中絶同意書について解説!サインは配偶者だけ?未成年は?偽名は?
妊娠したからといって必ずしも産めるわけではありません。様々な事情から中絶しなければならない時、中絶同意書が必要です。中絶同意書には父親となる人のサインが必要です。偽名を使ってはいけないのか、未成年はどうなるのかなど詳しく説明します。
目次
中絶同意書について困ってる!
中絶同意書の疑問やトラブルについて詳しく解説

妊娠は「おめでた」という通り、おめでたい話であるのが普通なのかもしれません。しかし必ずしもおめでたいことではない場合があります。人には生きていく上で様々な事情があります。妊娠はしたものの、産むことができない場合があります。中絶を決意する女性を非難することはできません。しかし中絶する場合、ただ単に医師に申告して手術をしてもらうというわけにはいきません。

また、人工中絶を簡単に考えてもいけません。中絶は一般的な行為だと思ってしまって、「子供できちゃったけどまだ遊びたいし、今回は堕ろしちゃおう」なんて気持ちで受けてしまってはいけないものなのです。中絶手術に関しては母体保護法で規定されています。決して簡単に考えてはいけません。妊婦はもちろん、胎児の父親にも大きな責任を問われる行為なのです。

中絶を簡単に考えていたとしても、中絶には中絶同意書が必要だと知って慌てる人もいるのではないでしょうか?中絶同意書とは、中絶手術をするにあたって、妊婦、妊婦の家族、胎児の父親が中絶に同意する書類です。軽い気持ちで産婦人科に行って診察を受けた人ほど、中絶同意書の存在に衝撃を受けるのではないでしょうか?自分1人がこっそり胸に秘めておけばいいという問題ではないのです。

なぜ中絶同意書などが必要なのでしょう?中絶手術は危険な手術です。場合によっては命に関わることがあります。また命は無事でも手術の後遺症で妊娠をしずらくなるか、最悪二度と妊娠できなくなってしまう場合もあります。そういったリスクを患者が知った上で手術をするという証明なのです。また胎児の父親に内緒で手術をし、後に父親に訴えられてしまう場合もあります。そんなリスクを避けるためのものなのです。

中絶同意書にはあなたの名前と住所と捺印の他、胎児の父親の名前と住所と捺印が必要となります。すると途端に不安になる人もいるでしょう。相手が夫以外の場合があります。あなたや相手が未成年の場合もあります。こんなとんでもない個人情報が、病院から漏れることは絶対にないのでしょうか?不安にもなるでしょう。提出された中絶同意書は、手術を受けた病院で5年間保管されることになっています。

中絶同意書に関して基本的に医者には守秘義務があります。警察などの公的機関が開示請求をしない限り、提出した中絶同意書が他人の目に触れることはありません。相手が夫以外だから、自分が未成年だからと躊躇をしていては、胎児はどんどん育っていってしまいます。躊躇っている時間はありません。妊娠が発覚し、あなたがどうしても生みたくないと考えるなら、相手と早急に話し合いを持ちましょう。

中絶同意書に関して調べたいと考えてネットを検索している人は、普通に夫に中絶を相談できる問題ではない場合がほとんどなのではないでしょうか?夫以外の相手の子供を妊娠した、自分あるいは相手が未成年で親に知られたくないといった理由が多いことでしょう。不安な気持ちはわかります。何よりまず必要なのは、妊娠したかもしれないと思われる時、速やかに産婦人科に行くことです。

この時は、近所の産院に行くのは止めましょう。あなたが出産経験があるのなら、出産した医院に行くのもおすすめしません。どこで誰が見ていて「あそこの奥さん、おめでたなのかしら」と話が広まってしまう危険性があります。未成年で誰にも知られたくないと考えている人は、婦人科がくっついた「産婦人科」か総合病院を選びましょう。婦人科系の病気の確認だったとあとで言い訳ができます。

とにかく時間との戦いです。体調の変化を感じたら、すぐに病院に行きましょう。一般に中絶ができるのは22週までです。早くに医院に行く理由は、胎児が育つだけではありません。もし子宮外妊娠など正常妊娠していない場合、あなたの命に関わります。今、何週目なのか、中絶の場合、手術の予約はどうしたらいいか、費用はどのぐらいかかるか、手続きはどうすればいいか、病院が教えてくれます。

妊娠しているとわかった場合は、相手に正直に話しましょう。ここまではできる限り早く行ってください。言いにくいとは思いますが、相手にも責任のあることです。夫以外の相手の子供の場合、辛いでしょうがほとんどが中絶をすることになるでしょう。相手には家庭があります。もし相手がこれを契機に自分の家庭を捨てたとしても、相手の家族を不幸にした上でのあなたの幸せなどもろいものです。

