こないだの正しい使い方をご紹介!意味は敬語?それとも方言の一種?
わたしたちは普段「こないだ」という言葉を何気なく使っていますが、本当の意味は知っていますか?「こないだ」は正しい日本語なのか、または方言なのか、そして敬語として使い方は正しいのか等知らないことが沢山ありますね。「こないだ」の意味や正しい使い方を紹介します。
目次
「こないだ」の正しい使い方を知ってる?

わたしたちは普段何気なく「こないだ」という言葉を使っています。数日前のことを「こないだ」と使って誰も初めて聞いた言葉だとは思いませんし、違う地方に行くと通じないということもありませんよね。しかし実際本や新聞では「こないだ」とは使わず「この間」と書かれているでしょう。もしかすると「この間」と同じ意味で「こないだ」を使うことは正しくないのかもしれません。

深く考えずにいつも使っている「こないだ」という言葉ですが、実際にわたしたちは正しい使い方をしているのでしょうか?また「こないだ」はビジネスシーンにおいてや目上の人に対して敬語として使っても大丈夫なのでしょうか?これから「こないだ」の正しい使い方やその意味やそして「こないだ」が方言なのか、敬語はどのような言葉があるかという点についても詳しく見ていきましょう。

「こないだ」の意味

「こないだ」をインターネットで調べると「こないだ」が方言かどうかの記事が沢山見つかります。記事やそれに対するコメント等を見ると「こないだ」という言葉は特定の地方の方言ではなく、日本各地で普通に使われている言葉であることが分かります。また「こないだ」は以前から広辞苑にも載っている言葉ですので、日本全国で使われる一般的な言葉だと言えます。

広辞苑で「こないだ」を調べてみると「この間(このあいだ)」の約で近頃やこの頃、先日や先頃の意味とされています。「こないだ」は言い回しとしては「この間」と同じ意味ですので、現在よりも過去のことを表しそう遠くない日のことを話す時に用いられます。「このあいだ」が書き言葉で「こないだ」は話言葉だという捉え方もされているようです。

「こないだ」は英語で何?
「こないだ」を「この間」という意味として考えると英語ではどのように表現するのでしょうか?特定の日にちを指定しない「この間」や「先日」、「この前」は英語では全て「the other day」で表現します。話の流れや改まった場合でいくつかの言い回しがあります。「not long ago」は以前、この間として使いますし、「a while ago」は以前、ちょっと前にとして使います。

「こないだ」の類義語は?
「こないだ」という言葉には同じ意味で「こないだ」の他にどのような言い回しがあるでしょうか?「こないだ」という言葉には過去の意味合いでも比較的最近のことを表すという印象があります。特に使われやすいのは1日前から10日前ほどでしょう。「こないだ」の類義語は「先日」「この間」「この前」「何日か前」「ちょっと前」「ここのところ」という、過去でありかつ最近である意味をもった言葉と言えます。

これらの言葉はどれも今よりも過去のことで、何年も前ではない最近のことを表す言葉です。そして○○日というように断定的な言い回しではないことも特徴です。しかし「こないだ」と同じように過去を指す言葉でも「以前」や「かつて」になると与える印象が変わって来ます。これらの言葉は「こないだ」よりも更に前、何年も前のような意味合いを含むでしょう。

ただ、「こないだ」には明確に何日前までの場合使うなどと言った使い方の規定はありません。つまり「こないだ」は話し手と聞き手の感覚に頼ってその意味を理解する部分もあるでしょう。また「ついこないだ」のように「つい」を付けることで「こないだ」単体よりも更に現実に近付けることが可能です。「こないだ」よりも「ついこないだ」の方が最近のように感じるはずです。

