花魁の言葉遣い一覧!挨拶や「ありがとう」など現代語を変換すると?
花魁といえば美しいというイメージだったり花魁体験が出来るスタジオがあったりと魅力的なイメージがありますね。さらに花魁の言葉遣いは独特で素敵なイメージを持っている方が多いでしょう。今回は花魁の歴史、挨拶やありがとうなどの言葉遣いについてまとめてみました。
目次
- 花魁の言葉遣いを知りたい
- 花魁という言葉について
- 花魁の歴史を知ろう
- 花魁の魅力は言葉遣いだけではない
- 花魁について知識を深めよう
- 花魁言葉とはどのようなもの?
- 有名な「ありんす」は実際は使われていなかった説もある
- 自分たちのことを花魁はどう呼んだ?
- 「ありがとう」は花魁言葉では?
- 時代によって花魁の言葉遣いは違う
- 江戸初期の主な花魁言葉の一覧
- 江戸中期の主な花魁言葉の一覧
- 江戸末期の主な花魁言葉の一覧
- 現代でも使われている花魁言葉がある!
- パートナーのことを表す花魁言葉とは?
- お茶を表す花魁言葉とは?
- 人気の物事を表す花魁言葉とは?
- スルメを示す花魁言葉とは?
- 猿を示す花魁言葉とは?
- 人気のある人を表す花魁言葉とは?
- 花魁の美しい画が観れる現代の作品を紹介
- 花魁言葉は魅力的であり現代にも使われている言葉!
花魁の言葉遣いを知りたい
花魁は艶やかで魅力的

花魁(おいらん)はご存知の方が多いでしょう。多くの方が艶やかで美しい女性というイメージを持っているのではないでしょうか。確かに花魁といえば、現代でも花魁の世界観が映画化されている物もあるので、目で観る機会も多いですね。そのような現代における花魁を題材とした作品を観ると、花魁はとても艶やかで美しいイメージがあり、魅力的なので憧れる女性も多いでしょう。
花魁の独特な言葉遣いが気になる
25.動画制作
— +慧+@声月肆 E-13 (@keino426) May 18, 2018
でも、花魁言葉調べるとホント良い言葉並びなんだよね。「こっちにきなんし」とか「待っておりんす」など響きがいいんだよね。「主さんだけに囁きんしょう」とか耳元で言われたら落ちるわ。というわけで花魁言葉はいいぞ
そのような魅力的な花魁には独特な花魁の言葉遣いがあるのも有名です。挨拶から日常用語、ありがとうのような感謝の挨拶や少しキツイ言葉の言い回しまで、様々な花魁の言葉遣いがあります。花魁は見た目の美しさだけではなく、独特の世界観がある言葉遣いも注目されることが多いです。今回は花魁についての歴史とともに挨拶やありがとうなどの花魁言葉を一覧にして紹介します。
花魁という言葉について
花魁という言葉の起源

まず花魁(おいらん)という言葉について、花魁とは江戸時代の遊女の中でも位の高い遊女を示しており、元々は江戸時代の遊女屋で働く女郎であり、格上の「太夫(たゆう)」と呼ばれていた女郎に見習いで付いていた少女が「おいらんちの姉さん」と呼んだことが「花魁(おいらん)」の起源だと言われているのです。花魁という言葉自体は18世紀末から使われ始めたとされています。
吉原の高級遊女以外も花魁と呼ぶのか
花魁といえば吉原の位の高い遊女のことですが、大阪や京都でも同じ頃に遊女屋が発展していました。元々位の高い遊女を「太夫」と呼んでおり、上記の起源により「花魁」という名称が付いたという説が多く、吉原の高級遊女を「太夫」ではなく「花魁」と呼ぶようになった後から全国的にも「太夫」を「花魁」と呼ぶようになったという説があります。
花魁の歴史を知ろう
花魁といえば吉原遊廓

元々遊女屋は認可されておらず、江戸時代には遊女屋が様々な場所にあったのですが、風紀や治安の乱れを恐れた徳川幕府が遊女屋を認可し、現在の人形町あたりに一区画にまとめ、そのあたりの区域が江戸時代で初めての遊廓「よしわら遊廓」だったそうです。ですがのちに焼失し、浅草方面に移転し「吉原遊廓」として再建されたのだそうです。