相手との連絡にLINEなどを使うでしょうが、「妊娠」「中絶」などといった文言を記してはいけません。どういった形で漏れてしまうかわかりません。相手の家族に知られたら、あなたは裁判で訴えられてしまいます。更には自分の家族を守るためでもあります。こんな事態になったら、相手との関係はもう終わりと考え、2人が犯した過ちを悔い、堕胎する子供に心の中で謝罪しましょう。

中絶に保険は効きません。費用として10万円から15万円がかかると考えておいてください。この費用をどういう形で用意するかも頭を悩ませることかもしれません。夫以外の相手の子供の場合、あなたと相手の折半も考えられます。ただ、この場合は冷静に考えましょう。相手はあなたが妊娠して逃げ出すかもしれません。このまま関係を続けたとしても、何かにつけこの金額の件を出してあなたを悩ませるかもしれません。

専業主婦にとって10万円は大金です。あなた名義の貯金がいくらあるかが問題になります。夫以外の相手の場合、あなたが妊娠したことでお金だけ払って中絶同意書など無視して離れていくのがほとんどなのではないでしょうか?しかし浮気癖のある相手ならまた同じようなことをしでかすでしょう。金に困った相手はあなたが引っ越しをしていなかったら「あの時の金を返せ」と家に押しかけて全て知られる危険性もあります。

したがって夫以外の相手に金銭的に負担を負わせないほうがいいでしょう。夫への言い訳はいくらでも考えられます。危険を伴う手術です。手術が無事に終わったら、さっぱり別れる方がいいでしょう。

火遊びの代償は大きいものです。夫以外の相手と付き合い、子供ができてしまうといった事件が起きるまで、あなたは気楽に考えていたのではないでしょうか?子供を堕胎することは悲しいことですが、夫以外の相手と別れるきっかけにはなるでしょう。すべてを自分で呑み込み、これを機会に夫以外の相手とはきっぱり別れ、夫との関係を見直し、本来の幸せを大事に生きていきましょう。
中絶同意書はダウンロードできる?

中絶同意書は医師の前で署名捺印する必要はありません。手術当日もしくは手術前日の処置の時までに用意すればいいのです。ある程度猶予があるので、中絶同意書を事前に手に入れて、少し日数をかけて同意書を仕上げれば問題ありません。
中絶同意書に記されている内容

中絶同意書は病院でもらうことができます。更には病院のホームページからダウロードすることもできます。また、日本婦人科医会でもダウンロードできるPDFを用意しています。あなたがいちばん都合のいい状態で、医師から受け取るなり、ダウンロードするなりするといいでしょう。一般的に中絶同意書にはどんなことが書かれているのでしょう?

まず母体保護法に基づく人工妊娠中絶であること、中絶手術に関するリスクをあなたが承知していることが記され、説明をした病院の医師の氏名、捺印がされています。そこにあなたが何を書き込むかというと、妊婦本人の自筆の氏名、住所、電話番号、捺印です。そして相手の自筆による氏名、住所、電話番号、捺印です。更に中絶同意書の提出日付を記します。

中絶同意書は妊婦であるあなたと父親である相手が必ず必要事項を記入し捺印して、病院に提出しなければなりません。中絶同意書に必要なのはあなた自身の身分証明書です。あなたが未成年の時は保護者の同意書が必要です。さらに必要なのは保護者の自筆による氏名、住所、電話番号、捺印です。

「相手にそんなことは頼めない」「親に知られたくない」など、中絶同意書を出さなければならないと知って、途方に暮れる人もいるでしょう。しかし大事な問題です。ぐずぐずしているとあなたの体の負担が増えてくるばかりです。打ち明けることが怖いのはわかりますが、事態は深刻です。時間が経ってしまうと、産む事になってしまったり、あなたに重篤な症状が出てきたりする危険性もあるのです。
中絶同意書を夫に内緒で作成するのは可能?
夫(配偶者)の子供をこっそり中絶したい

お腹の子供は誓って夫の子供だけれど、あなたが出産を望まない場合、どうすればいいのでしょう?夫が出産を希望し、あなたが中絶を希望しているのなら、医師に正直に話しましょう。医師はそういったトラブルには慣れているので、あなたの悪いようにはしません。何しろ出産という大事業をするのは、女であるあなたなのですから。

ただ夫に知られないようにこっそり中絶したいとなると少し話は変わってきます。まず中絶費用を家計から出すとバレてしまいます。何より、中絶同意書において誰かに偽名で使わせる問題が起きます。この中絶同意書を誰かに偽名で代筆してもらうということは頻繁に行われているようです。ナイーブな問題なので、水面下でいろいろな作為が行われているのも当然と言えば当然なのかもしれません。

