小説の名作といえばこれ!日本文学のおすすめランキングを紹介!

日本の文学作品をあなたはどれくらい読んでいますか?小説を普段読まないという方も一冊読めば次々読みたくなるほど、日本の文学作品は名作揃いです。日本文学のおすすめの名作をランキング形式でご紹介します。短編小説も多くありますので是非読んでみて下さいね。

目次

  1. 文学は面白い!日本の名作小説おすすめランキング
  2. 日本の名作小説おすすめランキング20位:イメージより楽しい!田山花袋作品
  3. 日本の名作小説おすすめランキング19位:不遇の天才作家!中島敦作品
  4. 日本の名作小説おすすめランキング18位:博多の奇才!夢野久作作品
  5. 日本の名作小説おすすめランキング17位:珠玉の小説!梶井基次郎作品
  6. 日本の名作小説おすすめランキング16位:有名作多数!池波正太郎作品
  7. 日本の名作小説おすすめランキング15位:作風さまざま!井伏鱒二作品
  8. 日本の名作小説おすすめランキング14位:多才な作家!坂口安吾作品
  9. 日本の名作小説おすすめランキング13位:緻密な筆致!泉鏡花作品
  10. 日本の名作小説おすすめランキング12位:小説の神様!?志賀直哉作品
  11. 日本の名作小説おすすめランキング11位:希代の推理作家!江戸川乱歩作品
  12. 日本の名作小説おすすめランキング10位:意外とスキャンダラス!島崎藤村作品
  13. 日本の名作小説おすすめランキング9位:耽美の極み!谷崎潤一郎作品
  14. 日本の名作小説おすすめランキング8位:軍医のちに小説家!森鴎外作品
  15. 日本の名作小説おすすめランキング7位:悲劇の闘士!三島由紀夫作品
  16. 日本の名作小説おすすめランキング6位:日本人初のノーベル文学賞!川端康成作品
  17. 日本の名作小説おすすめランキング5位:直木賞唯一の辞退者!山本周五郎作品
  18. 日本の名作小説おすすめランキング4位:生き様も無頼!?太宰治作品
  19. 日本の名作小説おすすめランキング3位:作品に苦悩がにじむ!芥川龍之介作品
  20. 日本の名作小説おすすめランキング2位:リズムを感じる!宮沢賢治作品
  21. 日本の名作小説おすすめランキング1位:日本人に愛されている!夏目漱石作品
  22. 小説が苦手な方にも読んで欲しい日本の名作

文学は面白い!日本の名作小説おすすめランキング

在学中は、教科書に掲載された文学作品のいくつかに触れることがありますが、大人になるとだんだん読書量が減り「そういえば日本文学ってあんまり読んでいないなあ」ということはありませんか?日本には素晴らしい、そして面白い文学作品があるのでもったいないですよ!ぜひこの機会に日本の代表的な作家の小説に触れてみませんか?

日本の名作小説おすすめランキング20位:イメージより楽しい!田山花袋作品

20位:田山花袋「蒲団」

日本の名作小説おすすめランキング20位の作品は「蒲団」です。”ふとん”と読みます。作者は自然主義文学の代表的作家である田山花袋です。自然主義文学とは平たくいうと「自分の経験したことを書く、私小説的な作品」というものです。氏名もタイトルも漢字ということでなんだか難しいイメージを持つ方もいますが、とても面白い作品です。作者自身の片思いが描かれています。

「田舎教師」「生」も人気

その他、田山花袋の小説で人気があるのが「田舎教師」です。一言でいうと田舎教師の紆余曲折の人生を描いた「しんどい」小説です。受験勉強や人間関係の改善に努めている時など「自分のこの努力は報われるのかな?」と考えることが誰にでもありますよね。田舎教師の人生はどんな結末を迎えるのかは是非お読みになって確かめてみて下さいね。