「こないだ」は方言なの?
「こないだ」という言葉はわたしたちの日常生活において定着していますので、「こないだ」という言葉が方言か方言でないのかについては意見が分かれています。「こないだ」という言葉は本や新聞には見られませんので、実は方言かもしれません。実際に全国方言辞典には「こないだ」という言葉は今でも載っていて、ある地域で日常生活で使われている言葉として認識されています。
#こないだ は方言?ずっと東京に住んでいる人からそれって北海道弁ですよね、って言われたー!とにかくなまっているらしい。初めて知った〜!!!これって北海道弁?他にも使う地域ありますかー?東京はこの間とかこの前とか言うらしい
— 中目黒JAZZジュディ冨田明美@10月は改革💒楽譜書くよー (@onchan0805myu) July 21, 2017
「こないだ」を方言として使う地方
全国方言辞典で「こないだ」という言葉を調べると、茨城県多賀郡、山梨県、静岡県、佐渡で方言として使われているという記載があります。また長野県方言辞典にも「こないだ」という言葉が載っています。三松堂大辞林には「こないだ」を方言として使っているのは、甲州弁や大阪弁、和歌山弁、鳥取弁とされていて近畿地方から中国地方と記載されています。

「こないだ」をインターネットで調べると東北地方、そして岐阜県や愛知県でも「こないだ」を日常生活で使っていると言います。これらの説明から見ると、中部地方ではほぼ「こないだ」を方言として使っていると判断して良いでしょう。また近畿地方や中国地方、東北でも「こないだ」を方言として取入れているとすれば、「こないだ」という言葉は一部の地域で使われる方言ではなく全国的に広がっていると判断できます。
この間のことを「こないだ」って言うのもしかしなくても方言だな?
— 三科彩音@10/15楽園追放済み (@ayato_bnal) October 14, 2018
「こないだ」は方言と言うより話し言葉
方言の中にはかつては特定の地方で話される言葉だったのが、テレビや映画の影響で日本中で話されるようになった言葉もありますよね。実際に「こないだ」はテレビのバラエティやドラマで普通に使われています。「こないだ」はこのように広まった方言なのでしょうか?ただ「こないだ」という言葉は調べてみれば日本中で普通に使われているので方言と言うよりは話し言葉なのかもしれません。

話し言葉とは人と人との対話に使われる言葉ですので、簡単な略語等が用いられます。書き文字と異なり表記の揺れが見られるのが特徴です。そして書き言葉に比べて時代ごとに変化がとても速いのも特徴の1つと言えます。例えば「ちゃんとする」という話し言葉は書き言葉にすると「きちんとする」になるでしょう。「ちょっとだけ」の場合は「少しだけ」になりますね。

これらの言葉のように、実際に発音する話し言葉と書き言葉ではやや違いが生じることがあります。「こないだ」も本来の書き言葉である「この間」を話し言葉にしたという見方もありますので、方言というよりは全国的に使われている話し言葉という認識もできるでしょう。

「こないだ」のイントネーションは?
「こないだ」は方言ではなく話し言葉と言われていますので、アクセントや発音に注意する必要はありません。話の流れの中で言いやすい使い方をすると良いでしょう。ただ、この「こないだ」と方言を組み合わせた言葉があり、それはイントネーションを注意した方がよいかもしれません。近畿地方では「こないだうち」という使い方をします。漢字で書くと「この間内」となり、ここ数日の中でという意味です。

関西では女性が自分のことを方言で「うち」と言いますが、これと「こないだうち」のイントネーションは違います。もしかしたらこの「こないだうち」と同じように「こないだ」と地方独特の言い方を組み合わせると、そのイントネーションは一般的なものと違うものになるかもしれませんね。

「こないだ」は正しい日本語?
前述している通り「こないだ」は広辞苑にも載っているくらいに定着している一般的な日本語です。その為最近刊行された小説で「こないだ」は会話の中で使われています。ただし「こないだ」は話し言葉なので基本的に会話の中でしか使われていません。では「こないだ」は正しい日本語と言って良いのでしょうか?

