ナスの栄養成分について!効能からおすすめの調理法もご紹介!
夏野菜や家庭菜園の定番と言われるナスは、栄養が無いと言われていますがそれは大間違いです。今回はナスの栄養についてや、それらを活かすおすすめの調理法やレシピについてご紹介します。相性のいい食材についても紹介しますので献立の参考にしてくださいね。
ナスの栄養について知りたい!

夏野菜や家庭菜園の定番と言われるナスは、その美しい紫色を活かした漬物や、様々な味付けの野菜炒めなど多くの調理方法で親しまれています。今回はナスの栄養についてご紹介します。ナスはその実のほとんどが水分である事から、ナス自体には栄養は全く無いと思われがちです。ですが、ナスには健康や美容に効果のある栄養成分が含まれています。ナスは隠れた有能な野菜です。
ナスとは

ナス科の植物で、「成す」「為す」という音から、また、「一富士二鷹三なすび」が縁起のいい初夢とされているように縁起物として扱われています。家庭菜園でも、きゅうりやトマトなどと一緒に栽培されることが多く、育てやすい野菜です。食品としてのナスは、元々淡白な味の馴染み深い夏野菜とも言えるでしょう。様々な調理法や食材と合わせられることが多いです。
ナスに栄養がないってホント?

ナスに栄養がないなどと言うのは、全くの大嘘です。確かに他の野菜からしてナスはビタミン、ミネラルなどの栄養成分が比較的少ないのですが、体内の過剰なナトリウムの排泄をしてくれるカリウムやポリフェノールのナスニン、肝臓の働きを元気にするコリンなどの栄養素が豊富な食品です。
ナスの栄養成分

ナスの栄養成分は主には水と食物繊維ですが、その他にも抗酸化物質の除去をしてくれるナスニンと、塩分の排出を促してくれるカリウムが含まれています。栄養成分、特にナスニンは皮にこそ多く含まれていますので、皮もちゃんと食べるようにしましょう。
ナスの栄養成分①ナスニン
これは……ナスニンでいいかな。 pic.twitter.com/G4R3RrJFBK
— 1123 (@1123sodium) October 15, 2016
ナスの栄養成分としてまずあげられるのがアントシアニンの一種のナスニンです。アントシアニンであまり馴染みのない人にはポリフェノール、といった方が分かりやすいかもしれません。ナスの皮の紫色はこのナスニンによるもので、ナスの皮に多く含まれています。他のポリフェノールと同じく抗酸化作用があり、酸化によって引き起こされる老化を抑制できる効能があります。
ナスの栄養成分②カリウム
7月20日の誕生花は「ナス」
— Masaru Sato (@otasasam) July 19, 2012
花言葉は「よい語らい」。体の熱を取ってくれる作用があるので、暑い夏には、うってつけ。ほかにもカリウムを含み、活性酸素の排出に役立つので、がんの予防や老化の緩和に効果ありと言われています。 pic.twitter.com/1ad2UlOL
次にあげられるナスの主な栄養成分は体内のナトリウムの排泄を助けてくれるカリウムです。カリウムは体内の熱を放出する効能もあります。「秋茄子は嫁に食わすな」は、おいしいナスを嫁に食べさせたくない姑の意地悪として浸透していますが、子どもを産まないといけない嫁が体を冷やす事を懸念しての言葉とも言われています。
ナスの栄養成分③コリン
【ナスに含まれる栄養とは】
— ナスケン|農画家 (@maruhonasu) August 21, 2018
ナスには「コリン」という栄養素が含まれています。そして胃液の分泌を促進させる効果によって夏場の食欲不振解消に役立つと言われています。コリンという名だけあって血管を拡張させて血圧を下げる「アセチルコリン」の材料になるので、高血圧を予防する効果アリですよ。 pic.twitter.com/RB41oDEkQn
ナスにはコリンといわれる栄養成分が含まれていて、胃液の分泌を促進する事で、肝臓を元気にする効能があります。コリンは他にも、体内でレシチンという細胞の膜になる成分やアセチルコリンという血管を広げる機能のある成分に変わることで、血圧やコレステロールを下げてくれる効能もあります。
ナスの皮に栄養分はある?
というわけでまとめ!
— バスターミナル【公式】@酵素入浴剤のプロ (@bathterminal) May 16, 2018
①ナスの栄養は抗酸化成分「ナスニン」
②ナスニンは皮に含まれ、水溶性。
③皮はむかずに食べると◎
④茹でたらお湯ごと食べる!
…が、栄養面から見たナスのおすすめの食べ方です。
あーナスが食べたくなってきた。
ちなみに中の人1の好きなナス料理は「漬物」です。 pic.twitter.com/6XRjly6UAV
ナスの皮には、先に紹介したナスニンが多く含まれます。ナスの皮の紫色は、ナスニンによるものなので、皮の全てかほとんどをむいてしまう料理法はナスニンの摂取にはあまり適切とはいえません。ナスは加熱すると色が褪めてしまいますが、ナスニンは加熱に強い、水溶性の栄養成分です。加熱したナスからも問題なく摂取できます。
ナスの効能

