アクアリウム初心者入門レイアウト術!水草の種類から育て方まで紹介
アクアリウム初心者の人は、熱帯魚選びや機材選びの次に水槽内のレイアウトで悩んでつまづいてしまう人が多いようです。そこで今回はアクアリウム初心者の人に向けた水草の種類や育て方、そして水槽内のレイアウトについて解説していきます。
目次
- アクアリウム初心者に向けたレイアウト入門!
- セッティング前にレイアウトを絵にして考える
- レイアウト水槽に必要な道具とは?
- 流木はあく抜きをすること!
- 水草の種類を知ろう!
- 陰性の植物を使用してみよう
- 前景におすすめの水草3種
- 中景におすすめな水草
- 後景におすすめできる水草は?
- 水草にはこんな底砂がおすすめ!
- 水槽のレイアウト開始前に水草の前処理をしよう!
- 水槽のレイアウトセッティング手順
- 水草の植え方について
- 水草の発色をよくするにはどうしたらいい?
- 水草にコケが付いたらどう対処する?
- 水草が枯れる原因にはどんなものがある?
- 水草は定期的なトリミングが必要!
- 熱帯魚はどのタイミングで入れればよい?
- 水草と相性の悪い熱帯魚に注意しよう!
- 参考にしたい水槽レイアウトをチェック
- 綺麗なレイアウト水槽を維持する秘訣とは?
- オリジナルレイアウトの水槽を作って楽しもう!
アクアリウム初心者に向けたレイアウト入門!

アクアリウムの水槽レイアウトは上級者になればなるほど、個性的なレイアウトが多いです。アクアリウム水槽のレイアウトを考えるときに水草を使うことを考えるアクアリウム初心者は多いですが、水草の育て方を覚えておかないと、最初はよくてもその綺麗な状態を維持することができません。

今回はアクアリウム初心者のレイアウト入門として、水草の種類や育て方について、また基本的な水槽レイアウトや熱帯魚と水草の相性や、レイアウト水槽の維持の基本的なことについてお話していきます。
セッティング前にレイアウトを絵にして考える
アクアリウム初心者のレイアウト入門1

水槽のレイアウトを考えるとき、上級者なら一通り熱帯魚や水草の知識があるため頭の中でイメージした状態で、すぐにレイアウト作成をしてしまう人がいます。しかし、アクアリウム初心者の場合、熱帯魚や水草の育て方についての知識が乏しく、イメージだけでいきなり水槽のレイアウトを始めると失敗してしまうことが多いです。
アクアリウム初心者の場合、水槽のレイアウトを考えるときには、まずイメージを絵にかいてみることをおすすめします。そしてその絵にあうような水草や熱帯魚を調べ、育て方などアクアリウムの知識をしっかりと身につけましょう。また、水槽内のレイアウトは構図や色合いなどが重要なポイントとなってきます。
水槽内の構図を考える
水槽のレイアウト構図は「三角構図」、「凸型構図」、「凹型構図」の3つが一般的な構図となります。「横一列構図」は難しいので慣れてきてから考えるようにします。三角構図は水槽の中で流木や水草などのレイアウトが三角形になるように配置した構図です。あまりごちゃごちゃしたことを考えないで済むので、アクアリウム初心者のレイアウト入門に最適な構図といえます。

凸型構図は3つの構図の中で一番難しいとされているので、アクアリウム初心者はやめておいたほうが無難です。凸型構造は水槽の中央を高く目立つようにレイアウトするので、水草のトリミングなで形状を維持するのが面倒くさいです。凹型構図は凸型とは逆に、水槽の左右に水草や流木などを配置して高さをだし、中央部分には何も置かないレイアウトです。
色の組み合わせでメリハリをつける

水草の色が緑一色だと思っている人が多いですが、アクアリウムで使う水草にはグリーン系とレッド系があります。そのため、水質があうようであればグリーン系やレッド系で色にアクセントをつけたり、黒い流木や白い石で色のアクセントをつけることができます。アクアリウムで使う流木や石の大きさ・形状もさまざまなので、自分のイメージにあったものをチョイスしましょう。