「こないだ」と「このあいだ」の違い
わたしたちが何気なく日常で使う「こないだ」ですが、「このあいだ」という言葉もあります。「こないだ」と「このあいだ」という言葉のそれぞれの意味や違いの説明は知っていますか?まず「こないだ」の意味は「このあいだ」の約で「近頃」「この頃」「先日」「先頃」等のように数日前を表します。「こないだ」は「こなひだ」という言い方もあります。
どうでも良いことですが、気になること。
— snufkin... (@snufkinLove1) August 3, 2018
「こないだ」ってアナウンサーさんでも普通に遣われる言葉なんですね。
方言かと思っていました。
お嬢様、いろんな国でいろんな経験されると良いですね。
我が娘は海外留学して、改めて日本の良さに気付いたらしいですが。
一方で「このあいだ」は「この頃」「近頃」「先頃」「過日」という意味を持ちます。また「このあいだ」に関しては過去の意味だけでなく、古い言い方では「近い将来、近日中」や「現在も含んだ最近」という意味も含まれます。最近では「近日中」「最近」という意味を含む「このあいだ」を使うことがなくなり、結果的に「こないだ」と同じ意味で違いはないと考えられるようになりました。

ただ「こないだ」は方言辞典にも広辞苑にも載っているので正しい判断は難しいですが、「このあいだ」に関しては標準語と言って間違いありません。つまり「こないだ」と「このあいだ」には完全な標準語かそうでないかという点で違いがあると判断しても良いでしょう。また「こないだ」の漢字表記は「此間」になり、キーボードで「こないだ」と打つと必ず「此間」と出ますので覚えておきましょう。

一方「このあいだ」の漢字は「こないだ」とは違い「此」を使いません。「此の間」ではなく「この間」が正しい表記とされていますのでこの点に関しても「こないだ」とは違いますね。そして「こないだ」と「このあいだ」の類語を見るとそれぞれ多少の違いがあります。「こないだ」は「前の日」「少し前」「以前」等を類語としていて、「このあいだ」は「一昔前」「その昔」「ありし日」というように「こないだ」よりもやや過去を表しています。

小説等で「ありし日」や「一昔前」という言葉が出た場合は「こないだ」より「このあいだ」の意味を言っている可能性の方が高いです。「こないだ」と「このあいだ」との直接の意味は一緒と言えますが、類語となると少しニュアンスが異なると言えるでしょう。作家の意味の取り方やニュアンスにもよるので「こないだ」か「このあいだ」かは読み解く必要があります。

「こないだ」は「このあいだ」の略語?
「こないだ」は例えば「食べれる」と「食べられる」のように「ら」抜き言葉のような略語と言えるのでしょうか?最近この「食べれる」もローマ字表記すると実際に抜けているローマ字は「AR」であり「ら」でないと言われ、「ら」抜き言葉ではないとテレビで話題になりました。では「こないだ」は実際どうでしょうか?

「こないだ」と「このあいだ」をそれぞれローマ字表記ですと「KONAIDA」と「KONOAIDA」となり、実際抜けているのは「O」でこちらもやはり「こないだ」は「このあいだ」の略ではないことが証明できますね。
「こないだ」は縮約形?

日本語には話し言葉と書き言葉があります。話し言葉には縮約形が多いのが特徴ですね。縮約形とは言葉の途中の複数の音を縮めて短くした言葉のことです。日常で何気なく使われていてテレビ番組でも普通に使われています。「こないだ」に似たような言葉としてよく聞く縮約形の言葉は「けど」でしょう。書き言葉では「けれども」と表しますよね。

また話し言葉では「そういうもんだ」と使う言葉も、書き言葉では「そういうものだ」と表します。話し言葉の方が少し砕けた雰囲気になり親しみが持てますね。同じように「こないだ」も「このあいだ」の縮約形と言えるでしょう。会話上では「こないだ」の方が気さくな印象になりますよね。
「こないだ」と「このあいだ」はどちらが正しい?

インターネットで検索すると「こないだ」と「このあいだ」はどちらが正しいのかという質問をよく見かけますので、使い方について気になっている人が多いと言えます。結論から言うと使い方次第でどちらも正しい言葉です。手紙やメール等のように残る文章で使う場合は書き言葉の「このあいだ」を使いましょう。そして話す時に使う場合は「こないだ」が言いやすいのでおすすめです。

「こないだ」は話し言葉で基本的には書く文章には使われませんが、例えば小説の中の会話等において親しい間柄の時は「このあいだ」よりは砕けた表現の「こないだ」とした方が自然でしょう。その他にもブログでは会話がそのまま文章になっていた方が表現が柔らかくなるので好まれます。LINE等のSNS上においても会話がそのまま送られるので「こないだ」で構わないでしょう。

