裏ピースの本当の意味とは?危険・海外ではいけないハンドサインとは?
アメリカのラッパーを中心に人気が爆発した裏ピースですが、起源を辿ると決していい意味のハンドサインではありません。裏ピースのように日本では人気でも海外ではNGのハンドサインがたくさんあります。今回は裏ピースを中心にハンドサインの種類と意味をご紹介します。
目次
最近流行のハンドサイン「裏ピース」

日本で写真を撮る時にメッセージを込めてハンドサインを見せる事が多いですが、人によって好むハンドサインが違うようにたくさんの種類があります。そして、米国のラッパーを中心に広まり、日本でも若者を中心に人気のハンドサインが裏ピースです。

日本でもポピュラーなハンドサインであるピースサイン(Vサイン)と形はほぼ同じですが、同じ種類のハンドサインと思って、単純にピースをするよりも手の甲を出す方がクールという事もあり、日本でも写真の撮影で裏ピースをする人が増えています。

しかし、ハンドサインとして裏ピースに込められた意味は決していいものではなく、このハンドサインが生まれたイギリスでは挑発的ジェスチャーとしてNGのハンドサインなので注意が必要です。今回はハンドサインに焦点を当てて、日本人に人気のピースと裏ピースの意味と、海外では行ってはならないハンドサインの種類をご紹介します。

裏ピースの意味と起源

見た目はかっこいい裏ピースですが、欧米では相手に喧嘩を売るためのジェスチャーであり、人前で見せてはならないハンドサインです。裏ピースの起源は15世紀のイギリスとフランスの戦争にあり、イギリスの弓の長距離射手が使ったのが裏ピースの起源と言われています。
当時は、長い射程を誇る弓が重要な兵器であり、イギリス軍がフランス軍に向かって「フランス軍をやっつけるのはこの二本の指で十分」と、今でいう裏ピースのジェスチャーで挑発した事から裏ピースの原型となるハンドサインが生まれました。

最初に書いた通りイギリスでは今も意味が変わっておらず、手の甲でVサイン(裏ピース)を作って相手に見せると「やっつけてやる」という意味のハンドサインになってしまうので、裏ピースを嫌うイギリス人と写真を撮る時に裏ピースをしてはいけません。
ラッパーの裏ピースの意味は?

現代では主にアメリカ人のラッパーやスポーツ選手が自身のTwitterやInstagramといったSNSで裏ピースを見せています。イギリスと違ってアメリカでは裏ピースに強い意味はなく、サイドピースと呼ぶなどポピュラーなハンドサインとして親しまれています。
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— Nelly_Mo (@Nelly_Mo) March 30, 2017
むしろ、アメリカで裏ピース以上に挑発的な意味を持つのは中指を立てるファックサインであり、侮辱や挑発をする時は裏ピースではなくファックサインが使われます。勿論、アメリカでも裏ピースの本当の意味を理解している人は少なくありません。イギリスほど問題になる事はありませんが、アメリカでも裏ピースは見せない方がベターです。

裏ピースの意味が浸透していない日本で写真を撮るのであればまだ問題はないかもしれませんが、裏ピースが生まれたイギリスのように海外で写真を撮る時は裏ピースなどNGの意味をジェスチャーに注意しましょう。
イギリス以外にも裏ピースNGな国は?

裏ピースの原型が生まれたイギリスは勿論、裏ピースがNGな国は他にもあります。特にイギリスに植民地支配されていた国は裏ピースを嫌う傾向があり、オーストラリアなどイギリスの文化が残る国ではやはり裏ピースは好まれません。

折角の海外旅行なので余計な問題は起こしたくないものです。裏ピースで写真を撮るために相手の顔を伺うなど必要以上に神経質になるのも良くありませんが、裏ピースのように自分が普段写真撮影で好むポーズやハンドサインの意味は最低限知っておいた方がトラブル回避という意味でも役に立ちます。

