お風呂に入らないとどんな影響が?髪・肌・臭いはどうなる?
日本人の8割がお風呂に入る習慣があります。しかしいろいろと理由をつけてお風呂に何日も入らない人もいます。しかしお風呂に入らないでいると様々な弊害がでてきます。お風呂のメリットとお風呂に入らないと陥る危険について考えてみました。
目次
お風呂に入らない人は不潔じゃ済まない?

あなたはお風呂に毎日入る習慣がありますか?日本人の8割が、定期的にお風呂に入る習慣があると言われています。数日入らないだけで汗でべとべとになり臭いも気になります。お風呂に入らないと何か弊害があるのでしょうか?お風呂に何日入らないと不味いのでしょうか?お風呂に入らないで平気でいる人は何か問題を抱えているのでしょうか?お風呂に入るメリットと共に考えてみました。
日本人は何故毎日お風呂に入るのか
高温多湿の気候

日本は1年を通して、高温多湿の地域です。温暖化が進み、気温はどんどん上昇傾向にあり、湿度も高くなってきています。特別な運動をしなくても、1日を過ごしていたら、家に帰る頃にはかなりの汗をかきます。また、1日を外で過ごすことでホコリや雑菌やウイルスが体に付着します。1日の汚れを夜にお風呂に入って落とすのが、日本人の古くからの習慣になっています。
湯船につかって疲れを取る

日本人がお風呂に入る理由は、汚れを落とすだけではありません。日本人が入るお風呂の温度は38度から41度程度です。世界のあちこちにある温泉より、温度は高いです。熱い湯船につかると、からだのコリがほぐれ、一日の疲れがすぅっと引いていきます。日本人がお風呂が入る理由は、疲れを取るためでもあるのです。
湯船につかるのは日本人だけ?

日本人ほどお風呂好きな国民はいないと言われています。日本にやって来た外国人は、日本人のお風呂好きに驚きます。多くの外国人が、シャワーは使いますが、湯船にのんびりとつかる習慣がありません。日本では1人暮らし用のワンルームの部屋でも、浴室にはバスタブとシャワーが完備されています。バスタブに湯をはり、のんびりとバスタイムを過ごすのは日本人の特徴です。

日本にやって来た外国人が驚く点は、夏でも湯船につかること、だそうです。それに、家族でお風呂の湯を変えずに同じ湯を使うことにも驚きを感じています。さらに、熱いお湯に長いこと身体をつかっていられるのも驚きなのだそうです。外国人は1人がお風呂に入ると湯を捨ててしまいます。日本人にはもったいないと感じられる習慣です。このように世界と日本のお風呂に対する考え方は違います。
お風呂に入らないフランス人
湯船に入って疲れを取る発想がない

フランス人は毎日お風呂に入らない、という噂があります。実際は若いフランス人はほぼ毎日、お風呂に入っています。決して不潔なわけではありません。しかし日本人の感覚の「お風呂に入る」とは少し違います。フランスでは湯船のない家庭も多く、「お風呂に入る」とは「シャワーを浴びる」ということです。洗い場などなく、追い炊き機能のないバスタブに湯を張ってもすぐに冷めてしまいます。
硬水は髪にも肌にも悪影響を及ぼす

フランスは1年中空気が乾燥し、気温も低いので毎日身体を洗わなくても問題は発生しません。さらに、ヨーロッパの水はミネラルの多い「硬水」で、水に含まれる石灰分のため、毎日のように洗うと、髪も肌も乾燥し、ぱさぱさになってしまいます。シャンプーは2日おき、朝に行うのが普通です。洗顔は拭き取り式化粧水をコットンに浸してさっと肌をひと拭きするだけです。日本人の「毎日洗う」とは少し違う感覚です。
香水を愛する理由はお風呂に入らないから?

