石粉粘土の使い方は?仕上がりがすごい100均の強度や乾燥時間を解説
石粉粘土が人気になっていますがご存知ですか?今回は、まるで陶器のような仕上がりの作品が作れると評判の石粉粘土の使い方をまとめました。100均で買える石粉粘土の強度や乾燥時間、着色方法など、注意点やコツを押さえた使い方を詳しく解説します。
石粉粘土とは?
石粉粘土を知っていますか?最近インスタなどで石粉粘土を使った作品が人気なんです。今回は、アクセサリーなどの作品が簡単に作れる石粉粘土の使い方をまとめました。100均などで手軽に手に入るクラフト材料の石粉粘土とはどんなものなのか、使い方や特徴、強度なども合わせて紹介します。

石から作られている粉
まず、石粉粘土とは何なのでしょうか?石粉粘土は石を細かい均等な粒子に砕いて接着剤などの薬品を混ぜ、粘土状にしたものです。紙粘土などの他の粘土と同様、色々な形を作ることができフィギュアやオブジェなどのアート作品、アクセサリーなども作ることができます。

石粉粘土はホビーや手芸用に幅広く用いることができ、その特徴のひとつに外気に触れた状態で放置すると乾燥して硬く硬化することがあります。硬化すると強度が生まれるので削ることも可能です。また、削りすぎてしまっても水を加えれば再び柔らかくなり、何度もやり直しがきくという利便性があります。

石粉粘土は乾燥することによって硬化するので乾燥後は軽くなります。乾燥して硬化した後は着色することもできますし絵の具などを混ぜ込んで色を付けることもできますので、作品の幅が広がりますね。しかも、手につきにくく表面も滑らかに仕上げることができるので扱いやすいクラフト材料です。

石粉粘土のおすすめは?
石粉粘土は100均で手に入ります。100均の店舗によって石粉粘土は使い方や特徴の違いがあるのでしょうか?代表的な100均のセリアとダイソーの石粉粘土を比較しました。使い心地などをそれぞれみてみましょう。

石粉粘土(セリア)
セリアの石粉粘土はひとつ100g入りです。わりと柔らかめの手触りで、何か他の素材を芯にするとき、パーツ同士をくっつける時などもくっつきがよく粘りもあります。

セリアの石粉粘土が硬化した後は毛羽立ちもさほど気にならずやすりをかける前でも表面はかなり滑らかなようです。実際に使った人の声では削った感触も強度がありそうで細かいやすりでみがけば表面がツルツルになりそうだとのことなので、粒子がきめ細かいようです。

セリアの石粉粘土の特徴としては、ひとつのパッケージに入っている量は少なめですが、粒子がきめ細かくて柔らかいため練りやすく、手にも付きにくいようです。柔らかい分、型に入れて成形しようとすると少し外すときなどに歪みやすいかもしれません。年度の色が白いので着色するときも発色がいいです。
石粉粘土(ダイソー)
パイレーツオブカリビアンの猿のジャック製作中
— ブッチ (@bucchigoupsei) November 28, 2018
第三形態ぐらいで顔が完成!あとはボディーだ!#石粉粘土 pic.twitter.com/oDAzKAJtRR
ダイソーの石粉粘土は、石粉粘土としては普通の硬さで、乾燥したときの縮み率も普通、反りもでにくくなっています。手触りはべたつきにくいですが、その代わり乾いてくるとすぐにまとまりにくくなり、くっつきがあまり良くない反面もあります。

滑らかさでいうと繊維が多めな印象で毛羽立ちが目立ちます。やすりがけをした方がいいかもしれません。着色しやすさは問題ないようです。セリアに比べ硬さがあるのでナイフでカットするときは切りやすいものの、カットするときも少し毛羽立ちが気になる人がいるようです。

