牡蠣は妊婦が食べても大丈夫?食中毒になったら?生食はダメ?
妊娠中に牡蠣を食べてもよいのか疑問に思う妊婦さんはたくさんいます。栄養価が高く、とっても美味しい牡蠣は、妊娠中も食べたいですが、食中毒が心配だという方も多いです。そこで今回は、妊婦さんが牡蠣を食べても大丈夫かどうかについて特集します。
目次
牡蠣は妊婦が食べても大丈夫かご紹介!
牡蠣は今大人気の食材で、牡蠣好きの人が多く、牡蠣を専門にだすようなグルメ店もたくさん増えました。牡蠣は生牡蠣や焼き牡蠣以外にも、牡蠣フライや牡蠣パスタなど、さまざまな料理で使われ、美味しいだけでなく、栄養価も高い食材です。今では、時期によって、日本中のさまざまな地域で採れる牡蠣が楽しめるお店も多く、食事メニューとして年中おいしい牡蠣が楽しめるようになりました。

栄養価が高く、とっても美味しい牡蠣ですが、牡蠣好きの女性にとっては、妊婦さんになっても牡蠣を食べたいと思う方も多いでしょう。しかし、牡蠣はあたりやすいからと妊婦さんが食べていいのか疑問視する方も多いです。そこで今回は、妊婦さんは牡蠣を食べてもいいのかを特集します。牡蠣好きの妊婦さんには必見の情報ですので、妊婦さんで牡蠣を食べていいのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。


牡蠣の栄養素
牡蠣は「海のミルク」と呼ばれ、完全栄養食品と言えるほど栄養価が高い食材です。しかも、栄養価が高いのに低カロリーで、さまざまな料理で楽しむこともでき、さらに美味しいという、魅力がいっぱいの食品と言えます。牡蠣にはどんな栄養素が入っているのかは、知らない方も多いですが、牡蠣には妊婦さんにとっても現代人にとっても嬉しい栄養素がたくさん入っていますので、そんな牡蠣の栄養素について説明します。

牡蠣は亜鉛が多いことで知られ、亜鉛の含有量はあらゆる食品の中でも随一と言われています。しかし、牡蠣に含まれる栄養素は、亜鉛だけではありません。必須アミノ酸やビタミンB1、B2、B12、そして、ミネラルやグリコーゲン、タウリン、カルシウムなど、妊婦さんにも嬉しい栄養素がたくさん含まれています。

栄養価が高い食品として知られているうなぎと比べても、鉄分はうなぎの約2倍、ビタミンB12はうなぎの約10倍、亜鉛はうなぎの約7倍含まれています。それに対し、カロリーをみてみると、うなぎの5分の1しかなく、妊婦さんにとっても現代人にとっては嬉しい食品です。他の食品ではなかなか摂取できないような栄養素も多く、この点でも、妊婦さんにとっては栄養がとりやすい食品と言えます。

牡蠣に含まれるこれらの豊富な栄養素は、健康増進に効果があるものが多く、疲労回復や免疫力アップに効果があるとされています。さらに、女性に嬉しい美肌効果もあり、動脈硬化や心臓病など、現代人が悩まされる生活習慣病の予防効果も期待できると言われています。妊婦さんにとっても嬉しい栄養素がたくさん入っている食品だからこそ、妊婦さんが食事で牡蠣を食べていいのかは、とっても気になるところです。


牡蠣の【生】は妊婦が食べてもいい?
生牡蠣は食中毒の不安があり、妊婦さんが食事で生牡蠣を食べてもいいのかと疑問に思う方は多いです。妊婦さんは安全に健康な赤ちゃんを生むために、食事にはとても気をつけるものなので、食中毒の不安がある生牡蠣は、食べてもいいのかと気にする方や、食事には取り入れていないという方も多いでしょう。そこで、妊婦さんは生牡蠣を食べてもいいのかを説明します。

