太宰治『人間失格』あらすじ&名言まとめ!心の本質を分かりやすく解説!

数々の名作を生んだ太宰治の作品の中で、「人間失格」は漫画や映画化になっている作品です。今回はこの太宰治の「人間失格」のあらすじのまとめ、作品中の名言を解説し太宰治の世界観をまとめました。さらにマンガと映画化作品も紹介していきます。

目次

  1. 太宰治の「人間失格」とは?
  2. 太宰治の「人間失格」のあらすじ
  3. 「人間失格」から分かる心の本質を徹底解説!
  4. 太宰治は「人間失格」で何を伝えたかった?
  5. 太宰治の「人間失格」を原作とした漫画を紹介
  6. 太宰治の「人間失格」は映画化もされている?
  7. 太宰治の「人間失格」名言集20選

太宰治の「人間失格」とは?

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漫画や映画化もされている「人間失格」は、小説家太宰治による中編小説です。「走れメロス」や「斜陽」とともに太宰治の代表作となっています。本作は、太宰治が自殺前に書き上げた小説であり、遺書のような小説と考えられてきました。「人間失格」とはどのようなあらすじなのか、これから解説していきます。

太宰治について

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それではまずあらすじを解説する前に、人間失格の作者である「太宰治」について解説します。太宰治は本名「津島修治」、1909年(明治42年)6月19日ー1948年(昭和23年)6月13日、戦前から戦後にかけて生き、多くの作品を世に出してきました。人間失格の主人公のように、自殺未遂や薬物中毒を克服し、執筆活動をしてきました。

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太宰治は幼少期から家が裕福だったので、不自由ない暮らしを送り、成績優秀。学生時代には、芥川龍之介、菊池寛、志賀直哉、室生犀星などを愛読していました。1928年ころに、小説を応募するが落選、翌年に最初の自殺未遂となります。このころ太宰治は最初の妻になる初代に出会い結婚しますが、銀座のバーで出会ったシメ子と入水自殺を図り、太宰治だけ生き残ります。

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1933年ごろ、太宰治の筆名で創作活動を始め、5年後二度目の結婚をし、「女生徒」「富獄百景」「駆け込み訴へ」「走れメロス」などの短編を発表します。その後、太宰治は歌人の太田静子と再会をし、静子がモデルとなった長編小説「斜陽」が「新潮」に連載されます。また、静子との間には娘が生まれ、認知をします。太宰治は女性関係のもつれが多い人生でした。

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人間失格は、太宰治が喀血し病に冒され静養していたころの作品です。このとき看病していた愛人の山崎富栄という女性が、後に太宰治と無理心中をします。後に分かったことですが、無理心中の際太宰治は入水するのを拒んだ跡があり、死ぬ間際になって生きることへの執着が胸を横切ったと推測されています。こうして太宰治は38年の人生の幕を閉じました。

人間失格という作品について

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太宰治の人間失格は連載最終回の掲載直前の深夜に太宰治が自殺をしたことから、「遺書」のような小説と考えられてきました。あらすじはフィクションでありながらも、どこか太宰治自身の生き様と似ている部分があり、自伝小説のように考えられています。しかし、太宰治本人が亡くなっているのでその真偽は定かではありません。

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太宰治の人間失格は新潮文庫独自の累計で600万部を取り、一大傑作の作品です。太宰治の人間失格は、長い間「勢い任せに書かれた、走り書きのような作品」と言われ続けていましたが、直筆の原稿には太宰治の構想と推敲が練りに練られた苦労の跡が随所に見られていました。

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太宰治の人間失格は現代でも多くの人に読まれ、平成21年には太宰治の生誕100年として映画化されており、マンガ化やアニメ化などもされている作品です。太宰治の人間失格の影響力は大きく、音楽作品や出版では本作が題材となっています。「文学少女」シリーズの第1作では「文学少女と死にたがりの道化」では太宰治の人間失格が題材となっています。