日本の名作小説おすすめランキング19位:不遇の天才作家!中島敦作品

19位:中島敦「山月記」

日本の名作小説おすすめランキング19位の作品は「山月記」です。作者は気管支喘息で33歳でこの世を去り、多くの人に惜しまれた中島敦。「山月記」は詩を愛し、人を苦手とする、今でいう少し「こじらせた人」が主人公。そんな彼が一日に数時間、虎に変化するようになってしまう話です。だんだん虎になってしまう時間が長くなってしまう主人公の命運は?是非お読みください。

「李陵」も人気です

「李陵」は中島敦の死後に発表された小説で、中国の武将からとったタイトルということもあり、日本の作家による文学作品と思っていない方も少なくないとか。内容はタイトル通り中国の名将数名を主軸とした重厚でドラマティックな歴史小説となっています。最近では、人気漫画「キングダム」の主人公に関わる部分があるということで手に取られる方も増えました。

日本の名作小説おすすめランキング18位:博多の奇才!夢野久作作品

18位:夢野久作「ドグラマグラ」

日本の名作小説おすすめランキング18位の作品は「ドグラマグラ」です。作者は幻想文学の巨匠である夢野久作。博多生まれの奇才で、数多くの個性的な作品を残しています。中でも「ドグラマグラ」は日本三大奇書とされています。物語は主人公は精神病棟の一室で目覚め、そこにいた博士から犯罪に巻き込まれたことを告げられるといったところから始まります。

「少女地獄」も人気

夢野久作の小説タイトルの多くは「人間腸詰」「縊死体」など不気味な雰囲気があります。その独特の表現を愛している読者は多いのですが、中でも「少女地獄」のタイトルの不穏さは多くの読者をひきつけています。少女が地獄のような目に合うのかと想像される方が多いのですが、ぜひ本作品の主人公である虚言癖のある看護師の少女がどうなってしまうのか読んでお確かめください。

日本の名作小説おすすめランキング17位:珠玉の小説!梶井基次郎作品

17位:梶井基次郎「レモン」

日本の名作小説おすすめランキング17位の作品は「檸檬」です。作者は若くして肺結核で亡くなった梶井基次郎。夭折されましたがその作品は一つ一つが研鑽された素晴らしいものばかりです。書店に檸檬を置いてくる人が急増するという社会現象にもなった「檸檬」。主人公が作品中で書店(丸善)にどんな思いを抱き、檸檬を置き去りにするのか是非読んでみて下さいね。

「Kの昇天」も人気

いずれの作品も人気がありますが、最近若い女性に特によく読まれているのが「Kの昇天」です。人気男性声優の朗読CD発売がその理由の一つでもあるようです。ストーリーは主人公の療養先の海岸で出会い、仲良くなった「K」が溺死してしまったという手紙を突然受け取ることから始まります。幻想的なこの小説に魅了された方も多く、舞台化もされています。

日本の名作小説おすすめランキング16位:有名作多数!池波正太郎作品

16位:「鬼平犯科帳」池波正太郎

日本の名作小説おすすめランキング16位の作品は「鬼平犯科帳」です。作者は粋なライフスタイルでも知られている池波正太郎。多くの作品が映像化され、小説は未読でもテレビで見たことがあるという方は多いのでは?特に壮年男性に人気のある作品ですが、最近ではアニメ化もされて広く親しまれています。徳川幕府が設置した火付盗賊改方の長官を主人公としたストーリーです。

「剣客商売」も人気

並んで人気の作品が「剣客商売」シリーズです。「鬼平犯科帳」の次に発表されたビッグシリーズで作者の代表作のひとつに数えられます。老剣客を主人公とし、その息子や家族と共に様々な事件を解決していく歴史小説です。また、池波正太郎は随筆作品も人気があり、映画・江戸文化・食などについて綴られています。

日本の名作小説おすすめランキング15位:作風さまざま!井伏鱒二作品

15位:井伏鱒二「山椒魚」

日本の名作小説おすすめランキング15位の作品は「山椒魚」です。作者は信仰芸術派で知られる井伏鱒二です。「山椒魚」は高校の教科書で採用されているので読まれた方も多いのではないでしょうか?この作品の興味深いところは、60年にわたり作者によって改稿され続けているという点です。読み比べたり、意図を考えたりする楽しさも含めた人気のあるユーモラスな作品です。