生牡蠣には、食中毒の原因にもなるノロウイルスを多く含んでいる場合があります。ノロウイルスは、食中毒の中でも嘔吐や下痢など強い症状を引き起こす危険なウイルスで、生牡蠣を食べることで妊婦さんだけでなく誰でも食中毒になる可能性があります。ノロウイルスは、加熱することで死滅するウイルスですが、生牡蠣はもちろん加熱せず生で食べるため、食中毒の危険を考え、妊婦さんは生牡蠣を避けたほうが良いと言われています。

さらに、一般的に食べられる、ホタテやアサリなどの2枚貝にも、生牡蠣と同じようにノロウイルスが含まれています。そのため、妊婦さんが貝類を食事で食べるときには、生ではなく、加熱調理して食べることをおすすめします。ただし、生牡蠣であっても、ノロウイルスに必ず感染するわけではないですし、牡蠣自体が妊婦さんに悪い影響を及ぼす食品というわけではありません。

もし、妊婦さんがすでに生牡蠣を食べてしまった場合、数日時間がたっていれば心配することはありません。ノロウイルスによる食中毒は、食事などでノロウイルスが体内に入った場合、24~48時間ほどで症状が出ます。妊婦さんが生牡蠣を食べたからといって、必ずしも食中毒になるものではないので、数日時間がたって症状がなければ、その妊婦さんはノロウイルスによる食中毒にはかかっていないということです。


牡蠣の【焼き】は妊婦が食べてもいい?
生牡蠣による食中毒の危険があることをお話しましたが、そうなると、妊婦さんは加熱した牡蠣なら食事で食べていいのか疑問になります。ノロウイルスは加熱調理することでウイルスが死滅するため、基本的には加熱すれば、妊婦さんでも食事で牡蠣を食べてもいいと言われています。牡蠣好きの妊婦さんなら、牡蠣を食べるときには、焼き牡蠣や加熱調理された牡蠣料理を楽しみましょう。

ただし、妊婦さんが加熱した牡蠣を食べるときには、いくつか注意しなければいけないことがあります。まずは、しっかりと加熱された牡蠣を食べることです。食事で焼き牡蠣を食べるとき、少し生の部分が残っている方が美味しく食べることができ、お店で食事するときには、焼き牡蠣でも十分に加熱されていない場合もあります。そのため、しっかりと加熱調理されているようなメニューのほうがおすすめです。

さらに、牡蠣は、ノロウイルス以外にも貝毒という天然の毒を持っている場合があります。貝毒は、ノロウイルスと違い、加熱しても無毒化はしません。貝毒は食中毒の症状を起こすので、妊婦さんにとっても危険です。スーパーなどで販売されている牡蠣は、貝毒の検査がしっかりとされているので、妊婦さんが牡蠣を購入するときには、信頼できるお店で購入するのがおすすめです。

そして、たとえしっかりと加熱調理した牡蠣であっても、妊婦さんの場合、食べ過ぎには注意しましょう。牡蠣はさまざまな栄養素がたっぷりと含まれた食品です。そのため、一気にたくさん牡蠣を食べると、妊婦さんにとって栄養の過剰摂取になり、体に悪い影響を与えることもあります。妊婦さんは、どんな食材でも食べ過ぎや偏りは良くないので、バランスよくいろいろな食事を摂ることが大切です。


牡蠣を妊婦が食べた時の効果
妊婦さんが食事で牡蠣を食べてもいいかというお話で、牡蠣による食中毒の危険について説明しましたが、牡蠣を妊婦さんの食事に取り入れることで、とっても良いこともあります。しっかりと加熱すれば、妊婦さんでも牡蠣は食べてもいいと説明しましたが、牡蠣は栄養面で言えば、妊婦さんにとっても大切な栄養素がたくさん入った便利な食品です。そのため、妊婦さんが牡蠣を食べることで得られる効果についてお話します。