同じグリーン系の水草でも、色の濃さが違うものがありますので、グリーン系で統一する場合には葉の色や大きさ・形状などでレイアウトを考えます。
レイアウト水槽に必要な道具とは?
アクアリウム初心者のレイアウト入門2

水槽のレイアウトは人それぞれで、レイアウトによって必要になってくるものが異なります。今回はアクアリウム初心者向けなので、レイアウト水槽を作るときに基本的に必要となる道具をご紹介します。アクアリウム初心者は最初に道具を揃えておけば、後から買い足す必要がないので一式揃えておいたほうがいいです。
レイアウト水槽に必要なもの1:底砂

アクアリウム水槽の底に敷く砂や砂利のことです。この底砂は水草が地中に根を張るタイプなら必須です。粒の大きさや性質がさまざまなものがあるので、飼育する水草や熱帯魚などに合わせたものを選ぶ必要があります。カラーも色々あるので、底砂の盛り方などもレイアウトとして取り入れる人が多いです。
おはようございます!
— ゆや@アクアリウム垢 (@AQUA_yuya0521) March 19, 2017
サテライトMに吸着ソイル(コントロソイル)を詰め込んでみました( ˶˙ᵕ˙˶ )
底砂ソイルじゃないとphってなかなか下がらないものですねぇ…#アクアリウム #水槽 #熱帯魚 pic.twitter.com/IbVRppiBBx
底砂の成分はゆっくりと水中に滲み出して、水槽内の水質が変わることがあるのでアクアリウム初心者の人は、事前に使おうとしている砂で水質がどのように変化するのかを調べておきましょう。
レイアウト水槽に必要なもの2:流木や岩

アクアリウム水槽内のワンポイントとなる流木や石は、アクアショップやホームセンターなどで購入することができますし、自分で川や湖などから拾ってくることもできます。しかし、自分で拾ってきたものの場合病原菌がついていたり、寄生虫がいることもありますので使用前に煮沸消毒やあく抜きは必ず行う必要があります。
水槽レイアウト中毒
— RuuAqua【るー】#水草水槽 (@RuuAqua_plants) April 12, 2018
特に石組。
もはや水槽レイアウトというより石レイアウト
写真は植栽前の90水槽
石積んで悦に入る変態です
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/HJZ26n67mJ
また、長期間水槽内に入れておくと、成分が水中ににじみ出て水質が変わることがあるので、定期的に水質をチェックしましょう。
レイアウト水槽に必要なもの3:水草用のはさみやピンセット

水槽内に水草を入れるときには、成長した水草をカットするトリミングという作業が必要となってきます。そのため、水草用のはさみを常備しておくことをおすすめします。また水草を植えるときや、植え替えの時にはピンセットを使うので、アクアリウム用にピンセットを用意しておくと便利です。
レイアウト水槽に必要なもの4:テグス

ウィローモスのようなコケ類やパールグラスなどのような浮上性のある水草を流木などに固定するときに使用します。木綿糸などだと長期間水中にあることで分解されたり腐って切れてしまい、水草が離れてしまって水面に浮くといったことがあるので、水中でも分解されないテグスがおすすめです。
レイアウト水槽に必要なもの5:水槽内の飾りや割れた鉢植えなど(人工物)

アクアショップやホームセンターの熱帯魚コーナーに行くと、水槽内のレイアウト用の飾りや、熱帯魚の隠れ場所用の土管などが販売されています。素焼きのものは水質にさほど影響はありませんが、塩ビなどの人工素材を使ったものは、長期間水槽内に入れておくと、熱帯魚に悪い成分がにじみ出すことがあるので、選ぶときに注意しましょう。
レイアウト水槽に必要なもの6:水槽用のヒーターやクーラー