一方、日本で相手に向かって手招きするこっちに来てというハンドサインが海外では逆にあっち行けという意味を持っている事が有名であるように、日本と海外で真逆の意味を持ったハンドサインも少なくありません。渡航前に国の文化とハンドサインの意味とNGなハンドサインの種類を調べておけば問題になる事もないので確実です。
裏ピースから生まれたピースサイン

イギリス軍のフランス軍への挑発から生まれた裏ピースですが、ベトナム戦争に対する反戦の機運が高まっていた1960年代にアメリカやイギリスといった欧米諸国で反戦デモが行われるようになりました。そのデモへの参加者が裏ピースを裏返して相手への挑発から平和を表す意味を込めたハンドサインがピースサインです。

ピースサインが日本に渡ってからはお馴染みのハンドサインとなり、老若男女問わず写真撮影の時は人気のポーズとなりました。派生形と思われている裏ピースが実は原型というのはまだ広く認知されていませんが、ダブルピースのようなバリエーションも多数存在するように種類も豊富です。

そして、ピースサインは韓国などのアジア圏で人気が高く、当初は相手を挑発する裏ピースを裏返したデモで行うパフォーマンスだった海外でもポピュラーなハンドサインとして市民権を得ています。
ギリシャでピースサインはNG
同じハンドサインでも国によって意味が違うものですが、平和を示すピースサインがNGな国もあります。ピースサインがNGな国として有名なギリシャですが、ギリシャではかつて犯罪者に2本指で物を投げた事から侮辱のハンドサインとされています。
裏ピースNGの国以外では裏ピースを好む人もいるように、裏ピースから生まれたピースサインは日本に限らず海外でも人気のハンドサインです。名前の通り平和という意味もあるため、一見すると万国共通という印象を持ちますが、ギリシャのように国によってはNGなハンドサインなので注意が必要です。
角の種類は様々
裏ピース以外のNGハンドサイン①:コルナ
小指と人差し指を角に見立てて「デビルホーン」と呼ぶなど呼び名の種類も複数あるコルナですが、イタリアではその名の通り悪魔崇拝などネガティブな意味で取られています。サッカーの試合ではサムズダウンやファックサインの代わりにコルナとともにブーイングをする事があり、審判がコルナの標的になる事が少なくありません。
また、国が変われば意味も変わるハンドサインのご多聞に漏れず、アメリカではネガティブな意味ではなく、同じ角でもテキサス大学ロングホーンズの応援に使われます。国が変われば角の種類も変わるところが興味深いハンドサインです。
また、出身大学はテキサスではないものの、テキサス州出身のレスラーとして有名だったスタン・ハンセンの決めポーズとして有名になるなど、アメリカ(特にテキサス州)では人気のハンドサインです。
ポジティブな意味はグッドラック
裏ピース以外のNGハンドサイン②:フィンガーズ・クロスト
中指と人差し指をクロスさせるためクロス・フィンガーズなど様々な呼び名の種類があるフィンガーズ・クロストですが、海外(特にアメリカ)で広く知られている意味としては「幸運を祈る(グッドラック)」です。
認知度の上昇とともに人気の出た裏ピースと違って日本ではあまり見ないハンドサインですが、一般的な意味を知ると「意味も悪くないし、自分はレアなジェスチャーを知っている」という自慢の意味も込めて使いたい倫理が働きます。
しかし、このハンドサインはベトナムでは女性器の意味を持っているためNGなハンドサインです。フィンガーズ・クロストを使う地域もNGな地域も限定的であり、日本ではマイナーなハンドサインではありますが、外国人に幸運を祈ると伝えたい時は素直に「グッドラック」と言葉として伝えましょう。
好意的に受け取ってくれない国もある親指
裏ピース以外のNGハンドサイン③:サムズアップ

親指(thumb)を立てて「よくやった」更には「頑張って」というポジティブな意味で意思表示をする時に使うサムズアップは日本は勿論海外でも広く認知されており、写真を撮る時や日常でもよく使われる人気のハンドサインです。しかし、国によってはこのサムズアップが侮辱的表現になってしまいます。