まず、妊婦さんは妊娠中に貧血になる方が多いですが、牡蠣には鉄分が多く含まれていて、貧血の妊婦さんにとっては嬉しい食品です。牡蠣の鉄分はうなぎの約2倍の含有量があり、鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類がありますが、牡蠣に含まれる鉄分は、人の体に吸収されやすいヘム鉄です。そのため、貧血で悩まされている妊婦さんや、貧血予防に鉄分を摂取したいという妊婦さんには、とっても嬉しい食品と言えます。

また、牡蠣には、妊婦さんにとって大切になるカルシウムもたくさん含まれています。妊婦さんがカルシウムをたくさん摂取することで、お腹の中の赤ちゃんの骨や歯の形成に役立ちます。妊婦さんにとって、赤ちゃんが元気に成長するためにはカルシウムも大切な栄養素のひとつです。そして、牡蠣に多く含まれる亜鉛は免疫力を高め、免疫力が低下しやすい妊婦さんも、風邪予防などになります。

妊婦さんになると、葉酸をしっかり摂取するようにと言われますが、牡蠣には妊婦さんにとって大切な葉酸もたくさん入っています。葉酸はどんな食品から摂取すればよいのか悩んでいる妊婦さんには嬉しい食品です。また、ビタミン類やミネラルも豊富なので、食中毒の危険さえ回避すれば、牡蠣は妊婦さんにとって大切な栄養素がたくさん入った便利な食品と言えます。

牡蠣を妊婦が食べる時の注意点
妊婦さんは食中毒さえ気をつけて食べれば、牡蠣を食べてもいいというお話をしましたが、牡蠣を食べるときには、赤ちゃんに悪い影響がでないよう、安全に食べることが大切です。牡蠣は、しっかりと加熱して食べることが大切ですが、その他にも、購入するときには信頼できるお店で購入し、ノロウイルスや貝毒の危険を回避できるような、安全性の高い牡蠣を選ぶようにしましょう。
また、お店で牡蠣を食べる場合には、牡蠣メニューの中でも、しっかりと加熱されているメニューを選択することも大切です。そして何より、牡蠣好きの妊婦さんはたくさん牡蠣を食べたいと思いますが、一気にたくさんの牡蠣を食べることで、栄養を取りすぎてしまうことがあるので、食べる量には注意しましょう。健康な赤ちゃんを育てるために、妊婦さんは、いろいろな食品をバランスよく食べることが大切です。

牡蠣を妊婦が食べて食中毒になったら?
妊婦さんは牡蠣をしっかり加熱すれば食べてもいいとお話しましたが、万が一、妊婦さんが食中毒になってしまったらどうしたら良いのかをお話します。妊婦さんにとって、食中毒など突然のことが起こると、赤ちゃんに影響が出るのではないかと不安を持つ方がたくさんいます。もしも妊婦さんが、食中毒になってしまったときのために、牡蠣を食べてもいいかだけでなく、症状や胎児への影響、対処法などを知っておくことが大切です。

症状
ノロウイルス感染症は、急性胃腸炎を引き起こすウイルス感染症です。牡蠣を食べたことで、牡蠣の中に入っていたノロウイルスが妊婦さんの体の中に入ると、胃の動きが麻痺し、激しい腹痛や下痢、嘔吐を引き起こします。突然発症するのが特徴で、急に吐き気がしてそのまま嘔吐し、腹痛と共にひどい水様性の下痢が起こるという症状がでます。

ノロウイルス感染症の場合、発熱も伴いますが、高熱がでるというよりは、37~38℃の軽度の発熱がみられ、発熱に伴い、筋肉痛や頭痛が起こる場合もあります。これらの症状は、基本的には1~2日程度でおさまります。後遺症が残るようなことはなく、自然に症状がおさまるのがノロウイルス感染症の特徴です。