お風呂に入らない代わりにフランス人は、香水にこだわりを持っています。子供用の香水もあり、4歳にもなれば自分の香水を持つような文化です。老若男女問わず、日常的に香水をまといます。これを、フランス人は体臭を隠すために香水をつける、と揶揄する国もあるようです。しかしフランス人も「毎日お風呂に入らない」という噂に悩んでいるので、話をする時はオブラートに包んだほうがいいでしょう。
お風呂に入らない人の言い訳
お風呂に入るのが面倒臭いし眠い

お風呂に入らない人に理由を聞くと、「面倒臭い」とか「眠いから」と言う声が返ってきます。確かに、疲れて帰ってきてから、湯船に湯をはって、それから入るとなると、時間がかかるし、面倒な気持ちもわからないでもありません。お風呂に入るより、早くベッドで眠りたいと考えるのも、無理のない話かもしれません。
一人暮らしでもったいない
もうひとつ、お風呂に入らない理由が、1人暮らしの人に多い「1人暮らしなのでもったいない」というものです。家族何人もお風呂に入るのとは違い、自分1人しか入らないのに、お湯をはって捨てるのはもったいないということでしょう。しかし、だからといって何日もお風呂に入らないでいると、いろいろな問題が起きる可能性もあります。
お風呂に入らないと臭くなる

お風呂に入らないでいることで、最初に頭に浮かぶのは、身体が臭くなるということです。夏場など汗を大量にかきます。そんな汗を流さずにベッドに入ってしまうと、臭いがとてもきつくなります。汗をかいたのに洗わずに寝てしまうと、体臭がきつくなります。その結果出てくる影響は深刻です。

人間の身体からは汗が出ます。汗自体は無臭です。しかし皮脂腺から臭いがきつい、余分な皮脂もでます。汗や皮脂は肌の上にいる雑菌の大好物です。雑菌が食べた食べかすや糞にあたるもの、雑菌が汗を分解したものが肌の上で臭いを放つのです。最近は男子臭など汗臭に関するCMが流れ、汗が出た結果出る臭いに敏感になっています。満員電車が一般的な日本社会で、汗臭は深刻な影響を与える問題です。
お風呂に入らない臭い人は嫌われる
お風呂に入らない人は社会的に悪影響を及ぼす

体臭のきつい人が、好かれる要因なんてそうそうあるのでしょうか?オヤジ臭のするお父さんが娘から嫌われるの程度の問題ではありません。臭い人に近付くのを嫌がったり、迷惑に思ったりする人が多いです。ビジネスシーンでも悪影響を及ぼします。社の信用を大事にする取引などの席で、身だしなみがきちんとしていなかったり、体臭があったりすると、自己管理ができない人間として、信用を低下させてしまいます。
お風呂に入らない人は友人からも敬遠され孤独になる

体臭は友人関係にも悪影響を及ぼします。不潔な見た目は社会的な信用だけでなく、身近で親しくしている人間にも嫌われてしまいます。体が臭いという理由で嫌われ、友人が離れていくというのは悲しいものです。体臭が酷いせいで、孤独になっていくというのは、現代社会の中でよくあるであろう問題です。お風呂に入るだけで解決できるなら、なんとか入浴習慣をつけたいものです。
髪も毎日洗うべきか?

何日もお風呂に入らないでいると、頭皮にも影響がでてきます。髪の毛が抜けやすくなりますし、頭皮の臭いも酷くなってきます。頭皮の臭いを周囲が我慢できるとは考えにくいです。また、頭皮だけでなく、髪も皮脂によってべたつき、ホコリや汚れが付着しやすくなってきます。
髪は2日に1度程度で充分

頭皮に関して言えば、頻繁に洗いすぎるのも問題です。夜のお風呂で洗い、また朝シャンをするというのは洗いすぎです。頻繁なシャンプーは、必要な皮脂も落としてしまいます。その結果、頭皮が過剰に皮脂を分泌するようになってしまいます。かえって髪がべたつき、かゆみの原因になってしまいます。すすぎが不十分だとさらに毛穴が詰まって、髪の成長を妨げます。日に何度もシャンプー剤の世話になるのは要注意です。
頭を不潔にすると脂漏性脱毛に