浅草の「吉原遊廓」、京都の「島原遊廓」、大坂の「新町遊廓」が当時遊廓の「三大遊廓」として栄え、その中でも日本一の街だったのが浅草の「吉原遊廓」だったそうです。敷地は2万坪、遊女の数は千人は超えていたとされています。「吉原遊廓」が現代の花魁を題材とした様々な作品でも舞台の中心とされることが多いのは、日本一の花街だったからでしょう。
花魁の歴史は約340年

1617年の江戸時代に初めての遊廓が設置されたとされていますが、その後栄えていた「吉原遊廓」も明治以降になると徐々に縮小されていき、1957年(昭和32年)4月1日に「売春防止法施行」により約340年に渡った遊廓の営業は幕を下ろしたそうです。高級遊女による「花魁道中」は1950年が最後の花魁道中だったとされています。花魁にはこれだけもの長い歴史があるのです。
花魁の魅力は言葉遣いだけではない
花魁は江戸時代のトレンドでありお化粧文化を生み出した

花魁のほか、歌舞伎役者が時代のトレンドとなった江戸時代に、庶民にもお化粧文化が浸透し始めたのだそうです。現代ではお化粧は女性のものというイメージですが、花魁が存在した時代には、男性も白粉などを使用されていたという説もあります。そしてこの頃日本では、世界で初めての庶民向けの化粧品店がオープンされたという歴史もあるのです。
花魁は美しく一般女性の憧れであった

少しでも美しくなりたいと感じた一般女性たちが、当時お化粧のお手本といていたのが花魁なのだそうです。当時も女性は色白が美しいとされていたのですが、化粧の方法は全く異なり、不自然なほどに厚塗りの真っ白のお肌に、切れ長の目が美しいとされ、目尻には長くラインが引かれ、口紅は中央のみという化粧法だったようです。これが美しいとされた花魁メイクなのです。
花魁は衣装も美しかった

美しい花魁には馴染みのお客が付き、美しい着物を花魁に送り、お客同士で競い合っていたと言われています。花魁の派手な衣装は、花魁にとっての花嫁衣装を意味していたようで、とても豪華なのです。どのくらいの衣装を用意できるかが、花魁にとっての格付けでもあったようで、暑い日でも我慢をし見栄を張る、それが花魁の「粋」と言われていたようです。
花魁はヘアスタイルも最先端

花魁や遊女は派手な衣装に負けないほどの、派手な髪型とこれでもかというほどの髪飾りで作られていました。遊女たちは女の世界の中で常に過酷に闘っていたのも事実であります。いかに自分を派手に美しく見せるかということへの研究は怠らず、中でもトップである花魁の髪型は常に最先端であったようです。
花魁は今でいうファッションモデル的な存在であった

江戸時代では、花魁や太夫が始めたお化粧やファッション、髪型が一般の少女たちの中ではとても憧れであり、未婚女性の間ではいかに花魁に近いスタイルができるかということで、一般庶民たちも競い合うほど花魁のスタイルは流行の先端だったと言われています。この花魁のファッションリーダー的な現象は、江戸時代全般にわたって見られていたようです。
#歴史調査メモ
— 平成を謳歌して楽しむにっかり青江(極) (@hirae0927) February 7, 2018
遊女は長い歴史の中で髪型は様々な形に変化しているんだ。これもご存知だね。
遊女は常に見栄を張って、女の世界の中で競争して生きてきた。だから、いかに他の遊女より目立って美しく見せるかを常に研究していて、遊女の頂点である花魁の服装や髪型は最先端だったのさ。

花魁について知識を深めよう
よく聞く言葉である花魁道中とは
「花魁道中」(おいらんどうちゅう)とは、華やかに着飾った最上格の花魁が、馴染みのお客の使命に応じて、揚屋等に迎えに行くことを指していたようです。吉原などの遊廓は施設のようになっており、多くの使用人も住み込みで働いていたそうです。中でも花魁道中を行えるのは、最上格の花魁などに限られており、花魁が通る道中はパレードのような華やかさだったと言われています。
花魁と芸者の違い