熱帯魚は熱帯雨林地方や温帯地方など温かい地域に生息しています。そのため日本の気候では気温の下がる冬は水温も下がるので、水槽内の水温を一定に保つためにヒーターが必要です。逆に夏場は水温が上昇しやすいため、水槽内の水の温度を一定に保つために水槽用のクーラーを使用することがあります。
レイアウト水槽に必要なもの7:水槽用の水温計

急激な水温の変化や長期間水温が低い状態が続くと、熱帯魚が弱ってしまい病気になってしまうことがあるので、水槽用の水温計でこまめに水温をチェックします。
レイアウト水槽に必要なもの8:ろ過装置
苔まみれ撲滅作戦!!ろ過強化とリン酸除去剤追加!#アクアリウム #苔対策 https://t.co/XFHg8L5OO2 pic.twitter.com/AJn4sfSirt
— さーくん。 (@skrsk0) April 29, 2018
飼育環境下にいる熱帯魚は餌を食べ、フンをしますが、水槽の底に餌の食べ残しやフンがたまるとアンモニアのような生物に有害な目に見えない物質が発生します。ゴミやこういった有害な物質を取り除いて綺麗な水を循環させるために、ろ過装置は必須です。
レイアウト水槽に必要なもの9:水槽用の照明器具

水槽用の照明は蛍光灯のほかにLEDライトのものがあります。LEDライトは蛍光灯よりも購入時の値段は高いのですが、蛍光灯より長持ち・電気代が安いというメリットがあります。水槽用の照明を使用することで、水草へ十分な光を与えることができ、光合成の促進や熱帯魚に昼夜のメリハリをつけさせ体調を整えることが可能です。
流木はあく抜きをすること!
アクアリウム初心者のレイアウト入門3
ディスプレイ用の流木あく抜き pic.twitter.com/ItVbolhMqD
— Mari tama (@tamacoroyaki) October 7, 2015
ショップで購入した流木を水槽に入れておくと、水が茶色くなってしまうことがあります。これは流木から出る「腐植酸」と言う成分が原因で、「腐植酸」が多くなることで水質が軟水の酸性に変化します。この茶色い水は「ブラックウォーター」と呼ばれ、アマゾン川と同じような性質があるんです。

水の色が気にならない、熱帯魚にとってとてもよく合う水質ならこのままでも問題ありませんが、大抵は見た目がよくないと、流木を水槽に入れる前にあく抜きをすることで、ブラックウォーターになるのを防いでいるんです。水質があっていれば魚やエビなどの体に影響を与えないどころか、逆にブラックウォーターのほうが調子が良い熱帯魚がいます。
流木のあく抜き方法
淡水エビ類を飼うには、流木とウイローモスが必要です。
— aquarium (@aquarium879) February 28, 2016
通常販売の流木は、あく抜きをしないで水槽に入れると水が茶色になります。
鍋で、お湯の色がそれ以上濃くならなくなるまで煮沸し冷まして使用。
あく抜き済みの流木も販売されています。 pic.twitter.com/rT6IN7Mjz1
流木のあく抜きで一番手っ取り早いのは、鍋でを煮る方法です。流木に付着している寄生虫や病原菌も除去できます。やり方は簡単で、流木を煮沸用の鍋に入れ一時間ほど煮ます。鍋で煮るのが嫌だという場合には、発泡スチロールにお湯と流木を入れてふたをした状態で、一日放置します。煮沸消毒が終わったら真水に付け込んで二日放置するだけであく抜きが終わります。
流木のあく抜きは、水につけるだけという方法がありますが、この場合は最低でも一ヵ月はかかり、サイズが大きいものになると二ヵ月はかかってしまいます。
水草の種類を知ろう!
アクアリウム初心者のレイアウト入門4

アクアリウムを本格的に始める前に金魚やメダカを飼育したことのある人の中には、キンギョモなど日本で古くから水槽用の水草として使われているものを知ってる人がいることもあります。しかし、アクアリウム初心者の多くは熱帯魚用の水草の種類や育て方を知らない人が多いです。ここからは水槽のレイアウトに必要になってくる水草についてお話していきます。
水草の育て方は種類によって異なる