太宰治の「人間失格」のあらすじ

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登場人物

主人公は「大庭葉蔵」、東北の金満家の末っ子で子供のころより気が弱く、人を恐れているがそれを周りに悟られぬよう、わざと道化を演じるようになります。自然と女性を惹きつけるほどの美男子でした。そんな葉蔵の道化を見抜いたのが、中学校の同級生である「竹一」です。葉蔵に対して「女に惚れられる」、「えらい絵描きになる」と2つの予言をしたクラスで最も貧弱な少年です。

葉蔵は画塾に通うようになりますが、そこで出会ったのが遊び上手な「堀木正雄」です。葉蔵に酒、煙草、女、質屋、左翼運動など様々なことを教え、奇妙な交友関係となります。カフェの女給として働いていたのが「ツネ子」で、のちに葉蔵と入水心中して死亡します。どこか周りから孤立しているさびしい雰囲気を持った女性でした。

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「シヅ子」は葉蔵に漫画を描くことを勧めてきた雑誌の記者で、「シゲ子」という一人娘を持つシングルマザーです。夫とは死別しています。葉蔵が通っていたバーの女主人である「マダム」は、女性ながらも義侠心のある人で、転がり込んできた葉蔵を温かく迎え入れてくれます。そのバーの向かいにいるのがタバコ屋の「ヨシ子」でした。純真無垢な信頼の天才です。

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古物商の「ヒラメ(渋田)」は葉蔵の父親の太鼓持ちのような存在でした。葉蔵の身元引受人を頼まれます。目つきがヒラメに似ていて、計算高くおしゃべりな性格の男性です。「私」は、はしがきとあとがきの作者です。先ほどのバーのマダムと知り合いで、小説のネタとして手記と3枚の写真を提供されます。

どのような構成で成り立っている?

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太宰治の人間失格は「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」で構成され、主人公大庭葉蔵の暮らしぶりを告白していくあらすじです。「恥の多い生涯を送って来ました」で始まる第一の手記のあらすじは、幼少期から人とは違った感性を隠すように道化を演じます。自分自身を「気持ち悪い」「自然な表象が出来ない」と自虐が始まり、人や物事から避けるように生きる、そんな葉蔵の視点から描かれています。

arimnmさんの投稿
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人間失格第二の手記のあらすじは、中学時代初めて道化を見抜かれた竹一と出会い、自分は絵描きになりたいと思います。しかし、父親には逆らえず東京の学校へ入学。そこでこっそりと通っていた画塾で出会った悪友の堀木に酒やたばこ、淫売婦を教えられ、自分にとって醜悪とも思えた人間の営みへとのめり込んでいくのです。

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人と社会のしがらみが苦しくなった葉蔵は、カフェで出会ったどこかさびしげな人妻のツネ子と無理心中をします。しかし、自分だけ生き残り自殺ほう助罪に問われ、身元引受人となったヒラメにより釈放されますが、その精神状態は混乱の中にいました。

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人間失格第三の手記のあらすじは罪に問われた葉蔵が学校をやめさせられ、ヒラメの家に世話になりますがすぐに出ていってしまいます。精神が混乱し、憔悴している時出会ったのが、シングルマザーのシズ子でした。シズ子のもとで男めかけのような生活を送りますが、そこにいては二人の親子の生活を壊してしまうと、自分を追い詰め出て行きます。また絶望の淵へと落ちてしまった葉蔵でしたが、バーの向かいのヨシ子と知り合い、結婚して一時の幸せを得るのです。

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そんな幸せの中にいた葉蔵は、堀木と酒を飲みながら語り合っていた時、ヨシ子が出入りの商人に襲われているのを目撃します。その光景を見た葉蔵はあまりの絶望に酒を浴びるように飲み、睡眠薬で自殺未遂を起こすまで堕ちて行きます。その後、命は助かりますが、体は衰弱し、喀血するようになるのです。