花魁と芸者の違いは一目瞭然です。どちらもその道のプロフェッショナルとして遊廓に出入りしていたのですが、花魁(遊女)とは男性客相手に性的サービスをして生計を立てていた女性であり、芸者は唄や三味線、踊りなどのプロであり、遊廓では花魁が到着するまでの間のつなぎとして、芸者が芸を披露し、お客を楽しませていたとされています。
花魁言葉とはどのようなもの?
花魁言葉の代表は「ありんす」

花魁の言葉遣いで現代でも有名でよく知られている言葉が「ありんす」ではないでしょうか。挨拶と勘違いされている方も多い「ありんす」ですが、語尾につける言葉です。花魁言葉とはありんす言葉とも呼ばれるほどです。元々花魁言葉は京都の「島原遊廓」で使われていた言葉だそうですが、後々浅草の「吉原遊廓」でも使われるようになっていったとされています。
花魁言葉が使われた理由
花魁言葉が「吉原遊廓」で使われるようになった理由として、「吉原遊廓」は日本一の花街だったことから、様々な地方から遊女の見習いが入ってきたようです。そこで地方の訛り言葉を話す遊女が増え、言葉が通じなかったり、言葉遣いに品格が感じられないという理由から、見習い遊女たちは京都の「島原遊廓」発祥の花魁言葉を覚えさせられて発展していったとされています。
有名な「ありんす」は実際は使われていなかった説もある
花魁の言葉遣い一覧①ありんす
「吉原遊廓」では遊女たちは語尾に「ありんす」という言葉をつけて話していたとされています。「ありんす」を現代語に変換すると「〜です」という意味です。「花魁言葉」が「ありんす言葉」とも言われるように、「ありんす」は花魁言葉の代表的なものなのでしょう。「ありんす」という言葉は、優雅な印象を与えつつ遊女たちの出身地を隠すために用いられた言葉とされています。
ありんすが使われていなかったという説もある

現代語を変換すると「〜です」という「ありんす」ですが、花魁言葉の代表的なものであり、語尾に使われていたと説明されている文書があるとともに、実際は使われていなかったという説があるという文書もあるのです。「〜へ行きます」を花魁言葉に変換すると「〜へ行くでありんす」となりますが、「〜へ行きなんす」といったように「なんす」が語尾だったという説もあるのです。
自分たちのことを花魁はどう呼んだ?
花魁の言葉遣い一覧②わっち
「わっちは花魁。まぐわりだけが目当てなら他を当たっておくんなまし」
— 花魁~吉原遊郭~ (@_oiran0) June 1, 2018
現代では自分を指す言葉として、女性では「私」や「ウチ」などで指す方が多いでしょう。では「私」を花魁言葉に変換するとどうなのでしょう?花魁、遊女たちは自分のことを「わっち」「わちき」などと呼んでいたそうです。理由としては遊女たちの出身を隠すために統一されていたとも言われています。当時は田舎から来た娘は「おいら」というのが一般的だったからだそうです。

男性客は田舎出身の遊女をあまり好まないといった理由があり、出身地を隠すために花魁言葉が使われたとのことですが、上記にも書いた通り「花魁」という言葉の語源は、田舎から来た娘が太夫を「おいらんちの姉さん」と呼んだことからという説があります。このような説があるように遊女見習いの娘たちの多くは「おいら」が一人称の主流だったのでしょう。
「ありがとう」は花魁言葉では?
花魁の言葉遣い一覧③ありがとうござりんした

「ありがとう」という感謝の意を示す挨拶ですが、花魁言葉に変換すると「ありがとうござりんした」となるようです。遊女たちは、接客業をしているわけなので、お礼の挨拶である「ありがとう」はたくさん使われる挨拶だったことが予想されますね。「昨日はありがとうござりんした」を現代語に変換すると「昨日はありがとうございました」ということになりますね。
#新しいプロフィール画像@Rrintaro777 が
— 花福 (@kinmokusei008) March 31, 2017
描いてくださいました💕
こんな花魁になれるよう
日々精進いたしんす👘
わっちのワガママ聞いてくれんして
ありがとうござりんした💋 pic.twitter.com/zF7xCr2olY
「ありがとうござりんした」という挨拶は、「ありがとう」の語尾に「ござりんした」をつけて表されていますね。語尾として使われていたという説がある「ありんす」をそのまま用いて「ありがとうでありんす」となるのではなく、「ありがとう」と「ございました」の「ございました」が「ありんした」と交わって「ありがとうござりんした」という言葉となったとされています。
時代によって花魁の言葉遣いは違う
花魁の歴史はとても長いもの