ナスは隠れた力のある野菜で、先の栄養成分を摂る事で様々な効能が期待できます。夏を元気に乗り切る他に、動脈硬化や脳卒中などの生活習慣病の予防にも役立ちます。さらに、目を酷使する環境においては眼精疲労の回復の効能もあります。
ナスの効能①夏バテ解消

カリウムの効能により体内の熱を放出してくれ、水分も多く含む野菜であるため、夏バテ予防、解消が効能としてあります。漬物などであっさりと食べることができ、コリンという成分が肝臓機能を高めてくれるので、既に夏バテになってしまった時にも効果的です。食事は大事なエネルギー源なので、食欲が無くてもしっかり食べましょう。
ナスの効能②生活習慣を予防

ナスニンが活性酸素を除去してくれる事により、動脈硬化や脳梗塞を予防する効能があります。同様の理由で、がん予防の効能があるという説もあります。ただし、取りすぎは①の説明にもある通り体を冷やすので注意してくださいね。
ナスの効能③眼精疲労にも効果的

他のアントシアニン色素系のポリフェノールと同じく、ナスニンにも眼精疲労を回復する効果があります。目の奥の疲れた細胞を早く直す効能があるため長時間のパソコンや書類の作業があった時には食卓にナスを加えてみましょう。
ナスの選び方

売り場に並んでいるナスは、農家の人が一所懸命に育て、厳しい審査をパスした有能なナスたちです。その中でもおいしい、新鮮なナスを選びたいですよね。選び方のポイントはヘタと実です。見た目と手に持った感覚で選びましょう。
ヘタのとげがピンとしているか

家庭菜園をする方は知っているかもしれませんが、できたて新鮮なナスは、ヘタのとげ部分がピンとして触ってみると、痛みを感じます。うっかり手を刺さないよう注意しましょう。切り口が瑞々しいのも特徴です。また、そのさかい目の実が白いのは、ただ未熟なのではなく、新しく成長したばかりのやわらかな部分です。
実はキレイでハリがあるか

実がきれいなナスは新鮮です。具体的には傷や傷みがなく、ハリのある実を撰ぶといいでしょう。後は、ナスの特徴の紫色が濃く、尚且つ持ったときに重みのあるものが瑞々しくおいしいナスです。ずんぐりと太ったものだとよりいいでしょう。ごくたまにナスを指で押す人がいますが、力加減を間違うと、折角市場に出る権利を得たナスを傷めてしまいますので目で視て調べましょう。
ナスの栄養分を活かす調理法

折角こだわってナスを選んだので、調理法にもこだわっておいしく食べたいですね。その栄養を活かせる調理法はもちろん、夏と冬では食べたい料理は変わってくるので、それに合わせた調理法をとるといいでしょう。料理が得意な人であれば、夏に使ったレシピを冬仕様にアレンジして、食卓に出すのもいいですね。
ナスの皮の栄養を活かす調理法

皮にポリフェノールのナスニンが含まれているので、それを活かすには皮ごと食べられる調理法がおすすめです。ナスニンは加熱にも強い成分であるため、皮を一緒に食す調理法であれば摂取できます。カリウムも加熱に強い成分なので加熱しても問題はありません。

ただし、ナスニンもカリウムも水に溶けだしやすい成分なので、味噌汁などの汁物や、揚げ物や炒め物などの油を使った料理がおすすめです。アクと言われているのはナスニンなので、アク抜きしただけナスニンが溶けだしてしまっています。アク抜きはさっと済ませましょう。
夏におすすめの調理法