使う場所さえ気をつければ「こないだ」を書き言葉として使っても問題ないと言えます。なお「このあいだ」という言葉日本語の古典では「このあひだ」という言葉が元になっています。歴史的な古典文章においては「このあいだ」が正しい使い方の日本語と言えるでしょう。

「こないだ」の敬語は?
「こないだ」の敬語表現
「こないだ」という言葉は話し言葉で、友人同士や目下の人などの近しい間柄で話す言葉という印象が強いです。目上の人や上司、お客様に対して話し言葉をそのまま使うことは失礼にあたる場合があります。では上司などの目上の人に「こないだ」を丁寧に伝えたい場合はどのような言葉に直せばよいでしょう。「こないだ」と同じような意味で敬語として使える言葉はあるのでしょうか?

最も使い勝手の良い「こないだ」の敬語は「先日」でしょう。「先日」は同じようについこの間、数日前程度の過去を指すことができる言葉です。幅広い意味を持っていますし誤用もあまり無く、さらに相手にきちんとした印象を与えることができるので敬語として使用することができるでしょう。使い方の例は「先日はお忙しい中お時間を頂きまして、ありがとうございました。」と使うと良いでしょう。

「こないだ」の敬語の使い分け
「先日」の他にも「こないだ」の敬語に当たる言葉はあります。「過日」や「先般」もという言葉も「こないだ」の敬語として使うと良いでしょう。このように「こないだ」の敬語に当たる言葉はいくつかありますが、敬語の中でもそれぞれの意味を理解して話し言葉と書き言葉の使い方を分ける必要があります。では「こないだ」の敬語それぞれの使い方を見てみましょう。

まず過去の出来事が起こった日として「こないだ」の敬語を使う場合は、「先日」と「過日」を使うと良いでしょう。そしてこの2つの敬語の使い分けとしては「先日」は大抵1日前から1週間前のことを指しますが、「過日」は「先日」よりも更に過去の出来事が起こった日を表していて、目安としては数ヶ月から半年前のことを指しています。

そして過去の出来事そのものの意味で「こないだ」を使う場合、その敬語は「先般」という言葉です。「先日」や「過日」の敬語と違って、「先般」は重点的に置いているポイントが日にちではなく出来事となっています。同じ過去の出来事を指す敬語であっても、出来事の日を指すか出来事そのものを指すのかで使い分けるようにしましょう。その敬語の使い方の違いを例文で紹介します。

「先般申し上げました通り、お断りさせて頂きます。」これはお断りしたと言う出来事に重点が置かれている敬語だと言えます。一方で「先日(過日)は意外なところでお会いして驚きました。」これは少し前のあの日、というように日にちに重点が置かれている敬語であることが分かるでしょう。このように同じ敬語でも「先日」と「先般」では伝わるニュアンスが違って来るのが分かりますね。

「こないだ」の例文集
「こないだはありがとう」は英語で何という?
「こないだはありがとう」という言葉は日本語ではよく使う言葉ですが、英語では終わったことに関して更にまたお礼を言うことは多くないようです。「こないだ」という過ぎた日を指すよりも、具体的な対象を入れてお礼を言う方が英語として適切だと言えます。「こないだはありがとう」という文章に対する色々な例文を紹介します。

「Thank you for coming to see me recently.」は「こないだはわたしに会いに来てくれてありがとう。」という場合に使えるでしょう。「Thank you for the email the other day.」は「この間はメールをくれてありがとう。」という表現になります。「Thank you very much for having me to dinner the other night.」は「こないだの晩は、夕食に誘って頂いてありがとうございました。」という使い方ができるでしょう。

「こないだ」という表現は「最近」という「recently」としたり「先日」という「the other day」や「この間の晩」という「the other night」という表現の仕方で表すことができるでしょう。このように英語の場合はその事柄や事実を指してお礼を言うことが通常のようです。
「こないだ友達から手紙が届いた」は英語で何という?