花魁言葉は、その長い花魁の歴史とともに日常で使われる言葉は、時代の流れとともに移り変わっていたとされているのです。現代でもたくさんの新語が生まれているように、遊廓が栄えていた江戸時代でもやはりその時々の時代で言葉も移り変わっていたようです。江戸時代はとても長いですし当然のことでしょうが、興味深くもありますね。

主に「吉原遊廓」で使われていたとされる花魁言葉は、「江戸初期」「江戸中期」「江戸末期」に分けて紹介されていることが多いのです。では時代ごとに移り変わった花魁たちの日常の言葉も一覧にして紹介していきます。
江戸初期の主な花魁言葉の一覧
花魁の言葉遣い一覧④ぬし
「ぬし」という花魁言葉を現代語に変換すると「お客様」という意味です。他にもお客様を示す花魁言葉はたくさんあり、「かのさま」という言葉を現代語に変換すると「あの御方様」となり、「おてき」という言葉は「あなた」という意味です。中でも興味深いのが「ぞっとする」という言葉は現代でも使われていますが花魁言葉では「タイプのお客様を見つけた時」の言葉なのです。
花魁の言葉遣い一覧⑤よたろう

「よたろう」という花魁言葉を現代語に変換すると「この野郎」などと客を罵る言葉なのです。他にも「しわ虫太郎」という言葉は「ケチな客」、「油虫」という言葉は「お金のない挨拶のみの冷やかしだけの男」、「きんちゃきんじゅうろう」というとても長い花魁言葉があるのですが、現代語に変換すると、たった2文字「馬鹿」という意味の言葉なのです。
花魁の言葉遣い一覧⑥その他主な江戸初期の花魁言葉

主な花魁言葉を現代語に変換すると、「いさみ」は「お酒」、「いこう」は「とても」、「ほんに」は「誠に」、「てんとう」は「神に誓って」、「語りましたし」は「ゆっくりお話がしたい」などというような言葉になります。現代語に通じていそうなものから、「神に誓って」などという花魁言葉だからこその意味合いらしい言葉もありますね。

他にも江戸初期の花魁言葉は「そうすべい」は「そうしましょう」、「よしゃれ」は「やめなさい」、「よんできろ」は「呼んできなさい」、「むしかたい」は「お腹が痛い」などというものがよく挙げられる言葉になっています。現代でも方言でありそうな言葉もあるのではないでしょうか。
江戸中期の主な花魁言葉の一覧
花魁の言葉遣い一覧⑦饅頭くさい
嫌い、は、好きぃせんやし、はよ帰れや、は、いい雨だっけねやし、いい気なもんやなぁ、は、いいむしだっけねなし、ハゲは饅頭くさいしバカはよたろうやしきんちゃきんじゅうろうやしほんま廓詞正義
— いろは@創作日常 (@ms_siroha25) May 12, 2015
ここからは江戸中期の花魁言葉になっていきます。まず「饅頭くさい」という言葉を現代語に変換すると「禿」と罵っている言葉になります。何だか驚きですね。優雅なイメージの花魁は意外にも少しキツイ意味の言葉が多かったりします。ですが現代語に変換してしまうと「この禿げ親父!」といった具合になるようで、やはり花魁言葉は柔らかいのでしょうね。
花魁の言葉遣い一覧⑧その他主な江戸中期の花魁言葉

「おかさん」は「女将さん」、「ごてさん」は「ご亭主さん」、「とんちき」は「面倒な客」、「しんござ」は「武士客を軽蔑する言葉」、「げびぞう」は「さもしい人」、「よくいうものだ」は「わかりきったことだ」、「ほんにか」は「本当?」といった言葉になります。江戸初期の花魁言葉に比べると、なんとなくニュアンスがわかるものが増えているようでもあります。
江戸末期の主な花魁言葉の一覧
花魁の言葉遣い一覧⑨おいでなんし

