アルバートフィッシュの映画や事件をご紹介!世界のサイコパスと呼ばれた理由
アルバートフィッシュという名前を聞いたことがありますか?世界的に有名なシリアルキラーで、サイコパスとしても有名です。アルバートフィッシュが起こした、世界中を震撼させた数々の殺人事件や彼の性癖、アルバートフィッシュの映画についてご紹介します。
目次
アルバートフィッシュを知ってる?

アルバートフィッシュは、ブルックリンの吸血鬼、満月の狂人などと呼ばれる世界的に見ても最悪な殺人鬼です。1910年から1934年にかけて、400人を殺したとアルバートフィッシュは供述し、そのうち立証できたのが100件です。

満月の狂人という呼び名は、アルバートフィッシュが満月に事件を起こしていることが多いことから、つけられました。アルバートフィッシュはサイコパスとしても有名です。世界中を震撼させたアルバートフィッシュ事件について、見ていきましょう。

アルバートフィッシュが起こした大量殺人事件とは
最初の殺人事件

1910年、アルバートフィッシュは最初の殺人を犯します。逮捕されたアルバートフィッシュの自供で判明した殺人事件ですが、立証はできていません。後に離婚しますが、まだアルバートフィッシュが結婚生活を続けていた頃のことです。痛みに苦しむ幼児の顔が見たいという欲求に勝てずに、アルバートフィッシュは犯行に及んだそうです。

犠牲者は供述によると19歳の少年で、知的障がいをもっていたようです。そこに付け込み、アルバートフィッシュは少年を古い家屋に連れ込み、2週間もの間ずっと拷問を加えたあげく、少年の男性器を切断したそうです。

自分の手で少年を殺すつもりでした。けれど気温が高い季節で、死んだ少年の腐敗臭に気づかれ捕まる可能性に思い至ります。そして切断した男性器だけを持って、少年を置き去りにしました。アルバートフィッシュは少年がその後どうなったか知らないと供述しています。
1919年の殺人事件

アルバートフィッシュはニューヨークでやはり知的障がいを持つ少年を何度も切り付けて殺害し、死体を解体しました。ワシントンでは少年をボート小屋に連れ込み、拷問の末に殺しています。
1924年以降殺人が加速

この頃アルバートフィッシュは離婚し、アメリカの23州を放浪し各地で殺人事件を起こしました。1924年にはロングアイランドで8歳の少年を誘拐し、殺しています。暴行を受け、木につるされた少年の遺体が後に発見されています。

遺体の左足は皮が向けて、肉が見ていてる状態だったそうです。アルバートフィッシュの供述によると、この時男性器を切り取るつもりだったけれど、人が近づいてきたので逃げたそうです。これ以降、アルバートフィッシュの殺人が加速していきます。
1927年の殺人事件

1927年には3人で遊んでいた少年たちの1人、4歳の少年を誘拐しました。残された2人の少年は無事だったため、警察に証言してます。周囲の騒ぎなど気にせず、アルバートフィッシュは4歳の少年を監禁します。強姦のみならず、様々な拷問をしてから殺します。

遺体をバラバラにして、太ももと胴体以外を、重石を入れた袋に入れて、湖に遺棄します。残した太ももと胴体ですが、4日かけてアルバートフィッシュが食べています。生であるいは調理して、その味を堪能して食べきったそうです。湖に捨てられた遺体は発見されていません。

1927年、他にも少年が2人殺害されています。これらもアルバートフィッシュが起こした殺人事件ではないかと言われていますが、立証はできていません。
6度逮捕されているが殺人容疑でなはい

これだけ人に見られながら殺人事件を起こし、なぜ捕まらなかったのか不思議に思う人もいるでしょう。実はアルバートフィッシュは6度ほど逮捕されています。しかしそのどれもが窃盗などの軽犯罪でした。アルバートフィッシュの外見が、温厚で知的な紳士然としていたため、誰も彼が凶悪な殺人犯だなどと思わなかったのです。
1928年の殺人事件が逮捕のきっかけ

1928年6月3日、アルバートフィッシュはグレース・バッドという10歳の少女を殺害します。けれど、当初の目的はグレースではなく、兄のエドワードという18歳の少年でした。5月28日にエドワードが働きたいと新聞の求人広告を出し、それがアルバートフィッシュの目に留まりました。アルバートフィッシュは偽名を使い、バッド家を訪問します。