もう一つ、牡蠣を食べたことで起こる食中毒が、貝毒による食中毒です、貝毒の食中毒は、ノロウイルスのような胃腸症状に加え、唇や舌のしびれ、手足のしびれ、状況によっては歯茎の出血などが起こります。貝毒による食中毒のほうが、症状が重症化しやすい傾向にあり、貝毒は加熱しても無毒化されないので、これをきくと妊婦さんは本当に牡蠣を食べてもいいのか悩みますが、一般的なお店で売られているものは検査済で安心です。

妊婦さんが牡蠣の貝毒による食中毒になった場合、体内に入ってから、30分から4時間程度で発症すると言われています。牡蠣を食べてすぐの強い症状が出た場合は、貝毒による食中毒を疑い、対処する必要があります。

胎児への影響
妊婦さんがノロウイルス感染症になった場合、または貝毒による食中毒になった場合、お腹の赤ちゃんに影響しないのか、妊婦さんにとってはとても不安になります。しかし、現在のところ、ノロウイルスや貝毒が胎児に悪影響を及ぼしたというデータはなく、ノロウイルスや貝毒が直接胎児に影響するかどうかは、よくわかっていないのが現状です。

ただし、妊婦さんがノロウイルスや貝毒に感染した場合、激しい腹痛や下痢、嘔吐を繰り返すことで、それが子宮収縮の原因になり、切迫流産や切迫早産の危険が高まることがあると言われています。また、妊婦さんが下痢や嘔吐を繰り返すことで、脱水症状になり、妊婦さん自身の体力がなくなってしまうことも考えられます。直接胎児に影響するというよりは、妊婦さんから間接的に胎児に悪い影響を及ぼすことが考えられます。

対処法
妊婦さんがノロウイルス感染症になってしまったとき、どのように対処すればよいのかを知っておくことも大切です。ノロウイルスの場合、現在有効な治療薬がありません。そのため、基本的には対処療法になります。ノロウイルス感染症で一番気をつけなければいけないことは、脱水症状です。そのため、嘔吐や下痢がおさまってきた段階で、少しずつこまめに水分を取りましょう。

水分が飲めない場合や、症状がひどい場合には、お腹の赤ちゃんのことも考えて、病院に受診するのがおすすめです。脱水症状がある場合には、病院で点滴による補液をする場合があります。ただし、ノロウイルスの場合、他の人に感染するリスクが高いため、産婦人科のように妊婦さんが多い病院ではほかの妊婦さんに感染してしまう事も考えられます。まずは通院している産婦人科に電話して、対処方法を確認しましょう。

貝毒による食中毒が疑われる場合には、出来るだけ早く、病院に受診するのがおすすめです。その場合にも、普段から通院している産婦人科に連絡し、産婦人科に受診するべきか、ほかの病院に受診するべきかを確認しましょう。

感染症を広げないために
ノロウイルスに感染した場合、ノロウイルスは感染力が強いので、家族や周りの人に感染しないよう注意しなければいけません。とくに、2人目以降の妊娠の場合、ご家庭に小さな子供がいることもあり、小さな子供への感染はママにとっては避けたいところです。

嘔吐物や排泄物にはノロウイルスが多く含まれている可能性があります。そのため、乾燥する前にすぐに片付け、消毒をします。消毒は、塩素系漂白剤を水で薄めて0.1%の消毒液を作り、嘔吐物や排泄物が付着した部分は消毒液で拭き掃除をしましょう。また、感染した本人だけでなく、周囲の人も手洗いやうがいをしっかりすることが大切です。

妊婦さんは加熱した牡蠣を食べよう
多くの妊婦さんが疑問に思う、妊娠中に牡蠣を食べてもいいのかについてご紹介しました。妊婦さんであっても、しっかりと加熱した牡蠣なら食べても問題はありませんが、どんなことに注意すればよいのかなど、しっかりと知識を持っておくことは大切です。牡蠣が大好きな妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。
