カモミールの育て方!ローマンとジャーマンの違いやお世話の仕方をご紹介

カモミールはハーブの一種です。リンゴのような甘い香りで、ハーブティーや入浴剤などに使用されています。代表的な品種はローマンカモミールとジャーマンカモミールで、育て方に違いがあります。今回は2種類の違いについてや、その育て方などを紹介していきます。

目次

  1. カモミールは私たちの生活の中にある
  2. カモミールの歴史
  3. カモミールの特徴
  4. カモミールの用途
  5. カモミールは薬草としても使われている
  6. カモミールで美容とリラックスを得る
  7. カモミール使用の注意点
  8. カモミールの使用方法
  9. カモミールティーは手軽で効果的
  10. カモミールティーの作り方
  11. カモミール2種類の違い
  12. ローマンカモミールの苗からの育て方
  13. ジャーマンカモミールの種からの育て方
  14. カモミールの育て方のポイント
  15. カモミールの収穫
  16. カモミールの病気と害虫
  17. カモミールの雑学
  18. 違いのあるローマンとジャーマンをお世話してみよう

カモミールは私たちの生活の中にある

_marupon_さんの投稿
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カモミールは、リンゴのような甘く穏やかな香りが特徴のハーブの一種です。代表的な品種は、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの2種類で、私たちの生活の中でも様々に利用されています。この2種類はとても似ていますが、それぞれ育て方に少し違いがあります。今回は、カモミール2種類の品種の違いに触れながら、育て方やお世話の仕方について紹介します。

カモミールの歴史

カモミールの由来

xxkoffyさんの投稿
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『カモミール』は、ギリシャ語の『chamaimelon(大地のリンゴ)』を語源とし、リンゴのような香りがあることに由来します。和名では『カミツレ』と呼ばれ、これは江戸時代に、オランダ語の名前である『カーミレ(kamille)』がなまって入ってきたものと言われています。

ヨーロッパ原産のハーブ

horunu11さんの投稿
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カモミールはヨーロッパ原産ですが、現在では世界中で栽培されています。温暖な地域では野生の品種も見られ、その繁殖力や逞しさはとても強いことが知られています。そのためカモミールは、中世イギリスにおいて『謙虚さと忍耐の象徴』であるとされてきました。

世界中で親しまれてきた記録

atelierhitohaさんの投稿
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カモミールは、世界中で最も親しまれてきたハーブの一つです。紀元前3000年の古代バビロニアでは、熱病に対して使用されていたとされています。また古代エジプトの時代でも、薬草として利用されてきた歴史があり、パピルス文書ではフェイシャルパック剤の処方が紹介されています。カモミールには、薬用として使用されてきた遙かな歴史があるのです。

カモミールの特徴

生命力の強さ

主にキク科に分類される植物の総称で、ローマンカモミールとジャーマンカモミールが代表的な品種です。葉っぱを乾燥させハーブティーの原料にするほか、踏まれても生き抜くその生命力の強さを利用し、ガーデニングなどでは『グランドカバー』としても使用されています。忍耐力や生命力の強さから、育て方も比較的容易だと言われています。

花言葉に表現される忍耐力

カモミールの花言葉は『逆境に耐える』『苦難の中の力』です。これは、カモミールが地面を這うように生え、踏まれても生きることができ、踏まれるほどに丈夫に育っていく様子から由来されています。

カモミールの用途

薬用としてのカモミール

m.irodori_harbsさんの投稿
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カモミールには多くの種類がある中、薬用として利用されるのは、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの品種のみです。それぞれに少し香りの違いはありますが、その性質は似ています。ヨーロッパでは『母の薬草』と呼ばれ、効能が穏やかなため子供にも使われてきました。健康効果は、側に生えている植物にも有効とされ『コンパニオンプランツ』としての育て方もあります。

ハーブティーとしてのカモミール

性質の似ているローマンカモミールとジャーマンカモミールですが、用途には違いがあります。ローマンカモミールはハーブティーにすると多少の苦みがあるため、ハーブティーとして利用されるのは主にジャーマンカモミールです。

アロマテラピーとしてのカモミール

カモミールは白い花を咲かせ、リンゴのような甘く穏やかな香りがします。しかし2種類のカモミールには香りの違いがあります。ジャーマンカモミールよりもローマンカモミールの方が香りが良いことや、『ココロ』へはこちらの方がよく作用するとして、アロマテラピーではローマンカモミールがよく利用されています。