水草は地上にある植物と同じで光合成をおこないます。しかし自生している環境によって、光合成に必要な二酸化炭素の量や、光の量、栄養分が変わってきます。水槽のレイアウトに水草を入れる場合には、それぞれの育成環境や特徴などをしっかりと把握しておく必要があります。
陰性の植物を使用してみよう
アクアリウム初心者のレイアウト入門5

陰性の植物とは、成長するのに強い光が必要ない水草のことを言います。日陰でも育つタイプのものが多く、CO2(二酸化炭素)を添付しなくても育ち、幅広い水質に対応できるものが多く育て方が簡単です。そのためアクアリウム初心者向きで、水槽内のレイアウトでは他の水草や流木などの影になるようなところに配置すると、前後の水草とのつなぎになって綺麗なレイアウトを作ることができます。
陰性植物1:ウィローモス

水草として販売されているウィローモスですが、実はコケの仲間です。自然環境では流木や岩などに活着したり、水中を漂っています。CO2の添付もいらず育て方が簡単で値段も安いため、アクアリウム初心者向けの水草ですが背丈の低さや活着を活用できるので、水槽のレイアウトによく使われています。

しかし長期間水槽の中に入れておくと、糸状の藻が付くことが多く、藻の対策にエビ類を入れるのがおすすめです。成長するとどんどんが重なりあっていくので、こまめにトリミングをして、枯れている葉をカットする必要があります。
陰性植物2:アヌビアスナナ

アヌビアスナナもウィローモスのように少ない光で育つので、アクアリウム初心者向けの水草です。CO2の添付なしでも育成できるので育て方も簡単で、丸く厚みのある葉がレイアウトのワンポイントになることが多く、流木や石に活着する性質を持っています。
おはようございます。
— ブラリンコ (@GPfLwLz08eFmdmi) April 28, 2018
昨日はショップへ行ってアヌビアスナナ買ってきました。
水槽に緑があると良いですね( ´∀`)
あと、この水槽に入れてる流木なんですが、右側が禍々しい腕の形をしてるので「魔王の左腕」って呼んでいます(^-^) pic.twitter.com/Gg9TI4dmG0
ショップに入荷されたばかりのものは、養殖時に使用していた農薬が残っていることがあるので、無農薬栽培のものか、残留農薬が処理済みになっているものを購入しましょう。育成は遅めで、品種改良されてミニサイズやプチといった葉のサイズの異なるものが登場しています。
陰性植物3:ミクロソリウムプテロプス

ミクロソリウムプテロプスはアジア地域に分布しているシダ植物の仲間です。こちらも陰性の植物なので光の量が少なくても育つことができるCO2の添付なしで育てることができるので育て方は容易です。アクアリウム初心者でも育てることができます。
ミクロソリウムナローリーフ
— UMIBOUZU (@UMIBOUZU1045) April 15, 2018
この気泡の付き具合がたまりません💙 pic.twitter.com/doCTiUlBhZ
シダ類のため、増え方は葉の裏側にある胞子嚢から古株が増殖していきます。増えた子株をカットして流木や石に活着させるという方法もあります。成長速度は遅めなので、トリミングの手間もあまりかかりません。同じミクロソリウムの中にはミクロソリウムナローリーフやセミナローといったと呼ばれる葉の幅が狭いものがあり、レイアウトに合わせて葉の幅を選ぶ人が多いです。
前景におすすめの水草3種
アクアリウム初心者のレイアウト入門6

前景草は文字通りレイアウト水槽の前景に使用される背丈の低い水草のことをいいます。育て方は光量やCO2添加、栄養分が必要でアクアリウム初心者には少し難しい種類もありますが、レイアウトの前景に使用することで水槽内を明るく華やかな雰囲気にすることが可能です。
前景におすすめな水草1:グロッソスティグマ