ダイソーの石粉粘土のいいところは何と言ってもそのコストパフォーマンスです。100g入りのセリアに比べ、ダイソーは倍の200g入っているのでたっぷり使えます。扱いやすさや仕上がりの美しさに関してはセリアに負けますが、安いので、はじめて100均の石粉粘土を使う人はまずダイソーで買ってみてどんなものなのか試してみるのもいいでしょう。

石粉粘土は強度が違う?
手でこねたり削ったりと造型に適した粘土といえば紙粘土も一般的ですよね。子供の頃工作で使ったことのある人も多いのではないでしょうか?紙粘土やその他の粘土と石粉粘土は強度などどう違うのでしょう。

紙粘土よりも強度がある
石粉粘土が紙粘土と違う点のひとつは、強度です。紙粘土は乾燥させると割れることもありますが、石粉粘土は紙粘土よりも割れにくく強度があります。かなり硬くなりますし表面も滑らかなので着色してニスを塗るとまるで本物の陶器のようです。

石粉粘土の強度を上げるためには使い方の手順があります。購入してきた石粉粘土を袋から出してすぐに成形を始めると、乾燥させたときにひび割れしやすくなり強度が落ちてしまいます。始めに必要な分をちぎったらよく練りましょう。

石粉粘土の作り方<造形>
紙粘土と同じ使い方
石粉粘土の使い方は紙粘土とほとんど同じです。紙粘土なら子供の頃一度は使ったことがある人が多いのではないでしょうか?使い方を忘れてしまったという人、使ったことがないという人の為に詳しく説明していきます。

石粉粘土で作品を作り始めるときは、まず袋から出した粘土を必要分ちぎりよくこねます。よくこねることで水分が全体に均一に行き渡ります。こねていくうちに水分が足りなくなるので少し水を足してこねましょう。

はじめに少し水分を足してよくこね、柔らかくすることで作業もしやすくなりますし後で乾燥させるときにもひび割れしづらくなりますよ。造形の作業中にも乾燥してしまうと作業がしづらくなるので霧吹きや水を入れた容器を用意しておいて手を濡らしながら作業していくとよいでしょう。

大きな作品を作るときには大まかな形をある程度作った上で細かい部分を作りこんでいくやり方がおすすめです。手早くできる人は始めから一気に作っていっても大丈夫です。細かいパーツを付け加えたいときには接着面同士を水で濡らしてくっつけることもできます。

石粉粘土は乾燥後も削って形を変えることが可能です。表面に細かい模様など彫りたいとき、彫刻のように仕上げたいときなどには乾かしてから削ってもよいでしょう。表面を陶器のようなつるっとした状態にしたいなら表面を水で濡らして滑らかに仕上げることもできますよ。
石粉粘土の作り方<着色>

乾いたら着色もOK
石粉粘土は乾燥後に着色することもできますよ。アクセサリーなどの小さめな作品だと一晩で着色できるくらいに乾燥します。好みにもよりますが、なめらかな表面に仕上げたいときは乾いた後で表面にやすりをかけるとよいでしょう。表面が毛羽立っていることもあるので細部まで丁寧にかけましょう。

石粉粘土の着色は100均で売っている水彩絵の具でもできます。今から石粉粘土を始めてみようという初心者ならいきなり高価な道具を揃えなくても100均のものでまずはやり方をつかんでみるのもいいですよね。石粉粘土自体も100均で手に入りますし、粘土用のへらなど必要な道具はほぼ100均でそろいます。

乾燥させた石粉粘土作品に着色していきましょう。水彩絵の具の普通の使い方で大丈夫です。筆や指先についた絵の具を洗うために水を用意し、パレットがないという人は小皿やクッキングシートの上でも代用できます。

作品が小さくて手で持ちながら塗りづらい場合はマスキングテープが活躍します。使い方は、マスキングテープの接着面を外側にしてくるっと丸め、作品の裏に貼りつけて持ちます。縁を持たなくてもいいので指の跡が付きにくいですね。もちろん色を塗り分けるためのマスキングとしての本来の使い方も便利です。

