握力の平均値は男・女・年代別に違う?高校生の平均値はどのくらい?
高校生くらいまでは、毎年スポーツテストで握力を測定していましたよね。握力が低いと様々な病気のリスクが高くなると言われています。自分は平均より高いのか?低いのか?握力がどのくらいあれば良いのかを、男女、年代別の握力の平均値をそれぞれご紹介します。
握力の平均値を年代別に知ろう!

握力の測定は、最大筋力を知る方法として用いられる測定の方法の一つです。握力の低下により、他の筋力の衰えをも考えることができます。スポーツテストのみならず、医療や介護の現場などでも握力測定が活用されています。では握力の平均値は一体どのくらいなのでしょうか?自分は平均以上なのでしょうか?ここでは握力の平均値を年代別にご紹介します。
握力の平均は男女でも大きく変わる

握力の平均値は男女で大きく差があります。成人の男性では約45~50㎏くらいで、成人女性では約25~30㎏です。男性の筋肉は硬く強固なイメージがありますが、筋肉の質そのものは男女差は有りません。筋力絶対値の男女差は、筋の太さであることが証明されています。よって女性は男性と比べて、筋肉量が少なく体脂肪が多いという特徴を示しています。

男女の大きな違いは、ある一定の年代になると男性は筋肉を作る際に欠かせないテストステロンという男性ホルモンの分泌量が、女性の15倍になると言われています。男性はテストステロンが多いので、女性に比べて筋肉がつきやすいのです。男性ホルモンの差が男女の筋量に大きく影響をしているとも言われています。
握力の平均は年齢別でも大きく変わる

全体的に握力の平均値は、大体11歳ころまでは男女共に差はありません。12歳ころから男女差が付き始め、男性は35~39歳をピークに、女性は45~49歳をピークに低下していきます。40代後半になると平均値が下がっていくのは、握力に限らず加齢による筋肉量の減少です。加齢による握力低下はごく自然な現象ですが、男性は30㎏、女性は25㎏を下回ると注意が必要と言われています。
握力の平均値【知ることで役立つこと】

日常生活において握力が弱ってくると困難なことがたくさんあります。例えばペットボトルのキャップが開けられない、洋服のボタンが閉めずらい、買い物袋を長時間持っていられない、フライパンを返せない、ゴミ袋を縛ることができないなどです。握力は日常生活においても必要不可欠です。

年代に関係なく、握力の低下は他の筋力が衰えてきていると考えることができます。高齢者の三人に一人が年に一度、転倒していると言われています。その他でも病気の発症の簡単な検査に、握力を測定する病院もあります。握力の平均値を知ることで、どのようなことに役立つのかをご紹介します。
握力が弱いと認知症発症率が高くなる?

世間では認知症予防には手(指)を動かすと良いと言われています。手を動かすことにより、脳を刺激し、脳の活性化を促進します。また手をよく動かす人は、必然的に握力低下を防いでいます。よって握力が弱いと認知症発症率が高くなるのは言うまでもありません。平均値以下の方は握力を鍛えるようにしましょう。
握力の低下で死亡リスクの増加が判明

病院では、心筋梗塞や脳卒中の発症する可能性を調べるための簡単な検査方法として、握力測定を行っています。握力が5㎏下がるごとに何かの原因による死亡リスクが高まると言われています。カナダのマクマスター大学の研究結果で、握力が5㎏低下することにより、「死因を問わない死亡リスクが16%上昇」「心臓関連死亡リスクが17%上昇」「脳卒中リスクが9%上昇」「心臓発作リスクが7%上昇」と発表されています。
握力は全身の筋力の指標である

西九州大学の高齢者を対象とした研究結果で、握力と相関が高いものとして、「足の指の力」「大腿四頭筋の筋力」「骨格筋力」「片足立ちの保持時間」「上体起こし」「障害物歩行」「6分間の歩行の距離」などが上げられています。筋力の低下は免疫機能低下や血糖値の上昇などにつながります。よって握力と寿命とが深い関係にあると言われていることも納得できます。
日常生活においての握力の目安

握力を知る簡単な目安ですが、ペットボトルのキャップを開けるのが困難だと言う場合は20㎏以下、未開封の瓶のふたを開けにくいと言う場合は30㎏前後だそうです。これはあくまでも目安です。手の大きさなども関係してくるので一概には言えませんが、基準にしてみてもいいかもしれませんね。
握力が平均値以下の人は鍛えるのも有り!