バッド家では、ニューヨークに大農場を持つオーナーと名乗ります。その時にグレースに出会い、ターゲットがエドワードからグレースに変わりました。待遇の良さにバッド家の人も、最初はアルバートフフィッシュを怪しいと感じました。けれど数回にわたりアルバートフィッシュがバッド家を訪れるうちに、信頼されるようになりました。

アルバートフィッシュはエドワードと彼の友人を雇用すると約束します。そして6月2日に、バッド家を訪れたアルバートフィッシュは、近くに妹がいて妹の孫の誕生会が開かれると言い、グレースも参加しないかと声をかけます。グレースは喜び、両親は快諾します。アルバートフィッシュはグレースを誘いだし、事前に見つけていた空き家に連れていきます。

グレースの返り血を浴びないよう全裸になったアルバートフィッシュは、2階のクローゼットの中に隠れてから、庭で待たせていたグレースを呼びます。2階に上がったグレースは、全裸のアルバートフィッシュに泣きだし、逃げ出そうとします。アルバートフィッシュはグレースを押さえつけ、抵抗されながらも全裸にして首を絞めて殺します。

グレースの血を飲み、肉や臓器を9日間かけて食べたようです。そして6年後の1934年11月11日、アルバートフィッシュはグレースを殺して食べたことを詳細に記した手紙をバッド家に送ったのです。当然この手紙は警察に届けられ、この手紙が、アルバートフィッシュの逮捕のきっかけにりました。

アルバートフィッシュの犯行には性癖が色濃い
アルバートフィッシュの性癖

アルバートフィッシュの殺人は彼の性癖がよく出ています。拷問、強姦そして遺体を食べています。この性癖については、アルバートフィッシュの生い立ちを調べれば、性癖に目覚めたきっかけがわかります。彼の生い立ちと性癖に目覚めたきっかけを見ていきましょう。
孤児院での虐待

アルバートフィッシュが5歳の時、父が亡くなりました。母は幻覚症状に悩まされ、アルバートフィッシュを孤児院に預けました。この孤児院では、寮母が子供たちに鞭をうつことで規律が守られていました。

そしてこの寮母の規律によって、アルバートフィッシュは自分に被虐と嗜虐という二つの性癖があることに気づきました。子供が鞭で打たれるのを見て、自分が鞭を打たれて、性的興奮を覚えていたのです。
母に引き取られ兄との再会

アルバートフィッシュが9歳の頃、母がアルバートフィッシュを引き取りに来ます。そしてアルバートフィッシュは、軍隊を除隊した年の離れた兄とも再会をします。兄はちょっとしたいたずらのつもりだったのか、アルバートフィッシュに戦場で見たと、人肉を食べる人の話を聞かせました。

アルバートフィッシュは熱心に兄の話、つまりりはカニバリズムについて聞き入っていました。被虐と嗜虐の性癖を持つアルバートフィッシは、さらにカニバリズムにも関心を示すようになったのです。
12歳で同性との性行為

アルバートフィッシュは12歳で電報配達人の少年と性行為を行いました。相手の少年も変わった性癖の持ち主で、アルバートフィッシュに飲尿や食糞の良さを教えます。サディズムとマゾヒズムを持ち、カニバリズムに関心の高いアルバートフィッシュに、飲尿や食糞という性癖が新たに加わりました。

飲尿、食糞を覚えた同時期に、アルバートフィッシュは自分が同性愛者で、特に年下の男の子を好むことを自覚するようになりました。性癖に同性愛者とペドフィリアも追加されます。ホームレスの少年を強姦するようにもなりました。
自慰は自分を痛めつけること

成長とともに新たな性癖が加わるアルバートフィッシュの自慰行為は、自分を痛めつけることでした。幼いころの孤児院での鞭打ちが忘れられないのか、売春宿で打ってもらうことも少なくありませんでした。そして、股間に針を刺す行為も好んで行うようになりました。
母の紹介で結婚と離婚

1898年、アルバートフィッシュが28歳の時、母の紹介で9歳年下の女性と結婚し、6人の子供を授かります。妻がいる間はアルバートフィッシュも落ち着いていて、自分の子供に暴力をふるうことはありませんでした。