カモミールは薬草としても使われている

カモミールの効果・効能①:女性特有の悩みを緩和する

カモミールは古くから女性のための薬として使用されてきました。生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)によるイライラ感、頭痛、吐き気などの不快な症状にも効果的です。体を温める作用があり、冷えなどで悪化しやすい生理痛の症状も和らげてくれます。

カモミールの効果・効能②:抗炎症作用

カモミールには『アズレン』という、抗炎症作用のある成分が含まれており、歯周病や火傷、膀胱炎などにも効果があることから、薬にも配合されています。抗炎症作用としては、飲用することや肌に塗布すること、どちらにも効果があるとされています。

カモミールの効果・効能③:胃腸機能を整える

カモミールに含まれる『アズレン』の抗炎症作用は、消化器系の粘膜の炎症を抑える作用もあります。また、鎮静作用もあるため、消化機能を整え胃腸の粘膜を保護し、ストレス性の胃痛などにも効果があります。そのため、過敏性大腸炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などにも効果が期待できるとされています。

カモミールの効果・効能④:気管支炎や鼻づまりの緩和

カモミールに含まれる『アズレン』の抗炎症作用により、気管支炎や鼻づまりなどの症状を緩和します。また『アビゲニン』という成分が抗アレルギー作用や抗ヒスタミン作用を有し、花粉症などのアレルギーにも効果があるとされています。しかしブタクサなどのキク科植物にアレルギーのある方は注意が必要です。

カモミールで美容とリラックスを得る

カモミールの美容とリラックス効果①:保湿効果

肌への保湿効果が高く、スキンケア用品や入浴剤、ボディソープやシャンプーなどによく使用されています。また、カモミールティーをリンスとして利用し、毛髪に艶を出す使用方法もあります。

カモミールの美容とリラックス効果②:鎮静・安眠効果

カモミールの甘い穏やかな香りには鎮静効果があり、心身をリラックスさせ、安眠効果があります。眠る前にジャーマンカモミールティーを飲むと、よく眠れると言われるのはこのためです。

カモミール使用の注意点

キク科アレルギーの人は使用しないこと

カモミールはキク科の植物ですので、アレルギーを持つ方には不向きです。また、同じくキク科植物である『ブタクサ』にアレルギーのある方も、カモミールの使用を控える必要があります。

妊娠中は使用しないこと

女性のカラダの巡りをよくする通系作用が、妊娠中では悪影響となる場合があることや、子宮を収縮させてしまう作用があることなどから、カモミールは妊娠中の方には向きません。

カモミールの使用方法

カモミールティー

カモミールティーに主に使用されるのはジャーマンカモミールです。カフェインを含みませんので、安眠目的の方でも安心して飲むことができます。リラックス効果があり、安眠を望む人たちから大変人気があります。即効性はなく穏やかに作用するので、安眠効果を得たい場合は就寝前1~2時間前に飲むのが効果的とされています。

カモミールハーブバス

カモミールのハーブバスは、血行促進・にきび・しもやけ・湿疹などに効果があるとされています。浴槽に漂うカモミールの香りが精神を安定させ、リラックス効果を得ることができます。カモミールの持つ保湿作用から、入浴剤としての使用方法は大変人気があります。

カモミールポプリ

カモミールのポプリは精油とは違い、それほど強い香りとならないため、穏やかな優しい香りを楽しむことができます。枕元に置くなどしてほのかに漂う香りを感じながら、リラックスした状態で睡眠へと導入され、安眠効果が得られます。

カモミール精油

horunu11さんの投稿
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精油原料として主に使用されるのはローマンカモミールです。リンゴのように甘く穏やかで、ローマンカモミールの方が香りが良いためです。しかしジャーマンカモミールも、精油としての用途はあります。違いは、ローマンカモミールは『ココロ』へ、ジャーマンカモミールは『カラダ』への働きかけに高い効果が期待され、用途に合わせた精油の使い分けがされています。

エディブルフラワー

薬品を使用せずに栽培するなど、育て方によってはエディブルフラワー(食べる花)としての用途もあります。摘みたてのフレッシュなカモミールの花びらだけを使用し、カップケーキやクッキーにトッピングしたり、サラダやスープに散りばめたりします。飲み物に浮かべてほのかなリンゴの香りを楽しむ方法もあります。