ここからは江戸末期に使われていたとされる花魁言葉になってきます。「おいでなんし」を現代語に変換すると「いらっしゃいませ」という挨拶なのです。なんとなく「こちらにおいで」と勘違いしそうですが挨拶です。他には「あの人さん」は「名前がわからないお客様」、「申しんした」は「申しました」、「見申したようでおす」は「どこかでお会いしましたね」となります。
花魁の言葉遣い一覧⑩おがむによ

江戸末期になると花魁言葉はとても増えてきます。結構わかりやすい言葉も増えてくるのですが、あまりにも現代語とかけ離れているような言葉を紹介します。「おがむによ」は現代語に変換すると「お願いします」という意味だそうです。人に物事を頼むときに使われていた言葉だそうです。「おがみいす」とも言われていたようです。
花魁の言葉遣い一覧11 わっちといえばかたっきし

「わっち」は「私」を示す言葉でしたね。「わっちといえばかたっきし」となれば現代語に変換すると「私といえばまるっきり」という意味の言葉になるのです。何か勘違いをしていたときにでも使うような言葉なのでしょう。その他は「きいした」は「来た」、「じれっとうす」は「気が急きます」、「待ちなんし」は「お待ちなさい」、「待っていんすにえ」は「待っています」です。
花魁の言葉遣い一覧12 その他の主な江戸末期の花魁言葉
「もちっといなんし」は「もう少しいなさい」、「なんとでもお言いなんし」は「なんとでもおっしゃい」、「どうなんした」は「どうなさいましたか?」、「ようす」は「良い」、「わっちゃあ嫌」は「私は嫌」、「やめなんし」は「やめなさい」「てもせわしのうおざんす」は「慌てなさるな」、「いい虫だっけね」は「いい気なものですね」などがあります。

江戸末期の花魁言葉は、現代語に変換しなくてもなんとなくニュアンスでわかるものがほとんどになっていますね。ただお客さんを罵る言葉が増えており「むごうありんす」は「冷淡な客をなじる言葉」、「こはばからしゅうありんす」は「馬鹿らしい」、「しゃれなんすな」は「客の発言をたしなめる時に使う」、「いい雨だっけね」は「居座る客への皮肉」などがあります。
現代でも使われている花魁言葉がある!

主な花魁言葉を見てきましたが、「ありがとう」という言葉と語尾の「ありんす」がくっついて「ありがとうござりんした」となったり、江戸末期にかけて少し意味合いの分かるような言葉が増えるとともに、少し罵る言葉が増えているという印象もありましたね。ですが現代語に変換すると、意味がキツイ言葉も花魁言葉だとそこまでキツイ印象がないようでしたね。

「吉原遊廓」などでは、縁起の良さを重んじる文化があったようで、演技の悪い言葉は演技のいい言葉に言いかえて使っていたようなのです。そんな演技の良さを重んじた花魁言葉の中に、現代でも使われている言葉があるのです!花魁言葉が語源になっている現代語の一覧も紹介します。
パートナーのことを表す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧①相方

現代では主に「相方」という言葉は「パートナー」を示す言葉として使われますね。お笑いコンビで「パートナー」のことを「相方」と呼ぶことが多いでしょう。
遊廓で使われていた相方の意味

遊廓では「相方」はお客様のことを「相敵(あいかた)」と呼ぶことがあったようです。お客様を「ぬし」と呼ぶことが多かった中で、よく挨拶を交わす仲のお客さんなどは呼び方が変わったなどという説もあります。「相方」は花魁言葉が語源と言われている現代語の1つです。
お茶を表す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧②あがり

お寿司屋さんに行くと、お茶のことを「あがり」といいますね。こちらの「あがり」という言葉も遊廓のなかで花魁言葉として使われていた言葉なのです。
遊廓で使われていたあがりの意味

