸小紋の見分け方のポイントです。
いつ・どこで着るのか

江戸小紋を実際に着る場面として、茶会、少し改まったご挨拶の場などが挙げられます。茶会に着て行く場合は、江戸小紋に「一つ紋」を入れて仕立てておくとよいでしょう。
江戸小紋を着るなら帯で季節感を表現しよう
江戸小紋のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯

茶会やご挨拶の場に準礼装として着て行く場合は、伝統的な模様を織り出した「袋帯」や「名古屋帯」を選びます。観劇や食事会など気軽な会に略礼装として着て行く場合は、「洒落袋帯」や「染め名古屋帯」を合わせるのが好ましいです。また江戸小紋は、季節を問わずに着ることのできる着物なので、帯で季節感を出すのが、茶会などでは好まれます。
江戸小紋のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②その他の和装小物

帯揚げや帯締めで意外な色の組み合わせに挑戦してみるのも、江戸小紋を着こなす上での楽しみの一つです。ただし、金色や銀色の入った礼装用の帯締めは、カジュアルな着物には不釣り合いなので、注意が必要になります。TPOに気を付けつつ、粋に着こなしてみましょう。草履は、白色や淡い色のエナメル製のものを選ぶと、改まった場で着る場合にも使えて重宝します。
小紋(普段着の着物)は普段使いにピッタリ!

小紋(こもん)は、女性の普段着やおしゃれ着に分類されます。付け下げや訪問着を着て行く程ではなくても、少し着飾ってみたい時、使い勝手がいいのが小紋です。小紋の多くは着物全体に模様が広がっており、これが他の着物との見分け方のポイントとなっています。しかし、柄付けによっては、付け下げのように部分的に模様が施されているものもあるので、注意が必要です。

基本的には、型を使って染める「型染め」の着物として流通しています。したがって、同じパターンの模様が繰り返されており、これも小紋の見分け方の一つです。
いつ・どこで着るのか

プライベートの遊び着として着ることが可能な小紋は、観劇やコンサート、食事会、同窓会などに着て行くことができます。
小紋は個性を活かして楽しむ
小紋のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯・帯揚げ・帯締め

以前は、「染め」の着物には「織り」の帯を合わせるのが一般的と言われていました。しかし最近では、「染め」の帯を合わせて季節感を出し、やわらかく装うことも多くなっています。カジュアルに着こなすのであれば、「染めの名古屋帯」を選ぶのが、TPOに合っていて無難です。少し堅い雰囲気を出したい時は、従来通り「織り」の帯を合わせるとよいでしょう。

帯揚げや帯締めに関しては、金糸や銀糸の入ったフォーマルすぎるものは、基本的に使いません。また、観劇などで長時間イスに腰かける場合は、「お太鼓結び」にすると背中が楽になります。歌舞伎や能を観に行くのであれば、それに因んだ模様を帯や着物に取り入れるのも、楽しみ方の一つです。
小紋のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②草履・バッグ

草履は、金色や銀色が入っているものは避け、発色の良いエナメルの無地などを選ぶとよいでしょう。かかとの高さは3~4cmが目安です。また、カジュアルに着物を着る時は、ボストンタイプの和装バッグを合わせるのが定番です。小紋の場合は、小ぶりな洋装タイプのものを選んでもかまいません。
紬(普段着の着物)はカジュアルに日常を彩る!

紬(つむぎ)は、「織り」の着物の代表格と言える着物で、女性が普段着やおしゃれ着として使うことができます。たとえ価格が高価であっても、あくまで普段着であり、礼装ではないということに気を付けてください。

全国各地に生産地があり、特に「結城紬」や「大島紬」などが有名です。有名な生産地で作られた紬には必ず付いている「タグ」が、紬の種類の見分け方のポイントとなります。他の着物との見分け方に関しては、「染め」ではなく「織り」の着物という点以外に目立った特徴がないため、やはり「タグ」を確認することが、見分け方の手段として適していると言えるでしょう。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面として、食事会、同窓会、観劇、コンサートなどが挙げられます。また、「大島紬」は軽くて水に強いので、旅行に着て行ったり、普段着として用いたりすることも可能です。
紬の着こなし方は自由度が高い
紬のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯

普段着である紬に合わせる帯は、「名古屋帯」、「袋名古屋帯」などが一般的です。「半幅帯」を角出し風に結んでも、粋で可愛らしい印象になります。
紬のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②その他の和装小物