グロッソスティグマはレイアウトの前景向けの水草で、CO2や光量、養分の添付が必要となりますが、対応する水質の幅が広いたく比較的育て方も簡単なので、アクアリウム初心者でも育てることができます。背丈は1センチほどで、明るいグリーンの丸い形状の葉をつけるので、明るい印象の水槽を作ることができます。

ランナーが底床の上を伸びていき、その先から増えて行くのですが、成長速度が速いので、ほんの少しのグロッソスティグマでも早い段階で水槽の前景を覆いつくすことが可能です。こまめなトリミングが必要ですが、カットした枝を底砂に植え直すことで、そこからさらに増やすことができます。
前景におすすめな水草3:オーストラリアン・ノチドメ
オーストラリアンドワーフヒドロコティレ。オーストラリアン・ノチドメとも呼ばれるチドメグサの仲間。アマゾンチドメグサを非常に小さく、匍匐しやすくしたような水草で、明るい環境ではよく増えよく這う傾向がある。二酸化炭素の添加はあった方がいいが、なくても育つ。連なる丸葉がかわいい。 pic.twitter.com/TNKTlrcXhK
— Aquarium bar Kind (@aquariumbarkind) June 3, 2017
オーストラリアン・ノチドメはオーストラリアン・クローバーと言う別名があり前景~中景向きの水草と言えます。文字通りクローバーのような形状の葉かわいらしい水草で、適度な光量と栄養分があれば育つので育て方は簡単な部類にはいり、アクアリウム初心者にもおすすめです。水槽内の環境がよければ育成スピードが速くなりあっという間に増える点は注意する必要があります。
中景におすすめな水草
アクアリウム初心者のレイアウト入門7

中景草は前景と後景の中間サイズのものを言います。後景の水草の影になっても成長するタイプもあり、CO2の量もそこまで多必要としないものもありますが、成長速度が速い傾向にあります。レイアウトの中心になる水草で、後から変更するのが面倒な場合が多いので中景の水草選びは慎重に行いましょう。
中景におすすめな水草1:クリプトコリネ・ウェンティー・グリーン

クリプトコリネ・ウェンティー・グリーンは後景の影になるような場所でも育ちやすく、CO2添付量もそこまで多く必要とせず水質悪化に強いので、育て方はそこまで難しくありません。アクアリウム初心者でも育てることができます。葉は中央から放射線状に伸びて楕円形をしており、成長速度は遅めの水草です。
中景におすすめな水草2:ヘアーグラス

あまり知られていませんが、ヘアーグラスは日本ではマツバイと呼ばれており、水田や河川で自生しています。CO2添付なしでも育ちますが、光量が弱いと成長が遅くなるのでアクアリウム初心者の場合は、光量に気をければ育て方は簡単といえます。品種改良されたミニヘアーグラスは背丈が低いので前景向きです。
後景におすすめできる水草は?
アクアリウム初心者のレイアウト入門8

アクアリウムのレイアウト水槽で後景に使用する水草は、一番サイズが大きいものになります。CO2が添加不要で最低限の環境で育つものもあり、アマゾンソードなど種類によってアクアリウム初心者でも育てやすいものがあります。
後景におすすめな水草1:ロタラ・インディカ

ロタラ・インディカにはインディカのほかにロトンディフォリアやグリーンロタラといった色違いの品種があります。インディカは葉が紅葉しているように赤い色が印象的で、軟性かつ弱酸性の水で光の量を強めにすると、綺麗なワインレッド色になります。アクアリウム初心者でも育てやすい品種です。
後景におすすめな水草2:アマゾンソード

アクアリウムではポピュラーな水草で、アクアリウム初心者向けと言われている後景草です。背丈があり葉の幅も広く、ランナーのようなシュートというもので増えるのでこまめにトリミングをしないとレイアウトが崩れる場合があります。
水草にはこんな底砂がおすすめ!
アクアリウム初心者のレイアウト入門9