「駅前旅館」も人気

井伏鱒二作品というと、広島原爆の被ばく者の悲哀を描いた「黒い雨」を思い出す方も多いでしょう。そのイメージで読まれた方が驚かれるような娯楽小説です。ストーリーは駅前旅館で働く自称モテ男の純情恋物語がメイン。また、旅館が栄えていた時代や、旅館という仕事について楽しく学ぶことも。人気作品のため1958年には映画化もしています。

日本の名作小説おすすめランキング14位:多才な作家!坂口安吾作品

14位:坂口安吾「桜の森の満開の下」

日本の名作小説おすすめランキング14位の作品は「桜の森の満開の下」です。作者は無頼派で知られる坂口安吾。さまざまな漫画や小説で「桜の木の下には死体が埋めてあり、だから桜の花びらは血を吸って赤みがあるんだよ」というようなフレーズが使われていますが、その元となった小説です。「これが元ネタだったのか!」と驚かれた方は是非お読みください。

「不連続殺人事件」も人気

坂口安吾は実験的な小説も多く、驚くほどいろいろな作風が見られます。こちらの「不連続殺人事件」も坂口安吾が初めて手掛けた探偵小説でありながら、江戸川乱歩をはじめとした多くの作家・評論家に絶賛された作品です。ユーモラスなタイトル通り、財閥邸で起こる不連続な殺人事件を探偵が解き明かしていくストーリーです。

日本の名作小説おすすめランキング13位:緻密な筆致!泉鏡花作品

13位:泉鏡花「外科室」

日本の名作小説おすすめランキング13位の作品は「外科室」です。作者はロマン主義で知られる泉鏡花。「外科室」は手術の際に頑なに麻酔を拒む伯爵夫人をめぐるラブロマンスが描かれた人気小説で、実写映画も有名です。読者はストーリーの展開に息を飲み、日本語の美しさを堪能することでしょう。

「高野聖」も人気

幻想小説の名作として知られる「高野聖」は泉鏡花を人気作家の地位へ押し上げた作品です。若い僧が旅の途中で出会った妖しい美女の正体とは?という不思議な怪奇小説なのですが、泉鏡花の巧みで繊細な描写により読者は鮮明に情景を思い浮かべることでしょう。

日本の名作小説おすすめランキング12位:小説の神様!?志賀直哉作品

12位:志賀直哉「暗夜行路」

日本の名作小説おすすめランキング12位の作品は「暗夜行路」です。作者は「小説の神様」とあだ名をつけられた志賀直哉です。志賀直哉の作品「小僧の神様」をもじりつけられたこともあり、志賀直哉は嫌がっていたそう。そんな作者の代表的作品「暗夜行路」は自分のルーツや恋愛、結婚で苦悩する青年の話です。ストーリーはもちろん台詞回し、描写の繊細さが評価されています。

「網走まで」も人気

志賀直哉作品はいずれも人気があるのですが「網走まで」は不可解な点があることから後を引き、好きな作品に挙げる方が多い小説です。私小説的で主人公は志賀直哉自身ではないかと言われています。主人公が友人に会いに行くという電車の中で、網走に向かうという若い母親と子どもに出会うことから物語は始まります。さて不可解な点とは何でしょうか?是非読んでお確かめください。

日本の名作小説おすすめランキング11位:希代の推理作家!江戸川乱歩作品

11位:江戸川乱歩「孤島の鬼」

日本の名作小説おすすめランキング11位の作品は「孤島の鬼」です。作者は探偵小説で知られる江戸川乱歩。数ある江戸川作品の中でこの作品を一番好きだと挙げる方は多く、特に女性は同性愛の男性が主人公の男性を愛し続ける描写に涙するとか。このように探偵小説でありながら恋愛小説としても楽しめる作品です。