カモミールティーは手軽で効果的

ココロへの効果

カモミールの鎮静作用によりリラックス効果を得ることができ、安眠効果を得ることができます。穏やかに作用してくるので、安眠目的の場合は、就寝1~2時間前にカモミールティーを飲むことがポイントです。また、カモミールティーの甘く穏やかな香りにより、月経周期に伴うイライラ感や抑うつ感などにも効果を発揮します。

カラダへの効果

カモミールの抗炎症作用により、胃腸機能を整え消化器粘膜を保護してくれます。また、カモミールティーの蒸気を吸入することで、花粉症や鼻づまりの症状が緩和されます。

美容効果

カモミールに含まれる『アビゲニン』に抗酸化作用があります。この作用により、活性酸素が減少することでメラニンの生成が抑えられ、シミの緩和に期待できると言われています。そのため、シミなどの美容に悩む人たちに、カモミールティーはとても人気となっています。

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カモミールティーの作り方

基本のカモミールティー

barbie0820さんの投稿
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市販のティーパックを使用し、手軽に楽しむことのできるカモミールティーですが、ドライハーブを使用して淹れる方法もあります。一杯分のカモミールティーに使用するドライハーブは、ティースプーン1~2杯程度です。ティーポットや茶こしを使って、150ml程度のお湯を注ぎ、3分ほど蒸らすと出来上がります。

アレンジも美味しいカモミールティー

cafepinataさんの投稿
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ハーブに慣れるまで飲みにくさを感じる場合は、ミルクを入れてミルクティーにしたり、ハチミツをを入れてほのかな甘みを感じたりると、飲みやすくなります。ブレンドティーとしての飲み方もありますが、安眠目的の場合は、覚醒作用のあるカフェインが入っていない茶葉とのブレンドにしましょう。

カモミール2種類の違い

性質の違い:多年草と一年草

ローマンカモミールが多年草であることに対して、ジャーマンカモミールは一年草だという性質の違いがあります。そのため、育て方も少し違い、多年草のローマンカモミールでは植え替えが必要となりますが、ジャーマンカモミールは植え替える必要がありません。こうした育て方の違いを理解してお世話をしていきましょう。

花の違い:大型と小型

どちらもかわいらしい白い花ですが、ローマンカモミールは大型の花で、ジャーマンカモミールは小型の花が咲きます。見た目にはあまり違いはありませんが、ジャーマンカモミールは、花の中央の黄色い部分が少し盛り上がっています。

育て方の違い:苗植えと種まき

ローマンカモミールは市販の苗を購入して植え、ジャーマンカモミールは種まきをして育てていくという、育て方の違いがあります。しかし苗の育て方としては、2種類とも基本的に同じです。2種類の品種の育て方を理解し、お世話をしていきましょう。

ローマンカモミールの苗からの育て方

苗植えの時期

ローマンカモミールは、市販の苗を購入して育てます。ローマンカモミールの苗を植える時期は、3月~6月です。鉢植えで育てる場合と地植えで育てる場合とで、行程や育て方が違います。

鉢植えでの育て方:土の準備

カモミールは、水はけの良い土を好みます。市販のハーブ専用培養土で問題ありません。その土に化学肥料を混ぜたものを使用すると良いでしょう。

鉢植えでの育て方:手順

鉢底に鉢底石を敷き、土を1/3程度入れたら、苗をポットから取り出して植えます。水やりをし、以降は日当たりの良い場所で育てます。ただし日本の夏の暑さには弱いため、7月~8月頃の真夏の育て方は、午前中のみ日当たりの良い場所で管理をし、午後は日差しを避けることが必要です。真夏の水やりは高温の時間帯だと鉢の中が蒸れるため、涼しい時間帯に水やりをします。

地植えでの育て方:土づくり

育て方の第一歩は土づくりです。カモミールを育てる予定の地面は、苗植えの1~2週間前から土づくりをして用意します。カモミールは酸性の土が苦手ですので、苦土石灰などを混ぜて中性~弱酸性になるようにしておきます。このとき、苦土石灰と同時に腐葉土を混ぜ込んでおきます。

地植えでの育て方:手順

土づくりから2週間後、風通しを確保するために、広く間隔をあけながら苗を植えていきます。土に植穴を掘り苗を入れ、周りから土を寄せていき軽く押さえます。風通しを確保するため、15~20cm程度の間隔をとりながら苗を植え、水やりをするのが育て方のポイントです。