脂漏性皮膚炎を知っていますか?皮脂の分泌が多くなりすぎた結果起こる、脱毛症のひとつです。お風呂に入らないで、髪も洗わずにいると、髪がべたつき、臭いがきつくなるばかりではありません。髪の毛が抜け、その影響で深刻な脱毛症になってしまいます。脂漏性皮膚炎は生活習慣の乱れによって起こるとされていますが、頭皮を不潔にしているだけでも影響を及ぼし皮脂が過剰に分泌されるのです。

洗いすぎに気をつけるのは当然ですが、やはりずっと髪を洗わないでいるのは問題です。髪がべたついて、抜け毛が激しくなったと悩んでいる人は、髪の洗い方を見直す必要があるでしょう。頭皮に本来必要な常在菌まで落とすような洗髪をせず、適度な頻度で丁寧な洗髪をしましょう。頭皮に刺激の強過ぎない弱酸性のシャンプーをしっかり泡立て、充分にすすぎましょう。
お風呂に入らないで肌に出る影響

お風呂に何日も入らないでいると、肌にも影響が出てきます。肌のいちばん外柄にあるのは表皮細胞です。表皮細胞は30日周期で、古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞に生まれ変わります。しかし、表皮細胞の下にある真皮層の血行が悪くなると、このサイクルが上手く働きません。その影響から、肌荒れの原因になってしまいます。

角質が自然に剥がれるサイクルをきちんと機能させなければなりません。老廃物をきちんと排出できるようになれば、吹き出物も出なくなり、肌の透明感も増します。お風呂に入る時は、温度を40度から42度の熱めのお湯につかると、ヒートショックプロテインというたんぱく質が増えます。このたんぱく質はコラーゲンの減少を食い止める働きがあります。美肌のため湯船につかるのは大事なことです。
お風呂に入らないと安眠できない

夜眠れないと悩んでいる人は、お風呂タイムを上手に利用しましょう。寝る前に入浴をすると、体温が変化します。昼間は身体の奥の深部体温が高くなり、夜には自然に低くなるのが体内のリズムです。入浴によりこの深部体温をいったん上げます。その後に湯冷めしてだんだん下がっていきます。この影響により深部体温を変化させ、深い眠りに導くのです。

深部体温を下げるためには10分以上の入浴が必要です。ただし1時間以上入浴するのは避けましょう。湯船の温度は約40度に保ちます。疲れている時は足湯だけでも効果があります。浴室の照明を落とすと、睡眠を促すホルモンの分泌を促します。入浴中にリラックスできる香りをかいだり、音楽を聴いたりするのも、安眠にいい影響を及ぼします。入浴は睡眠の30分前に済ませましょう。
お風呂に入らないと疲れが取れない

温かいお湯につかることで血行が促進されます。その影響で身体のコリや痛みをほぐしたり、筋肉の緊張を解いたり、疲れを癒してくれます。これが温熱効果です。また体を水中につけることで、重力が普段の10分の1になります。この浮力の影響で筋肉の緊張が解かれ、身体が軽く感じ、リラックスできます。更に水圧がかかる影響で、血液の循環が促進されます。

特に疲労回復が期待できる入浴法が温冷交互法です。まず湯船にしっかりつかって体を温めます。湯船から出て、疲れている部位に冷水シャワーを15秒ほどかけます。同じ部位に温水シャワーを40秒ほどかけます。シャワーではなく湯船につかってもOKです。最後に温水で終わるようにすると、効果的です。炭酸ガス系の入浴剤を使うとその影響でつかるだけで血行が良くなります。
お風呂に入ると疲れる人

お風呂に入らない理由に、お風呂に入ると疲れるというものがあります。湯船に入ると熱を発散させるため汗をかきます。その時にエネルギーが消費されます。そのため疲れを感じやすくなるのです。ただ、疲れる時と疲れない時があります。その原因のひとつに、湯船の温度があります。
湯船の温度が高すぎる

41度以上の熱いお湯は、身体を疲れさせます。湯の温度が高いと交感神経が優位になり、元気になったような気分になりますが、身体は疲労がたまります。汗も大量にかき、エネルギーを使うので疲労が大きくなります。また脳内麻酔と言われるβエンドルフィンが分泌され気持ちよくなるのですが、脳卒中や心筋梗塞の危険も増します。お風呂に入ると疲れるという人はお湯の温度を下げてみましょう。
お風呂に入らないとかかる病気
雑菌やウィルスの付着による病気