アクリル絵の具は使用できる?
アクリル絵の具で石粉粘土作品を着色することもできます。アクリル絵の具は速乾性、耐水性に優れ、変色もほとんどしない塗料です。乾燥後の作品にアクリル絵の具で着色する場合はまず表面をやすりなどで滑らかに整え、絵の具の原液を使って塗りましょう。

アクリル絵の具を水で薄めることもできるのですが、薄めすぎると乾くのに時間もかかり、質感も良くありませんのでおすすめは原液か、薄めるならごく少量の水にとどめましょう。
細かい模様などは油性ペンで

油性ペンを使うと模様や細部も着色が簡単です。絵の具は持っていないし水を用意したり手や作業台が汚れがちで面倒だという人には特におすすめです。広い面は絵の具で着色し、細かい部分は油性ペンでと2種類の道具で用途を分けた使い方もできますね。

油性ペンは発色が良く色も豊富で太さも選べるので使える道具です。ペン先の細いものは動物の顔や人の髪の毛、細かい模様など描くのに適しています。乾燥した石粉粘土の上から塗ってもいいですし、ニスの上からでも塗ることができますよ。

石粉粘土の着色方法は個人の好みや作品に合った方法で選んでくださいね。絵の具の場合も油性ペンを使う場合も、石粉粘土はしっかり乾燥させてから着色作業を始めてください。
絵の具を直接混ぜて着色しても

絵の具は石粉粘土に混ぜて着色する使い方もできます。ラップの上に置いた石粉粘土の上に絵の具をたらし、ラップで包んでこねると手も汚れにくくおすすめです。混ざったら粘土を伸ばして形を作っていきましょう。

石粉粘土に絵の具を混ぜて色を付けるときは、しっかり混ぜて均一に着色することもできますし、完全に混ぜずにマーブル模様を作ることもできますよ。マーブル模様にするときは後で形成するときも少し混ざることを考慮し、混ぜすぎないように注意しましょう。
石粉粘土の作り方<乾燥>

焼かなくても陶器風の仕上がり
石粉粘土は陶器のように成形後に焼く必要がありませんが、焼かないのに陶器のような仕上がりになります。ニスを塗らないでそのまま乾燥させただけだと素焼きのような風合いや石像のような仕上がり感が楽しめます。乾燥、着色後にニスを塗るとつるっと滑らかな質感の陶器風になります。仕上げの方法で風合いが変わるのは楽しいですね。

石粉粘土を乾燥させるときは、表面だけ、上だけなど場所によって乾燥状態にむらがでるとひび割れの原因になりますので注意しましょう。表面がべとつかない程度に乾いたらガーゼで巻いておくと表面だけの乾燥を防げます。小さい作品ならティッシュで巻いても大丈夫です。

置いたまま乾燥させると上と下で乾燥の度合いに偏りが出てしまいますので半日おきくらいに位置を変えましょう。新聞紙など下に敷いておくと水分を吸収してくれると共に急に乾燥しすぎるのも防いでくれます。立てて置いているものは横にしてみたり、球状やサイコロ状のものは時々転がしてみたりして均一に乾燥させるようにしましょう。

大きい作品を作る時は新聞紙を硬く丸めたものなどを芯にして作ると中心まで乾燥する時間を短縮することができます。また芯を使うことで作業が早くもなり使用する石粉粘土の量も少なくて済みますので時間と費用の節約にもなり一石二鳥ですね。
お尻が乾かないから…#石粉粘土 pic.twitter.com/dFHYxbAs4H
— お菓子なふたり展(12月5日〜13日 The 14th MOON) (@takaramonopaste) November 25, 2018
石粉粘土の乾燥時間は、数センチ幅、3mm程度の厚さのアクセサリーなら2日程度で中まで乾きます。夏場は少し長めにみて3日ほど乾燥させましょう。もっと大きなフィギュアやオブジェを作る場合は1週間以上かかる場合もあります。中に芯を入れずに作った場合は特に中心部まで乾くには相当な時間が必要ですので大きいものを作るなら芯を入れましょう。