アクアリウム初心者だと、水草に対する知識が乏しいため底砂選びに迷うことが多いです。一般的に水槽内で水草を育てる場合には土よりもソイルがおすすめと言われています。これはソイルに水草に必要な栄養が含まれており、水中で発生した亜硝酸などの有害物質を吸着し、バクテリアや微生物の住処になりやすいということや、水の硬度を下げて水質を弱酸性の状態で保ってくれるからなんです。

しかしソイルには掃除がしにくい、一年ほどで形が崩れ養分もなくなるので交換する必要があるというデメリットもあります。
水槽のレイアウト開始前に水草の前処理をしよう!
アクアリウム初心者のレイアウト入門10

ショップで購入した水草は、浮き上がらないように鉛の重りがついていたり、ポットにまとめられていることがほとんどです。このままの状態で水槽内に植えてしまうと、鉛の部分から腐ってしまったり、成長したときに密集してしまうので葉が枯れてしまう原因になります。そのため購入時についている鉛の重りやポットは外して長さもそろえておきます。

また、水草の状態やスネ―ルなどがついていないかのチェックも水槽に入れる前に行っておきます。状態の悪い葉や枯れているものは事前にカット、スネ―ルなども除去します。ウィローモスなど流木や石に活着させる場合には、事前にワイヤーなどで流木などに巻き付けておくと作業が進みやすいです。
買ってきた水草を前処理。の絵。#アクアリウム #水槽 #水草 #熱帯魚 #メダカ pic.twitter.com/CABvcJmPLF
— 渋谷 雄大 (@carebody) October 29, 2017
レイアウト作業開始前に前処理を行ってもよいですが、ウィローモスなどは乾燥に弱いため、水につけておくか30分に1回くらいのペースで霧吹きで水を吹きかけておく必要があります。
水槽のレイアウトセッティング手順
アクアリウム初心者のレイアウト入門11
レイアウト水槽を作るときは、まず最初に水槽を洗い設置場所に置き、バックスクリーンやマットを使用する場合はこの時に設置します。水草を入れる場合にはソイルを入れる前に水草用の固形肥料を入れますが、水槽を立ち上げたばかりの時は水中に栄養が多くなりすぎてコケが発生する可能性があるので、ろ過装置を使いつつ1週間ほど毎日水換えをしなければなりません。

次に肥料の上に底砂をまいていきますが、水槽内のレイアウトを作っている時に肥料が上に上がってこないように、ネットを敷いてからソイルをかぶせましょう。ソイルは大きなものから入れていき、ソイルを入れ終わったら流木や岩、レイアウト用の小物を設置して場所が決まったら流木などを固定し、水草を植えるために一番細かいソイルを入れていきます。

一番上のソイルが水を入れたときに浮いてこないよう、霧吹きで表面を濡らしたなら5センチほど水を入れ、前景・中景・後景の順に水草を植えて、水槽内に水を入れます。この時ゴミや水草の切れっ端などが浮いてくるので網ですくい、水質調整剤を入れ外部フィルターなどのろ過機やCO2強制添加装置、ヒーターやクーラーといった外部装置を設置し最後に照明を設置して完成です。
水草の植え方について
アクアリウム初心者のレイアウト入門12