夏の大敵は夏バテなので、漬物やマリネなどあっさり食べられるものがおすすめです。ナスはみそ汁の具や炒め物の具などに使われることが多いですが、ミートソースにしてパスタに絡めてもおいしいです。レンジでの手軽な調理法もありますので、夏にキッチンに立ちたくないという方にはそれもおすすめです。
冬におすすめの調理法
冬は煮込み料理、味の濃い料理が食べたい人も多いでしょう。夏におすすめの調理法で紹介したものの内、煮びたしやミートソースが流用できますので、色々アレンジをして食卓に出すといいでしょう。また、ナスは同じナス科のトマトとの相性がいいので、ラタトゥイユなど、トマトを使った煮込み料理もおすすめです。

ナスの栄養価を高める食べ合わせ

私達人間が一人でできる事が限られているのと同じように、ナスの栄養素を最大限に活かすには、他の食材の助けを借りる必要があります。他の食材にしても同様です。食べ合わせと聞くと食べてはいけない組み合わせを連想する人もいますが、今回は一緒に食べた方がいい食べ合わせをいくつか紹介します。相性のいい組み合わせでおいしく料理して、健康な体を目指しましょう。
ナスの栄養価を高める食べ合わせ①大豆を合わせて元気な体に

「畑の肉」という別名を持つ大豆には葉酸や銅、鉄分など、血を増やす成分が多く含まれています。ナスに含まれるナスニンなどのポリフェノールには、血液をサラサラにし、血管をしなやかに保ってくれる抗酸化作用があります。これにより全身に血が巡るようになり、さらに大豆に含まれる大豆ペプチドに疲労回復効果があるので、元気に過ごしたい人にはおすすめです。
ナスの栄養価を高める食べ合わせ②にんじんと合わせて肌美人に!

「ビタミンAの宝庫」と言われているにんじんには抗酸化作用のあるクマリン、β-カロテン、ビタミンEが含まれています。ポリフェノールの一種であるクマリンは血液をサラサラにしてくれる効能もありますので、血行も良くなり、肌の細胞も元気になります。
【野菜の栄養を最大限に!】
— 今井太郎@漢方の後楽堂(東京) (@kanpokourakudo) October 24, 2017
ニンジン☘️ナス
しっかり洗って皮のままカット!皮には抗酸化成分が豊富で緑黄色野菜に含まれるβカロテンは油と一緒に取ると吸収率がぐんと高まり、コーティング効果で栄養の流出を防ぎます。 pic.twitter.com/rOFivxTRLR
β-カロテンはビタミンAの元になる成分でビタミンAは肌の新陳代謝を良くしてくれます。ナスだけに頼ることなく抗酸化作用のあるポリフェノールを摂る事ができ、血行が良くなるので美肌効果、アンチエイジング効果が期待できます。
ナスの栄養価を高める食べ合わせ③トマトと合わせてダイエットに

トマトは「赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。その赤色の主成分はリコピンという成分で、これが成長ホルモンの分泌を高めるので、基礎代謝を上げる効果があります。ここにナスなどに含まれる抗酸化作用のある成分が合わさると、血行が良くなり、その効果はさらに上がります。
フィニッシュはナスとトマトのパスタ。 食べ過ぎたけど、美味しかった~ カシスの水割りもおいしい~ pic.twitter.com/w3PERIp695
— ちー (@Anplug21) April 7, 2017
もっと嬉しい事に、13-oxo-ODAというトマトに含まれる脂肪酸が脂肪燃焼を助けてくれます。ただし先に書いた通り、トマトとナスは味の相性もよくおいしい煮込み料理にも向いています。くれぐれも食べ過ぎないように注意してくださいね。
ナスのおすすめレシピ

ナスの旬は7~8月ですが様々な調理法に向いている食材でもあるため、季節を問わず楽しむ事ができます。ナスには抗酸化成分であるナスニンの他、塩分を排出してくれるカリウムや、肝臓の働きを助けてくれるコリンなど様々な栄養素が豊富です。それらの栄養成分は、皮に多く含まれていますので皮はなるべくむかずに調理してくださいね。

ナスと選んだ食材たちに一緒に体を健康にしてもらうには料理するレシピが重要です。レシピや組み合わせが上手くできていないと、せっかくの食材たちもその力や味を発揮できずじまいになります。レシピにこだわって、美味しくかつ効果的にいただきましょう。
ナスときゅうりの和え物