「こないだアメリカに居る友達から手紙が届いた。」という表現をする時、少し固めな表現になりますと「I received a letter from my friend in the U.S.A. the other day.」となります。「I received a letter from my friend in the U.S.A. just a couple of days ago.」となると、「the other day」よりももう少し具体的な言い方になります。

「a couple of days ago」に変えることで2、3日前という意味になり、justを付けることで「つい2、3日前に」という砕けた言い方になり「ついこないだアメリカに居る友達から手紙が届いたの!」と言うような話し言葉の表現になると言えます。

会話を始める「こないだ」の使い方
「こないだ」は人と人との会話を始める時に使うことが可能です。例えば「そう言えばこないだ」とか「ついこないだこんなことがあって」とか雑談中でもこのように話を切り出すことができるでしょう。このような使い方であれば、先日すでに少し話していた内容をもう一度話題に出すことができますよね。「○○の話だけど」と切り出すよりも難なく話題に出せる使い方です。

では「こないだ」を会話のきっかけ作りや話題のスイッチに使う時の例文とその英語のフレーズも紹介します。「そう言えばこないだ新しい趣味を探しているって言ってたよね?あれはどうなったの?」と自然な話題のきっかけ作りが出来る使い方はどうでしょう?英語では「Didn't you say you were going to find a new hobby not long ago?How's that going?」と言います。

また取引先との会話においても「つい先日、○○駅であなたの会社のボスと会ったんですよ。」と言う使い方も自然に身近な話題に繋げることが出来るでしょう。英語では「I saw your boss in ○○ station the other day.」という使い方をします。「こないだ」という言葉を使った会話のきっかけで、自分から話しかけることができる点がとても良いですね。
「こないだからずっと」と継続を表す使い方

「こないだ」には「先日」というピンポイントを指す言葉としても使えますが、「少し前からずっと、継続して」という意味合いで使うこともできます。使い方としては「こないだからずっと咳が止まらない」「こないだから微熱が続いている」と言うように使います。受け取る側によって「こないだ」の期間が異なる場合があります。

3日間程をイメージする人もいれば1週間程続いているとイメージする人も居るでしょう。雑談としては問題ありませんが、期間が重要になる場合は気軽に「こないだ」を使わない方が良いかもしれません。風邪をひいて病院に行った時は端的に「3日前から咳が止まらない」と言うように伝えた方が分かりやすいですね。
使い方の違う「こないだ」の例文

最後に少し意味が異なった「こないだ」の使い方を紹介しますと、小学生や中学生になって何年かぶりに会った祖父母に「こないだまで赤ちゃんだったのにね」と言われることもあるでしょう。「しばらく見ないうちに大きくなったね」と言うような成長を喜ぶ言葉になりますが、この「こないだ」は今まで紹介した「数日前」や「つい2、3日前」のことではありません。

この場合の意味は「こないだ」と思えるくらい最近に感じるという感覚から来る言葉で、一種の例えを言うような使い方でしょう。この他にも「こないだまでわたしの肩くらいの背だったのに」「こないだまでおむつをしていたのに」のような言い回しもよく聞きますよね。どの使い方も子供の成長を喜ばしく思う感慨深いものを感じられ発せられる言葉と言えます。
「こないだ」はビジネスシーンで使える?

わたしたちが何気なく使っている「こないだ」はビジネスシーンでは使っても大丈夫なのでしょうか?「こないだ」も「このあいだ」も、日常生活において使う部分においては日本語として何の間違いもありません。ただ、前述した通り敬語ではありませんのでビジネスシーンで使用することは間違いと言えるでしょう。仕事相手に失礼のないように、これから正しい言い回しを紹介します。
ビジネスシーンで「こないだ」は使用しない

前述したように「こないだ」の敬語は「先日」「過日」「先般」を使うと説明しましたが、ビジネスシーンにおいても通常「こないだ」を使うことは失礼ですのでまず使いません。ただ、同僚や部下と言うような立場が同等かあるいは下の人に対しては「この間」という言葉を使ってメールをしても構わないと言えます。書き言葉ですので「このあいだ」と平仮名は使わず「この間」と表記します。

ビジネスシーンにおいて「こないだ」が誰に対して失礼にあたるかと言うと、社内では上司に当たる人へは当然ですが取引先や仕事がサービス業であればお客様に対して、特に注意して使わなければいけないでしょう。日常生活で使う言葉は、ビジネスの世界では「軽い」と思われる言葉ですので友人や家族に使うような言い回しはしないように気を付けなければいけません。
ビジネスシーンで正しい言い回しは?