水草の植え方は種類によって異なりますが、茎のある有茎草の場合には1本ずつピンセットで根元をつまんで、底砂に対してまっすぐに立つように植え込んでいきます。ウィローモスなど活着性の水草は流木や石にワイヤーで縛り付けたり、マットに巻いて植え込みましょう。
タンポポのように中央から放射状に葉が広がるロゼット型の水草の場合には茎をつまむと傷ついてしまうことがあるので、根をピンセットでつまんで植えこんでいきます。種類によっては浮力の強い水草があるので、植えこんだ後に浮いてこないことを確認しましょう。
水草の発色をよくするにはどうしたらいい?
アクアリウム初心者のレイアウト入門13
3月9日に水槽を立ち上げてコケなんかに悩まされながらここまでなんとか植生がいいかんじになりました!co2強制添加はコケの抑制になりますな! pic.twitter.com/bhJSzVd0UG
— さっちゃん (@kobajobforest) April 26, 2018
アクアリウム初心者の場合、CO2添付なしでも育つ水草を選ぶことが多いです。CO2添付なしで育てることが可能でも、発色をよくするためには光合成を活発に行わせる必要があるのです。光合成を行うには光のほかにCO2や栄養分が必要となるので、水草によってはCO2強制添加機器でCO2を与え、市販の水草用の肥料を追肥する必要があります。
水草の肥料を与えすぎるとコケが発生するので注意!
組織培養、pixyのように無菌には出来ないけど(^^;; オリジナル水草肥料を混ぜてます。
— K@Aqua (@k17qz) June 10, 2015
ソイルとどちらが成長が早いか実験 pic.twitter.com/WOmhocPp0r
肥料を与えるタイミングは、普段から水草の様子をしっかりとチェックして弱ってきているようなら与えます。水草の肥料を水槽内にいれると、水中で栄養素が飽和状態になってコケが発生することがあるので、肥料のやりすぎに注意しましょう。
水草にコケが付いたらどう対処する?
アクアリウム初心者のレイアウト入門14

水流が当たらない、水のこもった場所に配置している水草にはコケが生えることが多いです。人の手で全て取り除くのは不可能なので、コケの発生した葉はカットすることで対処することができます。
エビやプラティなどコケを食べる生き物がいる

コケ対策でエビやコケを食べる熱帯魚を入れておけば、ある程度のコケ対策が可能です。しかしコケの種類によっては食べてくれない場合があるので、日頃からコケが発生しない環境を作る必要があります。石巻貝などの貝類もコケを食べてくれますが、種類によってはホースを伝って外へ脱走することがあり、貝類は繁殖しやすいので注意が必要です。
水草が枯れる原因にはどんなものがある?
アクアリウム初心者のレイアウト入門15
水草の表面が白くなりました。これ1本だけです。ググっても原因がわかりません(>_<)教えて親切な方!#水草 #病気 pic.twitter.com/NOg8nrI2m5
— 彩ちゃん。 (@ayachan0710) September 26, 2016
水草が黒くなったり、茶色くなって溶けていくような感じで枯れてしまっている場合には、光の量が足りない、もしくは栄養分が足りない可能性があります。光の量が適切でない場合には強い光に変える、栄養が足りないのであれば市販の水草用の肥料を添付してあげます。枯れた部分は病気や水質悪化の原因になるのでカットしなければなりません。
水温が原因で枯れることもある

日本の野生環境下で自生している種類ならある程度耐寒性がありますが、熱帯魚飼育で使用する水草はほとんどがアマゾンなどの熱帯地方で自生しています。そのため低温に弱い種類もあるので、水温が低いせいで枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
水草は定期的なトリミングが必要!
アクアリウム初心者のレイアウト入門16

水草は種類によって成長速度が異なりますが、植えてから時間が経つとそれなりに大きくなってきます。前景草で成長が早いものだと、放置していると予想以上に成長して増殖してレイアウトが崩れてしまう原因になることがあります。せっかく作ったレイアウト水槽の景観を損ねないよう、水草はこまめにトリミングすることが必要です。
トリミングした水草を無駄にしない!

ウィローモスのような活着性の水草なら、トリミングした元気な状態のものを再び岩や石に活着させて使うことができます。有茎類の水草などは、切ったところから根をだし成長していくので、水草の植え替えなどに利用することができます。
熱帯魚はどのタイミングで入れればよい?
アクアリウム初心者のレイアウト入門17

水槽内のレイアウトが完成したとき、アクアリウム初心者だとすぐに熱帯魚を入れてしまうことがあります。しかし水槽内ではろ過に必要なバクテリアがまだ定着していないため、水草などのセッティングが終わった後にバクテリアを繁殖させるために「パイロットフィッシュ」という水質を作るための熱帯魚を入れます。