気をつけて欲しいことは、中絶同意書に配偶者の名前を偽名を使って誰かに書いてもらうと、私文書偽造という法律違反になるということです。あなたは友人に偽名を使って中絶同意書にサインさせることで、罪を犯させているのです。もしこの中絶を夫に知られることになり、偽名を使った人間は誰か突き留められたら、その友人は夫に訴えられる場合もあります。

できることなら、偽名なんて使わせずに夫とよく話し合い、自分は生みたくないと主張することが一番です。話し合いをしたけれど、夫が中絶同意書にサインをしてくれないと医師に告げれば、医師はやむ負えない場合として、中絶同意書なしに手術をしてくれます。下手に小細工をしてあとで夫婦関係が悪くなり、かつて友人に代筆させた中絶同意書に関して夫に訴えられたりすると目も当てられません。
夫以外の子供だから中絶したい

家庭では良い妻を演じ、夫がいない間は夫以外の相手と別の顔をするといった二面性を持った生き方は刺激的だったでしょう。しかし夫以外の相手の子を妊娠してしまったら、初めて自分の愚かさに気づく人もいることでしょう。家族を裏切った後悔は、あとでいくらでもしてください。とにかくあなたには時間がありません。最終月経から5週間経過しているなら検査できます。

5週経過しての検査のメリットは正常妊娠かどうかわかることです。妊娠22週を経過してしまうと中絶手術を受けられなくなってしまいます。夫以外の相手との子を堕胎する場合、互いの生活圏外の産婦人科に行くことをおすすめします。お金は折半が理想ですが、後々のトラブルを避けるため、あなたが用意したほうがいいでしょう。夫以外の相手が金だけ払って逃げていったなら、その金を心おきなく使いましょう。

そんな相手なら、中絶同意書にサインをしてくれる可能性も少ないでしょう。もし夫以外の相手が偽名を使って夫の名で中絶同意書を書いたことが夫に知られたら、裁判で訴えられる場合もあります。夫は知らないふりをしているだけかもしれません。あなたと夫以外の相手との失敗をじっと待っていたかもしれません。あなたは夫以外の相手と別れる決意をするべきです。

この失敗に凝りて、あなたが家庭を大事にしようという結論に至ったなら、それはせめてもの救いです。夫に中絶同意書にサインをしてもらえない以上、誰かに偽名を使ってもらうしかありません。あなたが夫以外の相手との不倫の痕跡を全て消すことで、夫にバレることはほとんどなくなってきます。くれぐれも、中絶同意書の偽造は犯罪になるのだということを忘れないでください。
中絶同意書を家族に内緒で作成するのは可能?
自分や相手が未成年だから親にバレたくない

未成年が妊娠すると、家族には言えず途方に暮れるでしょう。未成年が親にバレないように中絶することはできないのでしょうか?まず1秒でも早く診察を受けましょう。自己判断はいけません。正常な妊娠でなければ命にかかわります。「でも保険証を使うとバレちゃうでしょ?」と考えるでしょう。未成年の場合「家族」ですから扶養家族となり、親に定期的に保険が使われた旨の通知が届くのです。

具体的には受信者名、受信日、受診した病院名、外来か入院かの区分、受診日数、自己負担額、保険負担額、医療費の総額が親が知ることになる項目です。どのような検査をしたかや何科を受診したかはわかりません。妊娠を正確に知るため、なるべく早く受診しましょう。婦人科も扱う医院なら、「生理不順の相談をした」などの言い訳は立ちます。

健康保険金が使えない妊娠検査はそもそも家族に通知は行きません。ただ検査の結果、妊娠しているとわかったら未成年の場合は親に内緒で堕胎することは不可能になります。

未成年の場合、中絶同意書には保護者のサインが必要です。相手も未成年なら4つのサインが必要になってきます。この中絶同意書がなければ手術をしてもらえません。親にバレたくないからといって、別の誰かに偽名を使わせて中絶同意書に書くのはいけません。有印私文書偽造という犯罪になるからです。未成年で中絶同意書がある限り、親にバレるのは覚悟しましょう。

未成年は誰にも事情を話すことができず、手遅れになってしまう場合もあります。未成年同士2人で抱え込むのは絶対に止めましょう。頼れる第三者に相談すると力になってくれます。産科に務めている男性より女性がいいでしょう。助産婦さんに中絶同意書について相談してみましょう。あなたの代わりに親に話してくれます。中絶同意書を偽造するより、家族でこの困難を乗り越えましょう。

残念な話ですが、医師によってはあまり親切でない病院もあります。中絶に関して有意義な解決策が見つからない場合もあります。その場合は行政やNPO法人に頼りましょう。母子支援センター、福祉事務所、婦人相談所、こども課、児童福祉課、家庭相談室、妊娠SOSネットワークなどがあります。妊娠、中絶に関する相談をできる場所はたくさんあります。