ビジネスシーンにおいて「こないだ」の正しい言い方は何かと言うと、一般的には同じ意味合いを持つ「先日」を使うと良いでしょう。「こないだ」や「このあいだ」の改まった言葉や敬語として、「先日」はビジネスシーンでも最も使われる正しい用語です。また同じようにビジネスシーンにおいて「過日」や「先般」も使われることが多いと言えます。

「こないだ」と「このあいだ」の正しいビジネス用語として使われる「先日」を使った例文をいくつか紹介します。この場合の「先日」は「近い過去のある日」の意味合いで使いますのでおおよそ1日前から1週間前程を目安にしてください。「先日」は主に口頭に使いましょう。例えば「先日、見積もりの件でメールしましたが、いかがでしょうか?」というようにお客様や取引先に電話で確認する場合も使えるでしょう。

また「先日お渡しした企画書の件ですが、金額や内容のご確認はして頂けましたか?」と自分が上司に提出した企画書について確認する場合にも使えるでしょう。確認した相手も遠くはない過去を思い出して、あなたに対応をしてくれるでしょう。社内の同期や部下に対しては身構えて「先日」というよりは「このあいだ」と使った方がお互い堅苦しくなく済みますね。

ビジネスではマナーを忘れずに
ビジネスの世界ではマナーが必ず付いて来ます。マナーとは多くの場合は堅苦しく感じますが、社会の中で気持ちよく生活していく為に大切なものです。会社で気持ちよく業務を行えるようにお互いが温かい心を持って、心配りをすることが大事です。つまり言葉の正しい使い方ができているかどうかで、社内の雰囲気や人間関係が大きく変わりますので心得ておかなければなりません。

上司や取引先の方には敬語を使いますが、敬語だからと無闇に使えば良いというものではなく正しい使い方をすることがマナーです。前述した「こないだ」の敬語である「過日」「先般」の意味を理解して話し言葉と書き言葉を使い分けましょう。「過日」は数ヶ月前から半年前の「過去に起こった出来事の日」を重点に置きメールを送る際に「過日は、貴重なお時間を頂きありがとうございました」というような文章で使います。

メールは顔の見えない相手に送るものです。あまり堅苦しい印象にならないよう少し柔らかい雰囲気で相手に配慮すると良いでしょう。メールではなく文書の場合は、書類によっては数年保存しなければならないものがありますので堅苦しい文面になっても仕方ないかもしれません。「過日、貴社からご要望がございました○○の件につきまして」のように始まり、結果の報告やお詫び等の文面が続く内容で使います。

また「過日」は、口頭では控えられていて文書でしか使用しない言葉と言えます。その理由は「過日」と意味も漢字も全く異なる「かじつ」という読み方の言葉がいくつかあるからです。勘違いを防いでお互い業務をスムーズに行う為に、ビジネスシーンでは言葉を使い分けることもマナーと言えます。

そして「先般」の例文としては「先般の通り、本日商品を発送致しました」というような「注文」という出来事を重点に置いた場合使われます。「先般」はビジネスシーンでは多くは使用されませんが、正しい使い方を知っておくことは大事です。ビジネスシーンでうっかり「こないだ」や「このあいだ」という普段の言葉を使わないように、ビジネスルールを知っておく必要があるでしょう。

「こないだ」の使い方には気をつけよう!
わたしたちが何気なく使っている「こないだ」という言葉は、今では一般的に日本中で誰もが使っていて正しい日本語として認識されています。友達や家族など近い相手には気軽で柔らかい印象を与えますので問題ありませんが、目上の人やビジネスシーンにおいては使い方を気をつけなければなりません。本来の正しい敬語やマナーを理解して、失礼のないように使いたいですね。