中東、西アフリカ、南米(ブラジル除く)といった国と地域ではサムズアップは侮辱的表現となってしまうので、日本人が思っているような好意的なハンドサインといういつもの感覚で相手に見せてはいけません。

サムズアップは大半の国では好意的な意味を持ち、世界的な人気を誇るハンドサインですが、国によってはNGである事を知識として頭の片隅に置くと無用なトラブルを避けられます。
世界共通のNGなハンドサイン
裏ピース以外のNGハンドサイン④:サムズダウン

スポーツの試合で特にブーイングをする時に見せる事の多いサムズダウンですが、見ての通りいい意味では取られません。サムズダウンの起源は、闘技場で敗れた人間を殺せという意味で、首を掻き切るジェスチャーなどにも使われます。
スタジアムで周囲が一斉にブーイングをしながらサムズダウンを見せるので一緒に自分もサムズダウンをする事が多々ありますが、日本でも海外でも当然許される行為ではありません。スポーツの試合はともかく、日常生活で使う事はまずありませんが、例え友人相手でもノリでやってはいけません。
必ずしも意味はOKではない
裏ピース以外のNGハンドサイン⑤:OKサイン

指で輪を作り、OKの意味を示すOKサインは多くの国で共通のハンドサインで、大半の国の人には日本と同じようにOKで通じます。ですが、フランスなど一部の国では侮辱表現となるためNGのハンドサインです。

フランスでOKサインはゼロを意味するハンドサインで、役立たず、魅力がないというネガティブな意味で使われます。また、ギリシャでも同じように侮辱表現のハンドサインなのでNGです。
一方、ブラジルなどの南米諸国でOKサインは危険人物という意味に加え、性的表現を含む卑猥なジェスチャーという意味で取られてしまうので、南米に渡航する際はOKサインを見せないようにしましょう。
アニメで人気でも真似はダメ
裏ピース以外のNGハンドサイン⑥:ファックサイン
アニメイト大分、駅ビルに入ってないけど、すぐ近くにあるよ!! #ポプテピピック #覇権DSS pic.twitter.com/Wf1LUgUXsS
— アニメ「ポプテピピック」公式 (@hoshiiro_anime) February 12, 2018
2018年の1月に放送され、アニメファンの間で人気と話題を独占した『ポプテピピック』ですが、作中でモザイクとともに度々登場していたハンドサインが中指を立てて相手を挑発するファックサインです。

わざわざモザイクを出していたように、海外どころか日本で見せてもいい顔はされません。「ファック」という言葉があるように、中指を男性器に見立てており、特にアメリカ人が嫌うハンドサインの種類の一つです。
アニメ『ポプテピピック』公式ツイッター、フォロワーが11万人越えました!ありがとうございます!11万人突破記念のアイコンです!ぜひお使いください。#ポプテピピック pic.twitter.com/rRaYenvtau
— アニメ「ポプテピピック」公式 (@hoshiiro_anime) January 9, 2018
サッカーの試合で審判がファウルを取らない、もしくは明らかな見逃しをするなど納得の出来ない判定をした時にサポーターが抗議の意味で中指を立ててブーイングする時がありますが、当然ながらやってはならない行為です。
LOVEではなくLOSER
裏ピース以外のNGハンドサイン⑦:Lサイン
日本ではあまり馴染みのない種類のハンドサインであるLサインですが、loser(敗者)という意味が込められています。カップルや仲間内でLOVEのLを表現するために使いたい気持ちがあるかもしれませんが、裏ピース同様相手を挑発するハンドサインなので見せてはいけません。

裏ピースのように挑発的な意味が込められている一方で、メキシコでは金持ちという意味を持ったハンドサインなので国が変わるだけで意味が変わるハンドサインの面白さを感じられます。
海外では「女性」を意味しないハンドサイン
裏ピース以外のNGハンドサイン⑧:小指を立てる