友人や知り合いの大人に偽名を使わせて中絶同意書を強引に仕上げるより、家族に正直に話したほうがいいです。中絶同意書を偽名で書かせることで、その協力者にも罪を犯させてしまいます。勇気のいることなので、自分から直接親に話すのではなく、間に立ってくれる第三者を見つけましょう。中絶同意書が原因で、そのまま胎児が大きくなり、取り返しのつかないことになるのは避けましょう。
中絶同意書に偽名を使い偽造することは罪?
よくある友達に名前を書いてもらうパターン

子供の父親に堕胎を知られたくない場合、よく友達に偽名で書いてもらう場合があります。これが罪になるかと言えば、署名捺印しているので、完全に有印私文書偽造に当たります。あなたが困って相談すれば、友達は相手の代わりに中絶同意書にサインをしてくれるかもしれません。
中絶同意書偽造は複数の罪になる

罪はそれだけではありません。中絶同意書の私文書偽造および行使の罪になります。この場合刑事事件になることがあります。私文書偽造同行使罪は、家族や友人が代わりに書いた形式上の中絶同意書で偽名を使ったり配偶者の振りをして中絶同意書にサインをするとこの罪になります。また相手の同意を得ずに堕胎してしまうと、不同意堕胎罪の罪にも問われます。これは医師も罪になるので中絶同意書は必須なのです。

なにより、大切な友人を罪に引きずり込む行動なのを忘れてはいけません。しかし中絶同意書がなければ病院が手術をしてくれないと主張する場合、最終手段として考えなければならないかもしれません。しかしこれは犯罪です。あなたが罪を犯し、友人も罪を犯します。中絶同意書を何とかしなければと焦る気持ちはわかりますが、医師とぎりぎりまで相談してみてはいかがでしょうか?
未成年の中絶同意書

未成年の場合で、胎児の父親も未成年の場合で、中絶同意書にサインをしない場合も罪に問えます。母体保護法14条2項が適用されます。しかしこの場合でも保護者の署名は必要です。相手や相手の親から中絶同意書にサインがもらえないからと偽名を使ってサインをするのは止めましょう。
中絶同意書に相手がサインしてくれない時は?

中絶同意書に相手がサインしてくれない場合、どうしたらいいのでしょう?その時はパニックに陥る必要はありません。とにかく落ち着いてください。あなた以外にも、中絶同意書にサインをしてもらえないケースはままあります。中絶同意書にサインをしてもらえないからといって、22週が過ぎてしまったら取り返しのつかないことになります。
相手が中絶同意書にサインをしてくれない

あなたが中絶を望んでも相手が中絶同意書にサインをしてくれない場合は、父親不明という形で、中絶同意書を提出することが可能です。胎児の父親が中絶同意書にサインすることと、責任を取ることは別物です。ただし中絶同意書にサインしてくれたからといって、胎児の相手が費用負担に同意したわけではないので注意が必要です。
相手が中絶同意書にサインできない状況にある

胎児の父親が誰だかわからない、連絡先がわからない、死亡してしまったという場合は中絶同意書に相手の署名は必要ありません。母体保護法で「本人の同意だけで足りる」として、あなたは守られ、中絶手術を受けられます。
性犯罪の被害に遭い中絶同意書にサインができない

性犯罪に遭ってしまったことで妊娠してしまった場合も、相手から中絶同意書をもらうことは困難です。この場合も中絶同意書に相手の署名がなくても、中絶手術が受けられると母体保護法で定められています。14情2項で「暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」ということで適用されるのです。

せっかく宿った命を堕胎することを非難する人もいるでしょう。お腹の中の子は生きていて、外の世界に出るのを待っているのだと主張するでしょう。そういう人は、出産をゴールだと考えているのです。しかし出産は人生のスタートです。生まれてきても幸せになれなかったり、不幸が決まってしまっていたりする時、産むことだけが正義ではないでしょう。

中絶同意書に偽名を使ったり、使わせたりすると罪になります。あなたを思って偽名で代筆してくれるという友人に罪をかぶせてはいけません。中絶にはリスクがあります。また妊婦は堕胎することに罪悪感がありますから、手術後に精神的に不安定になることは少なからずあります。
中絶同意書をスムーズに提出したい

中絶同意書にまつわる話はいろいろありますが、なるべくならスムーズに提出したいところです。しかし実際は中絶をすると決めた時から、考えなければならない問題がたくさん出てきます。なるべくスムーズに中絶同意書を提出するためには、中絶同意書に関する正確な知識が必要です。

何より保護されるべきは、あなたの身体です。中絶手術には危険が付きまといます。だからこそ同意書が必要なのです。あなたの身体を傷つけることを最小限に抑えるためには、処置が早ければ早いほどいいのです。今後のあなたの人生も、大きく変わってくる問題です。冷静にどうすれば一番いいのかを考えて、的確な判断をしていきましょう。