ナスときゅうりは夏野菜の定番です。夏の家庭菜園で採れる人もいるのではないでしょうか? それらとスタミナをつける事のできる鶏肉を使って、さっぱりとした和え物にするのもいいでしょう。
材料はナスときゅうりが150gずつ、鶏もも肉は100g準備します。ソース用として、しょうがのすりおろしが2カケ分、醤油が大さじ2、すりゴマ小さじ2を用意し、その他にも酒が大さじ1、ごま油が小さじ2、粉末のレッドペッパーです。

ポイントは炒める順番です。まず火をつけていないフライパンにナスを入れ、ごま油をしっかり絡めてから火をつけ、火を通してから鶏肉、きゅうりの順番で炒めます。
ナスのマリネ

焼いて和えるだけの簡単なレシピです。作り置きもできますが、その際は煮沸などをした清潔な入れ物を保存容器に使いましょう。取る箸なども直箸は避けた方が無難でしょう。
材料は、ナスの他には、ビタミンCが豊富なパプリカや、悪玉コレステロールを抑えるキノコがおすすめです。付込む合わせ調味料は、醤油を大さじ1、酢を小さじ1、すりおろしショウガを大さじ1/2、塩を少々で作ります。しっかり和えてから15分なじませるのがポイントです。
ナスの煮びたし

ナスの煮びたしはナスをそのまま楽しめる調理法です。薬味を入れると見た目にも味にもアクセントが加わって、単体でもおいしくいただけます。
材料はナス3本、サラダ油大さじ1、醤油大さじ2、酢大さじ1、鰹節2.5gを用意します。ポイントは、味が絡みやすいように隠し包丁を入れ、しっかり油を絡めることです。1日なじませるのも大事なポイントです。好みで刻んだネギを添えて完成です。
ナスのミートソース

ナスを沢山使った、子供でも食べやすいミートソースの作り方です。休みの日に1週間分を作っておいて、パスタからラザニア、グラタンと使いまわす事ができます。
材料は、ナス、玉ねぎ、にんじん、オリーブオイル、ニンニク、豚挽き肉、塩コショウ、ケチャップ、カットトマト缶、砂糖、顆粒コンソメ、水溶き片栗粉です。おいしくするポイントは10分しっかり煮る事です。残ったら別の料理に使ってもいいでしょう。

冷凍保存する時は、冷ましてからチャック付きの食品保存向けの袋に入れて、平らにした状態で金属バットに並べて冷凍します。解凍の際は鍋に水を張った中に入れ、湯せんすると失敗なく解凍できます。
ナスのラタトゥイユ

夏野菜をたっぷり使ったラタトゥイユです。野菜のおいしさが煮汁に出ていますので、残さずいただきましょう。炒めて煮込むだけの簡単レシピです。冷製にしてもおいしいそうなので、暑い日でもおいしく食べられますね。
材料は、ナス1本、トマト2個、ズッキーニ1/2本、玉ねぎ1/4個、パプリカ1/2個、ニンニク1カケ、オリーブオイル大さじ1、塩コショウ少々、白ワイン大さじ2、ローリエ1枚です。ここでも煮込み時間を守るのは大切です。野菜は好みで入れる量を調整してもいいでしょう。
ギリシャ料理ムサカ

最後はギリシャ料理の定番ムサカです。ミートソースは先のレシピで作ったものを使いまわししてもいいでしょう。ジャガイモにもビタミンCは豊富に含まれていて、尚且つ満足感を得る事ができます。友達が来た時の料理にも、持ちよりパーティーに持っていくのもいいですね。
材料は、焼くときのチーズの他に、具材として長ナス2本、ジャガイモ3個です。更にミートソースの材料として玉ねぎ1個、ニンニク1カケ、オリーブオイル、ひき肉250g、ローリエ1枚、トマト缶1缶を用意します。

ペシャメルソースをバター30gと薄力粉30gと牛乳300ccの基本の材料の他に、粉チーズ大さじ1、卵黄1個分と山椒、塩コショウで作ります。牛乳は一気に入れるとだまになりやすいので、ゆっくり少しずつ入れる事を心がけ、材料が均一に混ざるように注意して作りましょう。