握力が平均値を下回っている人は、日常生活においても、瓶のふたが開かない、ペットボトルのキャップを開けれないなど様々な場面で不自由を感じることになります。また他人の力を借りるなど迷惑を掛けてしまう可能性があります。そうならないためにも握力が平均値以下の人は、簡単に鍛える方法もありますので、握力を鍛えることをおすすめします。
握力の平均値【年代別男性の握力】

上の表は2017年文部科学省が調査した握力の平均値を年代別に記したものです。女性はある一定の年齢に達するとあまり変化が見られませんが、男性は著しく握力の平均値が上がっていき、50歳ころからどんどん下がっていってます。では男性の握力の平均値と特徴を年代別にご紹介します。
握力の平均値<一般男性>

一般男性の握力の握力の平均値は45~50㎏くらいです。最近の研究では握力が弱いと認知症の発症するリスクが握力が、平均な人と比べて2倍以上高くなると言われています。また握力の弱い人は、死亡リスクも高くなると言われています。一般男性では30㎏を切ると要注意です。握力の平均値以下の人は、普段からトレーニングをおすすめします。
握力の平均値<男子小学生>

男子小学生の握力の平均値ですが、1年生から6年生では身体の大きさもかなり違ってきますので、全体の平均値ではなく各学年の平均値を見ます。2017年の文部科学省の調査データでは、小学1年=9.45㎏、2年=11.04㎏、3年=13.12㎏、4年=14.94㎏、5年=17.12㎏、6年=20.26㎏です。小学生は男女の差はそれほどありません。
握力の平均値<男子中学生>

男子中学生の握力の平均値は30~40㎏くらいです。女子の平均値は約25㎏前後です。中学生くらいから男女の差が開いていきます。これは男子は成長ホルモンで筋肉の発達に欠かせない、テストステロンの分泌が盛んになるからです。女性は13歳ころからほとんど変化しません。
握力の平均値<男子高校生>

男子高校生の握力の平均値は約40㎏以上はあります。女子高校生の平均値は約27㎏くらいです。中には高校生男子で握力が60㎏を超える人も多く存在します。体力測定の握力以外は17~19歳がピークなんですが、握力はピークが遅く35~39歳になります。筋肉は男性では39歳ころまで、発達し続けます。これは純粋に筋肉の発達のピークの年齢です。
握力の平均値【成人は高校生の平均を目安に】

男子高校生の握力の平均値は40㎏以上あります。女子高校生の平均値は約27㎏くらいです。握力が男性の場合30㎏以下、女性の場合は25㎏以下になると要注意と言われています。握力を維持できるように、男女共に高校生の平均値を目安にトレーニングをすると良いでしょう。
握力は年齢とともに上がっていき下がっていく

握力は男性は35~39歳、女性は45~49歳をピークに下がっていきます。これはトレーニングを行っていない場合です。握力の衰え=筋肉の衰えで、60代からは急激に筋肉量が減少していきます。意外なことに、男性の方が筋肉が衰えやすい結果が出ています。トレーニングをやり続けることにより、年齢に関係なく、握力を維持し続けることが可能です。
一般な握力は高校生よりも少し高め

一般の握力の平均値は高校生よりも少し高めになります。運動能力自体は高校生頃がピークですが、筋肉量が35~39歳ころまでは増え続けますので、握力も高校生より少し高めになります。色々諸説があり、一般の人の方が鍛えるすべを何等か学ぶ機会が多いからとも言われています。握力だけでなく筋力は鍛えることにより、維持やそれ以上に発達することができますので、トレーニングをすることを是非おすすめします。
握力の鍛え方は?

握力の鍛え方はたくさんあります。最も簡単でポピュラーな鍛え方は、両手を伸ばし力を込めてグーとパーを繰り返すだけのトレーニングです。これを毎日するだけでもかなりな効果は得られます。また道具を使用することによりより一層の効果や、筋肉へのアプローチも違ってきます。色々とご紹介しますので、自分に合ったトレーニングを見つけるための参考にしてくださいね。
握力の鍛え方①ハンドグリッパー

握力を鍛える方法としてハンドグリッパーを思いつく方が多いと思われますが、鍛え方により鍛えられる筋力がそれぞれ違います。ハンドグリッパーで鍛えられる筋力は、クラッシュ力(握ったり、握りつぶしたりする握力)、ホールド力(握り続ける、ようするに握力の持久力)、オープンクラッシュ力(バスケットボールを片手で持つ握力)、ピンチ力(指先でくるみをつぶす)などです。
ハンドグリッパーを使った鍛え方ですが、まず最初にハンドグリッパーの重量を決めます。目安として、女性が30㎏、力の弱めの男性は40㎏、力の強い男性は50㎏くらいです。やり方ですが、左右握力の弱い方から始めます。3~10回ハンドグリッパーを握ります。終わったら休憩を1分、もう片方を同じようにします。そして1分休憩を入れます。この動作を3セット繰り返すようにしましょう。
握力の鍛え方②水中運動

握力を鍛えるために必ずしも道具が必要ではありません。お風呂の中でも簡単に握力を鍛えることが可能です。まず湯舟につかり両手を伸ばしてグーとパーを行います。水の抵抗が負荷となりますので、簡単にできるトレーニングになります。回数は30回、50回と自分で決めて行います。毎日続けるようにするのがポイントです。水中運動は特に初心者の方や女性、年代を問わずにできるおすすめの鍛え方です。
握力の鍛え方③指回し体操
お年寄りなど脳を活性するために行うあの指回し体操です。全部の指をそれぞれに回します。最初は上手くいきませんが、続けていくことでスムーズに回せるようになります。それぞれの指を、こちら側に50回、向こう側に50回をセットとして回します。回数は自分で決めましょう!道具を使いませんので、どこにいてもトレーニングができます。筋力だけで無く指先が器用になると言われています。年代を問わず簡単な鍛え方です。
握力の鍛え方④握りこぶしを回す