半襟は白色のものだけでなく、「色半襟」や「柄半襟」も使うことができます。「伊達襟」は、「織り」の着物である紬には使いません。帯揚げは、決まりごとにとらわれずに、差し色になるようなものを選ぶと、おしゃれに着こなすことができます。帯締めは、「冠組(ゆるぎ組)」や「平唐組」が、締めやすく丈夫なので、使用するのに適しています。

草履やバッグも、趣味性の高いものを選んで使うことができます。バッグは洋装用の小さめの手提げバッグを選んでも問題ありません。草履は、かかとの高さが3~4cmくらいのものが、カジュアルな紬には合います。
浴衣(普段着の着物)は夏のマストアイテム!
浴衣(ゆかた)は、夏に普段着として着ることができる着物の一つです。着物の中では最もカジュアルな服装とされており、洋装で例えれば、Tシャツとジーンズにサンダルを合わせているようなものだと言えます。

夏の着物は、涼しさを確保するため、「単衣」という裏地の付かない仕立て方が採用されています。また、「薄物」という、透け感のある素材で作られた着物も、夏にはよく着られています。こうした夏着物と浴衣の見分け方のポイントは、素材の違いを確認することです。基本的に、綿製なら浴衣、絹製なら夏着物と考えられます。
いつ・どこで着るのか

実際に着る場面は、夏祭り、夕涼み、花火大会などです。本来は非常にカジュアルな普段着ですが、最近は上質な素材のものも販売されており、下に長襦袢を着て「名古屋帯」などを合わせれば、レストランや美術館などにも着て行くことができます。こうした場合、足元についても、足袋と下駄(もしくはシンプルな舟形下駄)を履くなど、TPOに気を付ける必要があります。
夏ならではの決まりごとも
絽の刺繍半襟GETだぜ。汗をかいても安心安全のポリ〜☺アンティークの半襟ほど可愛くはないけど、ピーコックグリーンが珍しくてイロチ買いで買ってしまった 今年の夏は使わなそうだから来年かなぁ。よく考えたら今年は1回しか夏着物を着ていない。浴衣は稽古で毎週着てはいるが… pic.twitter.com/GGJymMOSK0
— .. (@nanashikmn) August 22, 2017
レストランや美術館に着て行く場合、つまり、長襦袢の上に浴衣を着る場合は、守るべきルールもあります。それは、6月から9月までの期間、浴衣を含めた夏の着物は、帯揚げや半襟の素材を透け感のある「絽」に変えなければならないということです。また、7月から8月にかけての真夏の時期に関しては、「麻」や「紗」の帯揚げ・半襟も使います。
素敵なネイルで浴衣姿の魅力アップ!

浴衣は、基本的にはTPOをあまり気にせずに着ることができる、夏の遊び着です。だからこそ、ネイルを存分に楽しむことができます。もちろん、他の種類の着物でも、指先のおしゃれは大切です。着物に似合うネイルのデザインをチェックして、ぜひ挑戦してみてください。

浴衣に大切なのは清涼感
浴衣のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前①帯

帯は「半幅帯」を使うのが一般的です。「兵児帯」でもかまいません。結び方に決まりごとはないので、好みの結び方で楽しむことができます。上質な浴衣でお出かけする時の帯には、透け感が涼しげな印象を与える「博多紗献上」(名古屋帯の種類の一つ)などを選ぶのが好ましいです。
浴衣のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前②帯揚げ・帯締め・帯留め

帯揚げは、「半幅帯」や「兵児帯」の場合はあまり使いません。「博多紗献上」などに合わせる帯揚げは、涼しげな色合いのものを選ぶのがTPOに合っています。帯締めに関しては、単体で使うのもよいですが、とんぼ玉や硝子玉の帯留めを使うと、より清涼感が増し、夏らしい雰囲気を出すことができるでしょう。
浴衣のTPOに応じた帯・和装小物の種類と名前③草履・下駄・バッグ

草履や下駄について、素足で履く場合、「白木」の台よりも黒色やそれに近い色のもの、あるいは「塗り」のものの方が、汚れが目立ちません。バッグは、浴衣には「籠」のバッグが合います。浴衣の場合は、多少大きめのものでも違和感はありません。
下駄を履くなら選び方に注意!

浴衣のTPOに合うのは、やはり下駄です。しかし、選び方を間違えてしまうと、足が痛くなってしまうこともあります。履き方にも気を付けつつ、なるべく歩きやすい下駄を選びましょう。

種類とTPOを知ることが着物女子への第一歩

着物の種類はたくさんありますが、特徴を覚えれば、簡単に見分けることができるようになります。種類ごとに決まっているTPOや帯・和装小物の使い方も踏まえ、ぜひ、着物の着こなしを楽しんでみてください。