弱った体を治そうと薬を求め入った薬屋で「モルヒネ」を渡されますが、じきにモルヒネ中毒となってしまいます。モルヒネ欲しさに、薬屋の奥さんと関係を持ち、付け払いをしているうちに借金は増え、いよいよ自分のしていることに耐えられなくなり、実家に自分の状況を手紙で伝えます。やがて、ヒラメと堀木がやってきて、療養所ではなく脳病院へ連れていかれます。

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そのことで自分は狂人としてレッテルを貼られたと自覚し、「自分はもはや人間を失格したのだ」と確信します。「その後の人生は、不幸も幸福もなくただ時間が過ぎていくだけでした。それが人間の世界で生きるたった一つの心理なのだ。27歳を迎えたが、白髪が増え40歳以上に見られます」というところで語りは終わります。

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人間失格のあとがきでは「私」がマダムと出会い、小説のネタとして葉蔵の手記と写真を見て興味を抱きます。マダムに葉蔵の安否を聞くと、不明であると告げられます。そしてマダムは「葉蔵は神様みたいないい子、お父さんが悪い」と語り、小説は終わります。

作品の世界観

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人間失格は、太宰治の自己陶酔の作品と言えるでしょう。人間失格ののあらすじから解説していくと、葉蔵はお金に不自由なく暮らし、何の苦労もないと周りから見られましたが、性的虐待を受けていたことから、大人になってもそのトラウマが消えず追い詰められていきます。酒、煙草、女、薬へと逃げて行く人生は、後に脳病院へと連れて行かれることになります。

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周りから見れば人間失格とも言えるようなこの人生は、普通ならだれも送りたくはありません。しかし、あとがきでバアのマダムが葉蔵のことを「人間失格である」などとは言わなかったことから、太宰治自身はこのような人生もまたいい、美しいのだと自分自身に向けているような自己陶酔の世界観があると解説できます。

「人間失格」から分かる心の本質を徹底解説!

「人間失格」の意味とは?

人間失格の主人公葉蔵は、他人の気持ちが分からずに人と向き合う術として、道化を演じるようになります。道化を演じている自分と、過去のトラウマから逃げるように、酒、煙草、薬、女におぼれていく人生を歩んでいくというあらすじでした。

幾度も自殺を図り、心はぼろぼろに擦り切れていきます。その結果、脳病院へ連れて行かれ、人間失格の烙印を押されたと自分を評価します。人間失格の意味は、周りからみた主人公自身の人生は「人間失格だ」という評価のことであると解説できるでしょう。

本当に葉蔵は人間失格なのか?

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あとがきでバアのマダムが葉蔵のことを語るとき、けっして人間失格であるというようなことは言いません。自分で人間失格と思い込んでいたことも、他人からみたらそうでもなく見えると言っているように解説できます。酒、女、薬におぼれたことも実は周りの人と一緒なのです。

eeuw_cnzさんの投稿
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人間だれしも弱さを持っている、葉蔵の弱さは葉蔵だけのものではなく、他の人も持っているものと解説できます。そう考えると葉蔵は本当に人間失格なのかを考えさせられる作品です。

太宰治は「人間失格」で何を伝えたかった?

諸説①人間社会への嫌悪感

kanehamaasamiさんの投稿
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葉蔵は、世間への怖れを感じながらも向き合っていくために、道化を演じる人生を送っていきます。人間社会から敗北していきながらも、人の愛情や信頼を探していくあらすじです。そんな葉蔵は第三の手記で、堀木とヒラメに世話になっていますが、この二人は世間の善人という皮をかぶった悪人の本質を持っていることが書かれています。

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2人を解説すると、ケチで偽善、暴力的でエゴイズムを感じさせる人物像です。このような世間の醜さが葉蔵の目を通して、読者に伝わってきます。自分という社会から疎外された人の目を通して、普通の人には見えない人間の隠された悪、社会への嫌悪感を見つけて抱いていくあらすじです。太宰治はこの2人を通して、社会への嫌悪感を読者へと伝えています。