器具を使わないでどこでもやれる簡単でシンプルでどのような年代の方にもできる鍛え方です。鍛え方は、力強く力を入れてギュッとこぶしを作ります。そして力を入れたまま手首をクルクルと回転させます。初めは時計回りにそして反時計回りに50回100回と決めて行います。その際に早く回すのではなくゆっくりと回すのがコツです。意外と腕に負荷がかかり、効果が期待できます。
握力の鍛え方⑤パワーボム
握りこぶしを回す握力の鍛え方に、道具を使ってプラス負荷をかける方法です。やり方は至って簡単です。中のボールを最初に回し、全体をつかんでゆっくりと手首を回します。中のボールの回転により負荷がかかり、鍛えられる優れものです。年代、性別に関係なく誰でもテレビを見ながらでも、ちょっとした合間に簡単に楽しく握力を鍛えられる道具です。あなたも試してみてはいかがでしょうか?
握力の鍛え方⑥両手フィンガーフック

両手の指を上の写真のように内側に折り、両手の手のひらが互いに向き合うようにし、左右の手の指を引っかけるようにします。そして両手を力強く外へと引っ張ります。外側に引っ張られる力に抵抗する感じで指に力を入れます。これをゆっくりと繰り返すだけで握力UPに繋がります。年代を問わず簡単でシンプルな鍛え方ですので、ちょっとした時間の合間にやってみましょう!
握力の鍛え方⑦指立て伏せ

色々なトレーニングで指を強化出来たら、指立て伏せに挑戦してみましょう!鍛え方は腕立て伏せと同じです。難しい場合は膝をついても良いです。両腕は肩幅で5本の指を立ててカラダを支えます。指は第一関節のみが床に付くようにします。ゆっくりと腕を曲げていき肘が胸の辺りに来るようにします。そしてゆっくりと元の位置に戻します。決して無理をしないようにしましょう!
握力の鍛え方⑧トレーニング頻度

握力と言っても筋トレです。ではトレーニングの頻度ですが、握力は小さな筋肉ですので、毎日行う方が良いそうです。道具を使わないトレーニングでしたら簡単にできますので、通勤電車の中やお昼の休憩時間などをを利用するのも良いですね。

握力の平均値【おまけ知識】
リンゴを握りつぶすために必要な握力は?

握力を鍛え力が付いてくると、リンゴを片手でつぶしてみようかな?なんて思うこともあるかもしれません。ではリンゴをつぶすためにはどれくらいの握力が必要なのでしょうか?それは約80㎏と言われています。それくらい握力があるとグシャッと握りつぶせるそうです。
コツをつかめば65㎏の握力の人もリンゴをつぶすのが可能だそうです。例えば、指の腹を使って押しつぶしたり、手首のグリップを使って手首をひねりながら握りつぶしたりです。その際に親指をリンゴのヘタに差し込むように持つことがコツです。一度試してみてはいかがでしょうか?
気になるゴリラの握力の平均値は?

人間の握力の最高値は192㎏でスウェーデン人のマグナス・サミュエルソンさんの記録です。では気になるゴリラの握力の平均値は400~500㎏と推測されています。ゴリラはリンゴを押しつぶすどころか簡単に割りながら食しています。人間の一般の男性の握力の平均値の10倍もの握力があります。ゴリラと握手をしようものなら、よほどゴリラに手加減をしてもらう必要がありますよね。

ちなみにチンパンジーの握力の平均値は200~300㎏と推定されています。一部の情報では激怒したチンパンジーのメスの握力が572㎏になったと言われています。チンパンジーの握力やそれ以外の筋力がすごいのかは人間よりも、筋繊維が長いからと言われています。

ゴリラやチンパンジーは握力を含め筋力が衰えないように毎日トレーニングをしているわけではなく、増してやどちらかと言えば、のんびりと穏やかに過ごしています。トレーニングを毎日欠かさず、必死に頑張っている人から見れば、とてもうらやましい限りです。
放っておくと年々衰える握力

60歳を過ぎると急激に握力を始め筋肉量が減少していきます。放っておくと、どんどんと衰えていきます。筋肉はトレーニングをすることにより、高齢であっても肥大します。私達が健康に生きていくために、筋力は非常に大事です。余談ですが人の筋肉は約70%が下半身に集中しています。高齢者で歩けなくなるなど、筋肉の急激な筋肉の衰えが原因です。

握力を維持(平均値以上)できている人は、何等か体を動かしています。そのために他の筋力の低下を防ぐにつながっています。平均値以上になるように、若い今のうちから色々なことを意識をし、無理のないように楽しく、握力強化トレーニングを日課にするようにしましょう!