遊廓ではお茶は「お茶を挽く」という言葉を連想させます。この「お茶を挽く」という言葉は、お客の付かない遊女はお客に挨拶の際に出すためのお茶を挽かされていたのです。「お茶を挽く」というのは人気のない遊女を指すので縁起が悪い言葉とされていました。そのため遊廓ではお客に出すお茶を「上がり花」と呼んでいたことから「あがり」がお茶につながったとされています。
人気の物事を表す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧③馴染み

現代では人気の物事を指すときに「馴染み」という言葉を使うことがありますよね。「馴染みのお店」「お馴染みの曲」などというように、使われることが多いでしょう。
遊廓で使われていた馴染みの意味

遊廓では「馴染み」は、同じ遊女の元に何度も通い、遊女と親密な関係になることを示していました。また親密な間柄になった遊女とお客様のことを「馴染み」とも呼んでいたとされています。このような親しみのあるという意味合いが語源となったとされています。
スルメを示す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧④アタリメ

現代語では「スルメ」のことを「アタリメ」と呼ぶことがありますね。この「アタリメ」も実は花魁言葉が語源となっている現代語なのです。
遊廓で使われていたアタリメの意味

遊廓では「スルメ」は「金品を掏る」ことを連想させる言葉だったようで、「スルメ」は縁起の悪いものでした。遊廓では縁起の悪い言葉は縁起のいい言葉に変えてしまうという文化があったので、そこで「スルメ」のことは、縁起の良い「当たり目」、「アタリメ」という言葉で呼ばれるようになり、その名残で現代でも「アタリメ」という言葉が残っているようです。
猿を示す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧⑤エテ

現代でも「猿」のことを「エテ」とと呼ぶことがありますが、この「エテ」という言葉も花魁言葉が語源となっているようなのです。
遊廓で使われていたエテの意味

遊廓では「猿」は「去る」というように「お客様が去ってしまう」ということを連想させるということから、「猿」は縁起の悪い言葉とされていたのです。そこで遊女たちは「猿」のことを「得て」、「エテ」と呼ぶようになっていったのだそうです。その名残で現代でも「猿」のことを「エテ」と呼ぶことがあるそうです。
人気のある人を表す花魁言葉とは?
花魁言葉が語源の現代語一覧⑥もてる

現代では異性から人気のある人のことを表すときに「もてる」という言葉が使われますよね。この「もてる」も花魁言葉が語源となっているのです。
遊廓で使われていたもてるの意味

遊廓では品格のあるお客は遊女から丁寧にもてなされるという風習があったようです。もてなしの挨拶からお見送りの挨拶まで、普通のお客とは全く違った扱いをされるのが、品格のある男性客だったのです。遊女から人気の高いお客も存在したようで、遊女から人気のあるお客を「もてる」と呼んでいたのだそうです。そのまま異性から人気のある人は「もてる」となったとされています。
花魁の美しい画が観れる現代の作品を紹介
さくらん
さくらんは2001年に講談社の雑誌「イブニング」で不定期連載されていた、安野モヨコさんの漫画作品です。吉原で育った主人公が花魁になるまでの人生模様が描かれている漫画です。
そして2007年2月24日に蜷川実花さんが監督の元、土屋アンナさんが主演で映画化された作品です。音楽は椎名林檎さんが手掛けているということで、豪華なキャストに加え、美しい映像と吉原遊廓を連想させるような音楽で素晴らしい世界観に酔いしれることができる作品になっています。
花魁道中
花宵道中は2006年に発売された宮木あや子さんの小説作品です。こちらも江戸の吉原が舞台となっている作品です。2009年には漫画化もされている作品でもあります。
そして2014年11月8日に豊島圭介さんが監督の元、安達祐実さん主演で映画化されました。こちらは記憶にも新しいのではないでしょうか。とにかく時代背景、花魁を演じる女優さんたちの画がとても美しい作品です。
花魁言葉は魅力的であり現代にも使われている言葉!

今回は花魁の歴史や言葉についてまとめました。花魁について曖昧だった方もなんとなく花魁の魅力を感じることができたのではないでしょうか。花魁は日常会話、挨拶、ありがとうなどといった言葉にも、気品が溢れる言葉遣いを意識していたのです。そして花魁言葉は現代にも使われている言葉の語源ともなっています。花魁言葉は色褪せない魅力的な言葉ですね!