お風呂に入ると疲れを癒すことができ、体臭も防ぎ、髪の毛の健康にもいいなど、様々な効果があります。ただお風呂に入らないからといって病気にまでなったりするのでしょうか?お風呂に入らないでいると、身体についた埃や汚れが取れません。汚れの他に身体には雑菌やウィルスも付着します。何かのきっかけで鼻や粘膜にウィルスが付着すると、健康を害する危険があります。
花粉が付着したまま寝てしまう恐怖

家から一歩外に出ると、身体にはいろいろなものが付着します。そのひとつが花粉です。頭にもたくさんの花粉が付着します。髪も洗わず寝てしまうわけですから、枕に付着した花粉を鼻から吸い込むことになります。皮膚について炎症を起こす場合もあります。花粉症でなくても、花粉症にかかるリスクを負ってしまうのです。花粉症は1度なったら生涯治りません。
お風呂に入るメリット
身体や肌の汚れが落ちる

当たり前のことですが、お風呂に入ると身体の汚れを落とすことができます。お湯につかり体を温めるだけで、毛穴が開いて毛穴に詰まっている脂や汚れ、肌表面に付着した老廃物や角質が柔らかくなり、容易に取ることができます。身体をごしごし洗わなくても、10分ほど湯船につかっているだけで、80パーセントの汚れは落ちていきます。
基礎代謝をアップする

生命を維持するための活動で消費されていくエネルギーが基礎代謝です。基礎代謝は年齢と共に減っていきます。その影響で太りやすくなります。また、身体のさまざまな機能が低下してしまいます。お風呂に入ることで、血行が促進され、発汗効果も上がります。継続して入浴することで細胞が活発化し、基礎代謝を上げることができます。
マッサージ効果が上がる
お湯の中にいると水の深さによって水圧がかかります。お風呂の湯船でも水圧がかかり、ウエストが5センチ細くなると言われています。決して無視できない力です。このような水圧を「静水圧」と呼びます。静水圧はマッサージ効果があります。血流が上がり、たくさんの血液が身体中を流れていき、酸素や栄養素が多量に、身体の隅々までしっかり届きます。
リラックス効果がある

お湯に入ると心地良い気分になり、βエンドルフィンが分泌されます。これはリラックスするホルモンです。このためホッとした気分になることができます。また水中で体が軽くなることで、身体にかかる重力から解放されます。関節や筋肉への負担が軽減されて、緊張がほぐれ、リラックスできるのです。
お風呂に入らない人は病気を疑え

なんだか最近、お風呂に入る気がしない、という人はいませんか?単に疲れて、面倒になっているだけかと思っていると危険な場合があります。気が付いてみると、歯を磨くのさえ面倒になっているかもしれません。特に以前は清潔好きだったとしたら、深刻な病気になっている場合もあります。ひとつの症状は鬱病です。この病気はきちんと医師に診てもらわないで悪化している人が少なくありません。
お風呂が苦痛になる病気

鬱病の他、お風呂に入るのが苦痛になる病気が、ADHDと呼ばれる注意欠陥、多動性障害です。また、統合失調症の場合も、お風呂に入るのが苦痛になってしまいます。こうした精神科を受診すべき病気の他、副腎疲労が考えられます。副腎はストレスを打ち消すホルモンを分泌してくれます。この抗ストレスホルモンが出にくくなると疲労、倦怠感などの症状が出てきてしまいます。
お風呂に入らない生活は危険がいっぱい

お風呂に入らない状況を、単なるものぐさと捉えるのは大きな間違いです。お風呂に入らないことで肌の汚れが落ちないだけでなく、身体の疲労の他に、社会活動や人間関係にも影響を及ぼします。また、病気が原因でお風呂に入れない場合もあります。お風呂に入らないことを簡単に考えずに、なぜ入りたくないのかも考えましょう。心身の健康に留意し、お風呂に入る健康的な生活を目指しましょう。