しかし結婚から19年後、妻は他の男を連れてアルバートフィッシュのもとを去ります。婚姻関係は解消されていませんが、アルバートフィッシュのもとに妻が戻ることはありませんでした。
妻が去ってから性癖に歯止めがきかなくなる

妻が出て行ったあと、アルバートフィッシュは生の肉を好んで食べるようになり、子供たちにもそれを強いるようになりました。さらに自慰のための自傷行為が悪化していきます。自分で自分を痛めつけるだけではなく、子供たちに自分を痛めつけるように強要しだしたのです。

鋲が打ち込まれた板を子供たちに渡し、それで自分の尻を叩かせました。子供に尻を叩かれている間、アルバートフィッシュは自慰行為にふけり、満足するまで子供たちに尻を叩かせ続けていたのです。やがて子供たちはアルバートフィッシュを気味悪がり、ついには家を追い出されます。そして放浪生活が始まり、殺人事件が加速するようになったのです。
殺人を犯しても自傷行為は続けていた

子供たちを拷問して殺している間も、自傷行為は続けていました。アルバートフィッシュは主に股間周辺に針を打ち付ける行為を好んでいました。最初は刺してすぐ引き抜いていたのですが、深く刺すほど快楽が深まると知り、針を深く差すようになります。抜けなくなった針もあります。アルバートフィッシュのレントゲンを撮ると、性器周辺に合計で29本もの針が刺さっていました。

アルバートフィッシュは他人に痛みを与えることと、自分を痛めつけることは同じくらいの性的興奮を覚えると供述しています。自分に針を刺すだけではなく、ガスオイルを染み込ませた綿を直腸に入れ、火をつけて楽しむこともあったようです。そして被害者にも猿轡をして、針を刺したり焼いたりして性的興奮を覚えていたようです。
殺害した後は被害者を食べる

殺人の後、アルバートフィッシュは、被害者の肉や内臓、血や排泄物なども食べていました。被害者への拷問は、この食事を美味しく頂くための手段でもあったと供述しています。肉を柔らかくするため、アルバートフィッシュは、地獄の器具と名付けた、釘が打ち込んでいるベルトで被害者をなぶっていたようです。
精神科医がアルバートフィッシュの性癖を証言

精神科医は法廷で、アルバートフィッシュの性癖を証言しました。彼の性癖はサディズム、マゾヒズム、露出症、カニバリズム、汚食症、嗜尿症、小児性愛、陰門封鎖です。世界は広いので、1つや2つならばこのアルバートフィッシュの性癖を理解できる人もいるかもしれません。けれど全ての性癖を理解できる人はいないでしょう。

アルバートフィッシュとは世界的に有名なサイコパス
サイコパスの定義

犯罪倫理学者によると、サイコパスの定義は7つあります。あるバートフィッシュはこの7つの定義全てに当てはまります。殺人者として世界的に有名であると同時に、サイコパスとしても世界的にその名をはせています。
良心の欠如

良心の異常な欠如はサイコパスの定義の1つです。これはアルバートフィッシュに当てはまっています。良心が欠如していなければ、拷問、強姦、殺害の末、食べるということはできません。しかもこれらの行為は、100件も立証されてるのです。
他者に共感できない

他者に共感できないサイコパスだからこそ、殺人鬼なのでしょう。グレースの両親に対し、グレースをどう殺してどう食べたかという手紙を書けるのでしょう。この手紙はグレースの両親にとって刺激が強く、母はその場で失神したそうです。娘が殺されて食べられる描写、しかも食べた感想まで書かれてあったのです。

手紙にはお尻が柔らかくて美味しかったこと、シチューにしても美味しかったこと、全てを食べきるのに9日間かかったことが書かれていました。さらには強姦もできたが、しなかったから、グレースは処女のまま天に召されたとも書いてあったそうです。

まるで、美味しい食事をありがとうというお礼と、強姦しなかったことを感謝しろと伝えているようです。サイコパスでなければ、こんな内容の手紙は書けないでしょう。
罪悪感の皆無

このサイコパスの定義も、アルバートフィッシュに当てはまっています。アルバートフィッシュは拷問、強姦、殺人、カニバリズムに対して罪悪感はありません。その証拠に彼は電気椅子に掛けられた時、なぜ自分がここに座っているのかわからないといった旨の発言をしています。
慢性的に嘘をつく