充分乾燥していない石粉粘土作品を扱うときは割れに注意してください。半日ほど経つと表面が乾燥しているので乾いたように見えますが、中まで充分乾かない状態で作業をすると、強度が足りず作業中にパキッと割れてしまうことがあります。早く仕上げたいところですが我慢して、しっかり乾いて強度が増した後で着色ややすりがけといった作業に移りましょう。

石粉粘土の作品ギャラリー
石粉粘土で作った作品をいくつかご紹介します。乾燥させただけの粘土とは思えない芸術的な作品から、初心者も作れそうなかわいらしいアクセサリーまで、眺めていると今すぐ石粉粘土を買いに100均に行きたくなりそうです。

こちらは香港の学生さんの作品です。石粉粘土は海外でも人気のようですね。カラフルな花をたくさんあしらった時計ですが、色彩の派手さにもかかわらずアンティークのような雰囲気もあります。思わず何度も時間を見てしまいそうな目を引く時計ですね。

こちらは見事な花束ですね。細かいところまで作りこまれていて、本物の花のように繊細です。薄い花びらも強度のある石粉粘土ならここまで表現できるんですね。

こちらは可愛らしいクリスマスオブジェです。全て石粉粘土で作ったのではなく、マトリョーシカが土台になっているそうで、粘土で肉付けして色づけされています。動物の表情がいいですね。

こちらは石粉粘土のランプシェードです。木の上に乗ったサルたちの表情がそれぞれ違って、立体的で丸い形のデザインはどの方向から見ても楽しい作品になっています。

とても美味しそうなクッキーと思いきや、これも石粉粘土です。100均の石粉粘土で作ったミニチュアスイーツは質感といい色合いといい本物そっくりですね。

こちらも100均の石粉粘土を使った作品です。ガーデン用のバスケットのような大きなものも作れるんですね。素焼きの陶器のような質感がナチュラルで素敵です。ガーデニングがもっと楽しくなりそうです。

石粉粘土はアロマストーンにもなるんですね。ダイソーの石粉粘土を使っているそうですが100均の材料とは思えない高級感がある作品です。とても細かい細工は型を取るのでしょうか?
石粉粘土アクセサリー

可憐な印象のスミレの花のピアスは色彩がとてもきれいです。どの色も欲しくなりますね。こんな小さなアクセサリーなら初心者でも作れるかもしれません。

とぼけた表情と優しい色使いがかわいいこちらの作品はブローチでしょうか?いくつか一緒に付けたくなりますね。裏の止め具を替えればピアスやペンダントなどいろいろなものにできそうです。

こちらもバラエティーに富んだモチーフの作品です。ニスを塗っていないので素朴な印象です。一見まるで子供が作ったようにも見えますが、色使いなど工夫されていて面白い作品ですね。ブローチかマグネットにするとのことです。

こちらは石粉粘土のモチーフにタッセルをあしらったアクセサリー作品で、イヤリングにもブローチにもなりそうです。丸い石粉粘土とタッセルの色合いもマッチしていてデザイン性が高いですね。

ビビッドなカラーにボリュームがあってとても存在感のある石粉粘土のリングですね。少しだけいびつな形も味があっておしゃれです。粘土で手作りするならサイズも思いのままですよね。

石粉粘土の使い方をご紹介してきました。しっかり練って作ることと乾燥させることを守れば石粉粘土は強度もあり扱いやすくて使えるハンドクラフト材料です。着色のありなしや表面の仕上げの仕方でいろいろな質感も楽しめる石粉粘土作品はハンドメイドの幅が広いですね。今回紹介した使い方や作品例を参考に素敵な石粉粘土作品を作ってみてください。