諸説②遺書だったのではないか

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人間失格は1948年5月に太宰治が書き上げ、7月に発行されています。太宰治は1948年の6月に愛人と入水心中して、38歳の若さで亡くなります。死後発行された本作は太宰治の遺書のような作品で、類似点が多いあらすじであることから太宰治の人生を描いた自伝的作品であると解説されています。

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このように人間失格は、太宰治が死ぬ間際に書き上げた最後の作品であったことから遺書と呼ばれています。後から見つかった原稿には太宰治が何度も推敲し、書きなおされた跡などがあったことより、この作品を書き上げることによほどの力を注いでいたと解説できます。太宰治が自分の生き様を書き上げたともいえる作品を、太宰治の遺書だと捉えるのは自然なことですね。

太宰治の「人間失格」を原作とした漫画を紹介

太宰治の人間失格は、漫画になっています。小説を読むのもいいですが、いろいろな作家が描いた人間失格の漫画を読み比べるのもおススメです。小説を読むのが少し苦手という方も、漫画から人間失格を読むのもいいですよ。

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比古地朔弥は男女の性をテーマとしたストーリーを描くことが多く、その絵柄は銀河鉄道999の松本零士の影響を受けた懐かしいタッチが特徴の漫画です。原作に忠実な漫画へのアレンジが見てとられます。漫画から人間失格を読みたいという方におススメです。

人間失格(1) (Bunch comics) [ 古屋兎丸 ]
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古屋兎丸は、多彩な画風と繊細で正確な画を描き、ブラックな作風を得意としている漫画家です。この人間失格は現代版の作品なので、本作とは少し違和感があるかもしれませんが、本質は変わりません。新潮社から2009年~2011年の全3巻で発売されている漫画です。

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伊藤潤二はホラー漫画の執筆を中心としていながらも、お笑いが好きなので笑いの要素も作品中に取り込んでいます。人を恐れていた葉蔵の目には、こんな風に見えていたのではと思わせるような、ホラーの要素たっぷりの作品です。

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二ノ瀬泰徳はエロティックなファンタジー漫画を得意とし、なまめかしい画のタッチが特徴です。この「人間失格 壊」では二ノ瀬氏の大胆なアレンジが垣間見られていますが、人間失格の本筋は捉えています。本作の見どころは、太宰治の苦悩とは別に著者の苦悩も垣間見られます。

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漫画化されても、太宰治の世界観はそれぞれの漫画家によって描かれています。太宰治の世界観を、絵というイメージを通して読むことで、小説をより深く読み解くこともできておススメです。

太宰治の「人間失格」は映画化もされている?

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人間失格は太宰治の生誕100年を記念して、平成21年に映画化を発表され、翌年に映画館にて上映されています。映像化は困難と思われていた本作を、監督の荒戸源次郎がまとめ上げ、主人公の葉蔵を生田斗真が熱演します。

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キャスト

主人公の葉蔵を生田斗真、悪友の堀木を伊勢谷友介、カフェのツネ子を寺島しのぶ、シングルマザーのシズ子を小池栄子、信頼の天才ヨシ子を石原さとみ、ヒラメを石橋蓮司らが演じています。

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坂井真紀、室井滋、森田剛、緒形幹太、麿赤兒、絵沢萠子、大楠道代、三田圭子らも出演している、贅沢な俳優が勢揃いの映画となっています。

小説とは違う見どころ

主人公に葉蔵は、小説では女たちとのかかわり方が非常に濃い作品でありますが、映画では全くの真逆となっています。見るに堪えないほどに堕ちていく人間像も、映画では静かに衰弱していくといったものです。

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原作の葉蔵は、怒りや恐怖が強く読み取れますが、映画の葉蔵はそれらを感じ取るのは難しく、「透明」な雰囲気を持った青年となっています。原作と違った雰囲気で、どのように人間失格を描いているのか映画の見どころとなっています。