主に年配者が使うジェスチャーで、小指を立てると日本では「彼女いるの?」という意味になります。一方、海外ではトイレに行きたい(インド)に無能者を意味する侮辱表現(中国)と全く意味が変わって来ます。

また、欧米の一部の国で男性に向かって小指を立てるとこちらも侮辱表現となってしまうので注意しましょう。日本でも好意的なハンドサインとして取られませんが、海外でもいい意味で取ってくれるところは少ないので見せない方がベターです。
見せていいのは大学の応援だけ
裏ピース以外のNGハンドサイン⑨:ショッカー

主にイギリスで用いられるハンドサインにショッカーというものがあります。親指と薬指を曲げて輪をつくり、残りの指を立てるハンドサインです。ハンドサインのメッセージとしては、人差し指と中指で膣を、小指で肛門を刺激し「ショック」を与えるという意味を持っています。
カレッジバスケットボールの頂点を決めるNCAAトーナメントでファイナル4(準決勝)に進出する大活躍で一躍有名になったウィチタ州立大学は「ショッカーズ」というチーム名が付けられています。ショッカーズという名前にちなんでチームを応援する人間はショッカーを作って応援する事で有名です。

もっとも、肯定的な意味でショッカーを使うのはウィチタ州立のファンと学生だけであり、それ以外では裏ピース以上に強烈な挑発的ハンドサインになるのショッカーズファン以外は見せてはいけません。
中南米以外でも見せてはならないハンドサイン
裏ピース以外のNGハンドサイン⑩:フィグ・サイン

中指と人差し指の間に親指を入れるフィグ・サインと呼ばれるハンドサインがありますが、形を見ても嫌らしい印象を受けるためいい気分はしません。fig(イチジク)という名前からも何となく意味は分かりますが、女性器に挿入された男性器を意味しており、大半の国では日本と同じように嫌がられるハンドサインです。

但し、ブラジルでフィグ・サインは幸運への願望を意味しており、卑猥な意味はありません。勿論、ブラジル人に対して幸運を祈ると安易に見せていい訳でもありませんが、文化の違いで大きく変わる事が非常に興味深いです。
その一方で、フィグ・サインを最も嫌う国がニカラグアとエルサルバドルです。こちらでフィグ・サインはファックサインと同じくらい強い侮辱の意味を持ち、最大の侮蔑表現になります。相手を侮辱するためにわざわざ中南米まで行く人もいませんが、やはり安易に見せるべきハンドサインではありません。
ハンドサインに気を付けて楽しい海外旅行を
@nflstreet4 Teko "Pikari I teach you decent English"
— YM5 (@Yukirhythm) June 27, 2018
Pikari "Decent English?"
Teko "Yes. Fuck the Cowboys" p
Pikari "うぴょ! Fuck the Cowboys!" p
Teko "Good! This is is very decent English and gesture!" pic.twitter.com/fih7Tsw9Xf
今回は裏ピースの意味と、海外でNGなハンドサインの種類をご紹介しました。ハンドサインはたくさんの種類があり、日本でもポジティブな意味で使えるハンドサインがほとんどです。しかし、その一方で大半の国では好意的な意味を持ったハンドサインでも一部ではNGの意味を持っているのも事実です。

裏ピースは長い歴史を持っており、日本で人気のピースサインが裏ピースから生まれたハンドサインという事実も日本ではそれほど知られていない事実です。裏ピースを嫌い、裏ピースNGとなっている国を挙げましたが、日本国内で裏ピースを見せる事自体に何の問題もないため、裏ピースで写真を撮る時に大事なのは一緒に写真を相手と場所を選ぶ事です。

そもそも、自分で見て不快感を感じるハンドサインは大抵海外ではNGで、見せる事自体がありません。裏ピースのように場所と相手を選ぶハンドサインは難しいところですが、海外旅行を楽しむためにはハンドサインの意味を知る事が重要です。ハンドサインの知識を身に着けて、海外旅行を楽しみましょう。