これもアルバートフィッシュに当てはまるサイコパスの定義です。嘘をついて誘わなければ人を殺せないのですが、この嘘や殺人に躊躇がないのが異常です。
行動に対する責任が取れない

アルバートフィッシュに当てはまるサイコパスの定義です。最初の殺人を思い出してください。明確な殺意がありつつも周囲に気取られたら困ると、まだ息のある状態で性器を切り取り逃げ出しています。3人で遊んでいる1人を誘いだしたときも、性器を切り取ろうとして、気取られそうになり逃げています。何かあると逃げるのがアルバートフィッシュの習性なのです。
口が達者で表面は魅力的

せめてこのサイコパスの定義が外れていれば、ここまで被害は出なかったでしょう。しかし当てはまってるからこそ、6度も軽犯罪で逮捕されておきながら、殺人犯だと疑われることは一度もなかったのでしょう。グレース殺害の際、グレースの両親に信頼されたのでしょう。
自尊心高く自己中心的

自己中心的であるというサイコパスの定義には当てはまっています。自己中心的でなければ、ここまで好き勝手なことをできません。電気椅子に座った際に、どうして自分がここに座っているんだという疑問は口にできません。

アルバートフィッシュの性癖もすごいですが、サイコパスの定義がすべて当てはまっているのもすごいです。サイコパスの定義がすべて当てはまる人間は、世界中で何人いるんでしょうか?あまりいてほしくないものです。

アルバートフィッシュは映画出演している
世界中を震撼させたサイコパス、アルバートフィッシュは映画にも出演しています。ロブ・ゾンビ監督のデビュー作「マーダー・ライド・ショー」というホラー作品です。この映画の中に、アルバートフィッシュは一体の人形として、声で出演しています。

映画の内容は、ドライブをしていた4人が、博物館に立ち寄ることから始まります。この博物館にエド・ゲイン、アルバートフィッシュという有名な殺人鬼たちの人形が展示されているのです。そしてこの博物館の地元の殺人鬼の人形を紹介されて、4人が興味を持つところから始まります。グロテスクなシーンが多い作品ですが、気になる人は観賞してみてはいかがでしょうか?

アルバートフィッシュは多数の小説・漫画に影響を与えた
影響された小説

映画だけではなく、アルバートフィッシュは多数の作家に影響を与えました。スティーブン・キングとピーター・ストラウブが共同執筆した「ブラック・ハウス」には、アルバートフィッシュが言及されています。その他にも、アルバートフィッシュの手紙の一部が引用されています。
ケイレブ・カーという小説家の「エイリアニスト」という作品の中でも、殺人者による手紙が登場します。その手紙はグレースを殺害した後、遺族に送られた手紙と似た部分が多くあります。
影響された漫画
サイコパス殺人鬼のアルバートフィッシュ、世界だけでなく日本でも影響を受けた漫画があります。「保留荘の奴ら」という漫画の登場人物として出てきます。この作品、アルバートフィッシュだけでなく、アンドレイチカチーロ、切り裂きジャック、阿部定も登場しています。コメディ作品ですが、物議を醸しだした漫画でもあります。
恐ろしい殺人事件を起こした殺人鬼たちが面白おかしく生活しているものは、ただのブラックジョークではすませられないと、非難が殺到して連載は94話で終了しました。コミックスも発売しているのですが、このコミックスも、非難されているようです。

「保留荘の奴ら」に出てくる登場人物のモデル、アンドレイチカチーロの事件はまだ最近のことであり、被害者遺族が生きていることも考えられます。被害者遺族の気持ちを考えると、面白おかしいコメディ作品として扱うにはまだ早い、配慮が足りていないという声が多数よせられた作品でもあります。
アルバートフィッシュは伝説の殺人鬼

アルバートフィッシュは、殺害人数、殺害方法、サイコパスという点から、伝説の殺人鬼といえます。アルバートフィッシュの思考や性癖などを理解できるという人は、世界中を探してもなかなか見つかりません。そして理解できないからこそ、彼の存在が世界から忘れられることもなく、伝説の殺人鬼として名前が残り続けるのでしょう。