太宰治の「人間失格」名言集20選

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「恥の多い生涯を送って来ました。」冒頭に登場する名言で、太宰治は酒、女、賭博、薬、自殺未遂を繰り返す人生を生きてきたことを恥ととらえてきました。「酒、煙草、淫売婦、それは皆、人間恐怖を、たとい一時でも、まぎらす事の出来るずいぶんよい手段である。」人間が恐ろしいと思いながらも、そのことから逃げる手段は随分と人間らしい逃げ方が表れている名言です。

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「(道化は)自分の、人間に対する最後の求愛でした。」葉蔵が道化になったのは、人を避けるためではなく、人を知ろうとした葉蔵の最後の手段だったことが分かる名言です。「人間は、こぶしを固く握りながら笑えるものでは無いのである。」道化として生きてきた葉蔵には、怒りが心の中にあっても表面では笑ってきたが、人にはそれが出来ないということが分かっていました。

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「人間の営みというものが未だに何もわかっていない」幼少期から、好きなものを食べ空腹感を知らずに生きた葉蔵は、食事などの人間の暮らしが理解できず、大人になってもそのことが彼を苦しめました。「人間は、めしを食べなければ死ぬから、そのために働いて、めしを食べなければならぬ」空腹感を知らなかった葉蔵には、このことが分からず、分からない自分を恐ろしいとさえ思っていたことが分かる名言です。

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「いったいに、女は、男よりも快楽を余計に頬張る事が出来るようです」葉蔵がよく女性を観察し、女性の貪欲さを表した名言です。「女が急に泣き出したりした場合、何か甘いものを手渡してやると、それを食べて機嫌を直す」女性の中に、人間の欲を見出している名言です。

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「世間とは個人じゃないか」一般的に言う世間などというものは、本当は個人であり、世間とはありそうでない物と思うようになっていました。それから、少し気持ちが楽になったと書いています。「神に問う。信頼は罪なりや。」妻のヨシ子が、人を疑うことを知らなかったが故に男に襲われ、苦悩している時の名言です。信頼の天才だった妻だったからこそ起きてしまった悲劇に、信頼することは罪なのかと考えてしまったのです。

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「情熱とは、相手の立場を無視することかもしれません。」情熱というのは誰かに反対され、自分のしたいことを押し通すような気持ちを、洞察している名言です。「美しいと感じたものを、そのまま美しく表現しようと努力する甘さ、おろかしさ。」自分の気持ちをそのまま伝えることの、難しさ、恐ろしさが葉蔵にあったことが分かります。

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「弱虫は、幸福をさえ恐れるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷付けられることもあるんです。」幸せはずっとは続かないからこそ、無くなった時に恐れに変わるという気持ちはだれしもが持っているものですよね。「不幸な人は、ひとの不幸にも敏感なものなのだ。」モルヒネ中毒のきっかけとなった薬屋の女主人を見た時の言葉です。不幸な人は不幸なことに合った人しか、わからないというような名言です。

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「女性というものは、休んでからの事と、朝、起きてからの事との間に一つ塵ほどの、つながりをも持たせず、完全の忘却の如く、見事に二つの世界を切断させて生きている。」女性を良く観察している名言です。女性なら誰しも分かる心理ですよね。「(女に)用を言いつけるというのは、決して女をしょげさせることではなくて女は、男に用事をたのまれると喜ぶものだ。」女性の心理を良く知っていると感じさせる名言です。

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「女は(私を)惹きつけて、つっ放す、或いはまた、女は、人のいるところでは自分をさげすみ、邪慳にし、誰もいなくなると、ひしと抱きしめる」女性の衝動的な面を見出しています。「人にものを頼むのに、まず、その人を笑わせるのが上策。」道化として生きてきた葉蔵が手に入れてきた、生きるための力がうかがえます。

「死にたい、死ななければならぬ、生きているのが罪の種なのだ。」太宰治はこのように思っていたことが分かります。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます。」人として堕ちるとこまで堕ちてしまった時、人として生きることの答えのような境地にたどりついた名言です。

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