「人間椅子」も人気

江戸川乱歩作品は猟奇的だったり、性的な歪みを描いた作品が多いのですが、この「人間椅子」はその最たるものでしょう。容姿のせいで女性とまったく縁のない凄腕の椅子職人が、注文を受けた椅子の中に人間が隠れられるような仕組みを作ってしまいます。職人は昼間その椅子に入り込み、座った女性の感触を椅子の皮越しに楽しむようになってしまう……というストーリーです。

日本の名作小説おすすめランキング10位:意外とスキャンダラス!島崎藤村作品

10位:島崎藤村「新生」

日本の名作小説おすすめランキング10位の作品は「新生」です。作者は自然主義文学の島崎藤村。自然主義文学とは作者が直接に体験したことを元に描いた小説を指します。その主義通りこの「新生」は島崎藤村がすでに結婚していながら、兄の娘と関係を持ち、あまつさえ妊娠させてしまったショッキングな事件をベースに書かれています。驚くほどにスキャンダラスな小説です。

「破戒」も人気

「破戒」は主人公が自分の出生の秘密に苦しむストーリーで、過去の日本の暗部といってもいい問題に触れています。ただ、この「破戒」の主人公は島崎藤村自身ではありません。さまざまな体験が反映された島崎藤村の小説には血肉が通った感があり、ときおり身震いがするほど凄みを感じます。

日本の名作小説おすすめランキング9位:耽美の極み!谷崎潤一郎作品

9位:谷崎潤一郎「痴人の愛」

日本の名作小説おすすめランキング9位の作品は「痴人の愛」です。作者は耽美派の代表的作家、谷崎潤一郎。人気の作品で3回ほど映画化もされています。ストーリーは28歳の男性が15歳の女子を見初め、妻候補として育て上げようとするうちに立場が逆転してしまう……という現代の感覚からするとちょっと気持ちが悪いかな?という話です。

ただ、谷崎潤一郎の絢爛豪華な文体と耽美派的表現は若い読者には新鮮にうつり、多くの支持を受けている様子。他の文学作品と等しく、学生向けにイラストカバーの文庫本も出ています。

「卍」も人気

その他の作品にも若いファンが多く、特に「卍」は数年前から女子高生用語で「まじ卍(まんじ)」が流行していることもあり「文学作品でこのタイトル何!?」と興味を持つそうです。「卍」は同性愛と異性愛が入り混じる男女4人の恋愛小説で、タイトルの意味は諸説あります。国内外で5度映像化されている谷崎文学の最高峰とも言える世界的人気作品です。

日本の名作小説おすすめランキング8位:軍医のちに小説家!森鴎外作品

8位:森鴎外「山椒大夫」

日本の名作小説おすすめランキング8位の作品は「山椒大夫」です。作者は陸軍軍医総監を経て小説家になるという、異色の経歴を持つ森鴎外。この「山椒大夫」のベースになっている話「さんせう太夫」は非常に有名なため、安寿と厨子王の名に聞き覚えがあるかもしれません。森鴎外版の「山椒大夫」は元の話を大幅にカットし、ラストも変えてあります。面白いですよ。

「ヰタ・セクスアリス」も人気

書店で「なんて読むの?」と疑問に思い、手にとる方が多いという旧カナを使ったタイトル「ヰタ・セクスアリス」。ちなみにヰはウィと読みます。「ヰタ・セクスアリス」は発表当時は性的であるということで発禁処分となりました。実際には直球ではなく哲学的表現がされていますが、タイトルに引かれて手に取られた方に良い意味で衝撃を与える内容となっています。

日本の名作小説おすすめランキング7位:悲劇の闘士!三島由紀夫作品

7位:三島由紀夫「金閣寺」

日本の名作小説おすすめランキング7位の作品は「金閣寺」です。作者は割腹自殺したことでも知られている三島由紀夫。三島由紀夫の小説はどれも端麗かつ緻密、そして音楽が聞こえてきそうな情緒的な文体で知られています。「金閣寺放火事件」を再構築し、三島独自の人物像の作り込みとアレンジがなされている作品です。