ジャーマンカモミールの種からの育て方

種まきの時期

ジャーマンカモミールの種まきをする時期は、3月~4月か9月~10月です。一度、育苗ポットなどで育て、苗が丈夫に育ってから育てる予定の地面や鉢に植え替えをするのが、おすすめの育て方です。これは、病気や害虫の被害にあいにくく、丈夫に育てやすいためです。

種からの育て方:まき方

育苗ポットに種まき用の土を入れ、種同士がなるべく重ならないようにパラパラと種をまきます。カモミールの種はとても軽いので、巻いた後は薄く土をかぶせましょう。発芽までは霧吹きなどを利用して、種が流れないように水やりをします。その後は、日当たりの良い場所で育て、水やりをしていきます。

種からの育て方:植え替え

苗の丈が10~15cm程まで成長し、葉っぱ同士が軽く触れ合う程度になったら摘芯をします。本葉が5~6枚程度になってきたら、育てる予定の地面や鉢に植え替えをします。苗になってからの育て方はローマンカモミールと同じです。

カモミールの育て方のポイント

育て方:環境の管理のポイント

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上手な育て方のポイントは、環境管理をすることです。カモミールは高温多湿は苦手で、風通しが良く、乾燥気味の状態を好みます。日本の夏の暑さには弱いので、年間を通して乾かし気味に管理し、株元を蒸らさないように気をつけます。

育て方:水やりのポイント

鉢植えは土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水やりをします。高温多湿が苦手なので、夏の水やりは早朝や、夕方以降の涼しい時間帯にします。照り返しのある日中の水やりは、鉢の中が蒸れてしまう心配があります。大切なのは、常に水やりをするのではなく、土が乾燥してから水やりをすることです。地植えは苗を植えるときに水やりをし、その後の水やりの必要はありません。

カモミールの収穫

収穫する時期

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花が咲いて2~3日、花びらが反り返ってくる前が収穫時期です。中央の黄色い花の部分が盛り上がってきたものを摘み取り、随時収穫します。

収穫と剪定

花びらだけを摘み取っていくのも良いですし、剪定を兼ねて茎から摘むのも、上手な育て方と言えます。風通しを良くし、害虫の発生や生育不良を予防します。

カモミールの病気と害虫

害虫:アブラムシが発生した時の育て方

カモミールにとっての害虫は、アブラムシです。カモミールを育てる際に窒素分の多い肥料を使用したり、風通しが悪いなどの育て方や環境からアブラムシが付いてしまいます。アブラムシが付いてしまったら速やかに駆除し、風通しを良くするために、間引きをするなどの対処をしましょう。

病気:うどんこ病になった時の育て方

カモミールの葉っぱに、うどんこ病が出ることがあります。うどんこ病をそのまま放置すると、葉っぱの表面がどんどん白くなり光合成を妨げ、生育不良を起こす原因となってしまいます。初期であれば、症状の出た葉っぱだけをちぎって様子を見ます。治癒しなければ、被害を最小限に抑えるため、薬剤の散布も検討していくことになります。

カモミールの雑学

風水に利用されることもある

natsuno_hiraiwaさんの投稿
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ハーブは風水において、恋愛運や人間関係運に関するアイテムであるという考え方があります。香りの効果だけではなく、『育てて・使う』ことに風水としての意味があるそうです。その中でカモミールは、ココロをきれいにしてくれるなどの作用があると言われています。

たくさんの花言葉

カモミールの花言葉は『逆境に耐える』など、忍耐力が表現されているというご紹介をしましたが、他にもあります。『あなたを癒す』『清楚』といった、カモミールの効能・効果を思わせるものや、可愛らしい花の様子が表現されています。また『厳しさの中の愛情』という意味もあり、これ以外にも多くの意味や表現があります。花言葉としても、世界中で親しまれているのです。

違いのあるローマンとジャーマンをお世話してみよう

_chi726さんの投稿
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ローマンカモミールとジャーマンカモミールには、いくつかの違いがありました。性質の違いや育て方の違いの他、用途の違いもあります。ローマンカモミールは香りが良く精油に向いていること、ジャーマンカモミールはハーブティーに向いていることなど、それぞれの特徴により、用途に合わせた利用がされています。健康や美容効果のあるカモミールをお世話し、育ててみてはいかがでしょうか?可愛い花に育ったら、お好みの方法でぜひ使用してみてください。

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