このパイロットフィッシュはネオンテトラや赤ヒレといった水質の変化に強い熱帯魚がおすすめです。一週間ほどで水質が安定してくるので、様子をみて飼育する熱帯魚を入れていきます。
水草と相性の悪い熱帯魚に注意しよう!
アクアリウム初心者のレイアウト入門18

クーリーローチのようなドジョウの仲間などは砂にもぐる性質があります。これらの熱帯魚は潜ったときに水草を掘り返してしまったり、水草をダメにしてしまう恐れがあるので水草水槽に入れるときには注意が必要です。
また草食性の強いブラックモーリーのような熱帯魚は柔らかい水草を食べてしまう可能性があるので、事前に水槽内に入れる水草と熱帯魚の相性を調べておきましょう。
参考にしたい水槽レイアウトをチェック

ここからは、アクアリウム初心者さんだけでなく中級~上級者でも思わず参考にしたくなる水槽レイアウト画像の紹介です。個性的なものが多いので、自分だけのオリジナルの水槽レイアウトを考えるときに使う水草や岩・流木のレイアウト組み合わせなどを参考にすることができます。
淡水なのに海水魚水槽のようなイメージ

ネオンテトラがいる淡水の熱帯魚水槽なのに、レイアウトする小物のチョイス次第でこのように海中のようなレイアウトをすることができます。
流木を使用した自然をイメージしたデザイン

こちらは流木の高さを上手く利用して、三角形レイアウトを応用したデザインです。自然の中で泳いでいるような雰囲気になっています。
シンプルな凸型デザイン

レイアウトが難しいと言われる凸型レイアウトですが、ベタのように1匹飼いの場合には、このように中央をこんもりとさせるだけでも素敵なデザイン水槽になります。
流木や石がメインのデザイン

水草を少な目にすると寂しい感じの水槽になりがちです。この画像では三角構図で、底砂で高さをだしつつ、高さのある石を組み合わせてることですっきりと洗練された雰囲気の水槽になっています。

こちらは枝の数が多い流木を中央に設置した凸型デザインです。水草がない分、流木の高さや枝の形状でどことなく退廃的なイメージを与える水槽になっています。
綺麗なレイアウト水槽を維持する秘訣とは?
オリジナルレイアウトの水槽を立ち上げた当初は、水草の成長も緩やかで熱帯魚なども元気に泳ぎ回っていると思いますが、時間が経つにつれコケが生えたり水質が変わる・水草が成長してレイアウトが崩れると言ったことが起きてきます。
設置場所や水槽の水量とか、普段よりこまめな掃除も必要になってきます。下記リンクをご覧ください。
— aquarium (@aquarium879) April 29, 2018
底砂の掃除を怠ると、写真のように汚れる事もあります。
暑い時期には、ここまで汚れると、飼育魚にとって危険な状態になります。
暑い時期の水温・水質管理と飼育の注意点https://t.co/1IEEBtmXAx pic.twitter.com/QKpicgwmLN
レイアウト水槽を美しく保つには、成長した水草のトリミングや、餌の食べ残しやフンなどの汚れをこまめに取り除き、コケの発生や水質の変化を抑える必要があります。
オリジナルレイアウトの水槽を作って楽しもう!
去年の90水槽レイアウトの写真出てきた
— ゆづ (@ztmamizu) April 3, 2018
かなり飛ばし飛ばしだけどこんな感じで完成していきました(°_°) pic.twitter.com/nfxe46Beo2
アクアリウム初心者の場合、最初から綺麗で手の込んだレイアウトは無理といったほうがいいでしょう。最初はざっくりとした単純なレイアウトから初めることをおすすめします。水草を使った水槽レイアウトを作る場合には、熱帯魚の育て方だけでなく水草の育て方の知識も必要になるため少しずつ勉強する必要があります。

アクアリウムで必要な基本的な知識を身に着けてから細かなレイアウト水槽を作ると、メンテナンスや水槽の維持などに苦労することも少なくなるようです。熱帯魚や流木、岩、水草を組み合わせて、個性的なレイアウト水槽を作って、毎日の暮らしに癒しの空間を作ってみませんか?