「命売ります」も人気

三島由紀夫の作品はどれも素晴らしく有名なものがほとんどなのですが、最近、三島由紀夫マニアの方にも話題になっているのが「命売ります」というユーモラス小説です。意外と未読の方が多いのです。この「命売ります」は筑摩文庫から発売しています。三島由紀夫の文庫は新潮文庫が多い為、見落とされたのではないかと言われています。

ときおり目利きする書店員の方がプッシュしてくれるため、存在に気づかれる方も。三島由紀夫作品が好きなのに未読という方は是非手にとってみてくださいね。

日本の名作小説おすすめランキング6位:日本人初のノーベル文学賞!川端康成作品

6位:川端康成「雪国」

日本の名作小説おすすめランキング6位の作品は「雪国」です。作者は日本人で初めてノーベル文学賞を受賞した川端康成。中学の時に教科書で読まれた方も多いのではないでしょうか。「雪国」は若い時に読むと「昔の話だな」で終わるものの、ある程度年を重ねてから読むと、日本語の美しさや上品で色っぽい描写などに感銘を覚えるのではないでしょうか。

「伊豆の踊子」も人気

ノーベル文学賞を受賞した「雪国」と並び、川端康成の代表作と言われているのがこの「伊豆の踊子」です。悩みを抱えて少し卑屈になっている青年が旅芸人とその一座の踊子と出会って変わっていくストーリー。とにかく日本語が流麗なため、読者の頭に次々と情景が頭に浮かびます。きっと幸福な読書体験ができますよ。

最近SNSでにわかに話題なのが2016年に発売された「川端康成初恋小説集」です。意外(?)にも色気のある表現が巧みな川端康成の本領発揮といったような恋愛短編小説が数多く収録されています。川端康成が生涯一固執した女性・伊藤初代をモデルとした一連の作品がまとめて読めます。

日本の名作小説おすすめランキング5位:直木賞唯一の辞退者!山本周五郎作品

5位:山本周五郎「樅ノ木は残った」

日本の名作小説おすすめランキング5位の作品は「樅ノ木は残った」です。作者は直木賞などさまざまな賞を辞退したことで有名な山本周五郎。実直で真面目な人柄が表れている作風で、特に中高年に人気がある作家です。代表作「樅ノ木は残った」は史実にある「伊達騒動」を小説化し、舞台化・映像化も多数ある人気の作品です。

「人情裏長屋」も人気

カバーイラストにインパクトがある「人情裏長屋」は数度テレビドラマ化している人気の歴史小説です。短編が11本収録されており、いずれもさすが山本周五郎といった上質の出来です。長屋を舞台にした泣ける話、笑える話、すっとする話などいずれの話も面白く、何度でも読み返したくなること請け合いです。

日本の名作小説おすすめランキング4位:生き様も無頼!?太宰治作品

4位:太宰治「人間失格」

日本の名作小説おすすめランキング4位の作品は「人間失格」です。作者は無頼派の旗手の1人である太宰治。最期は若くして愛人と共に亡くなってしまいますが、多くの名作を残してくれました。その代表作の一つが「人間失格」です。亡くなる一ヶ月前に発表されたこの作品は自伝でようであり、ある意味遺書のようでもあると言われています。

「斜陽」も人気

太宰には世界的に有名な「走れメロス」などもありますが、最近よく読まれている「斜陽」をご紹介します。現在「文豪ストレイドッグス」という漫画の影響から太宰治の生家「斜陽館」を聖地巡礼として訪れる方が急増していますが、その名を冠したこの小説に興味を覚えて読まれているということでした。

日本の名作小説おすすめランキング3位:作品に苦悩がにじむ!芥川龍之介作品

3位:芥川龍之介「羅生門」

日本の名作小説おすすめランキング3位の作品は「羅生門」です。作者は35歳にて亡くなった芥川龍之介。どの作品も評価されていますが、中でも人気なのが中学校の教科書に掲載されている「羅生門」です。平安時代の京都を舞台とし、戦争、災害などで民が飢えて極限状態となる中、主人公が死体の髪を引き抜く老婆に出会うストーリー。

老婆の行動にも、その後の主人公の老婆へのアクションにも多感な時期に衝撃を受けたという方も多く、「トラウマになった教科書作品」として挙げられることも多い「羅生門」ですが、極限に置かれた人間の描写の迫力が忘れられず、大人になってからまた読み直したという声も多数聞かれます。

「蜘蛛の糸」も人気

多くの方が小学校の教科書で、この「蜘蛛の糸」を読むことが、最初の芥川龍之介体験となるようです。芥川龍之介初の児童向けの文学作品なので読みやすい文体で書かれています。生前に泥棒を働いた男が地獄に落ちる話で、数多くの教訓と解釈がある作品です。

日本の名作小説おすすめランキング2位:リズムを感じる!宮沢賢治作品

2位:宮沢賢治「注文の多い料理店」

日本の名作小説おすすめランキング2位の作品は「注文の多い料理店」です。作者は童話を中心に生み出していた宮沢賢治。この「注文の多い料理店」が小学校で一番最初に触れた文学作品だという方も多いでしょう。森に狩りに出かけた青年が道に迷い奇妙な料理店に訪れるというストーリーです。独特のオノマトペとリズムがあるかのようにテンポよく進むのが宮沢作品の特徴です。

「銀河鉄道の夜」「よだかの星」も人気

宮沢賢治の作品は非常にポエティックで美しく、また鉱物や昆虫に造詣が深い作者ならではのリアリティ溢れる繊細な描写もまた魅力の一つです。「銀河鉄道の夜」は少年が2人で旅に出るというストーリーですが、銀河の河原の砂が水晶になっているという描写がとても美しく好きなシーンとして挙げる方も多いようです。

「よだかの星」は教科書にも掲載された、悲しくて美しいストーリーです。見た目が醜いと周囲からいじめられる鳥・ヨダカの苦悩を描いています。宮沢賢治の作品は深読みや解釈が楽しめることも人気の理由の一つですが、この物語についても前述の「銀河鉄道の夜」同様、さまざまな論文が発表されています。

宮沢賢治の作品は童話として子どもの頃に触れることが多いのですが、大人になれば知見が広がって、さらに宮沢賢治の世界が楽しめること請け合いです。一度読んだだけという方にはぜひ再読していただきたいですね。

日本の名作小説おすすめランキング1位:日本人に愛されている!夏目漱石作品

1位:夏目漱石「こころ」

日本の名作小説おすすめランキング1位の作品は「こころ」です。作者は長年教職との二足のわらじを履き続けながら執筆活動をしていた夏目漱石。「こころ」は親友の片思いを卑怯な形で諦めさせてしまった「先生」の悔恨のストーリーです。夏目漱石の作品は簡潔で読みやすいのですが、この「こころ」は特にビギナーでも読みやすいとされています。

「こころ」は男女の三角関係が主題となっていますが、男性同士の関係の濃密さも好きだという読者の方も多くいます。さらに「先生」の妻はあまりにも存在が希薄である点もよく指摘されています。読むたびに感想が変わる作品ではないでしょうか。

「坊ちゃん」「吾輩は猫である」も人気

「こころ」についで人気がある作品が「坊ちゃん」「吾輩は猫である」です。「坊ちゃん」は少し乱暴ですが正義感の強い青年が都会を出て、田舎で教職に就く話、「吾輩は猫である」は猫視点で主人を観察し、人間について考えるという話です。

文学作品はラストが「結局なんなの」という感じでふわっと終わるものが多いのですが、夏目漱石作品はきっちりオチがつくものが多く、そこが日本人好みだと言われています。しかしもちろんオチが気に入らず「あいまいに終わらせてほしかった」という意見もあります。

小説が苦手な方にも読んで欲しい日本の名作

いろいろな作品をご紹介しました。自分の体験を元に書く自然主義文学の作家が多く、世間も驚くような恋愛をしていた作家などもちらほらいましたよね。一方、宮沢賢治のように自分の趣味をちりばめた小説を書く作家ももちろん興味深いです。興味をもった作品があれば、ぜひ手に取ってみて下さいね。

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