蛇にピアスのネタバレ!あらすじ&結末と感想レビューなどをご紹介!
2008年に公開された吉高由里子さん主演の人気映画「蛇にピアス」。かなり刺激の強いシーンが多い映画ですが、今回はそんな蛇にピアスのネタバレをここで大公開します。簡単なあらすじから結末のネタバレ、原作との違いや口コミなどの感想も合わせてご紹介します。
目次
「蛇にピアス」のネタバレを知りたい
「蛇にピアス」とは

蛇にピアスとは、日本の小説家である金原ひとみさんの書いた小説が原作です。金原ひとみさんのファンは知っての通り、彼女のデビュー作こそがこの蛇にピアスという作品に当たるのです。そして130回目の芥川賞にも受賞し、全国で有名な作品となりました。その後、皆さん知っての通り2008年に吉高由里子さんや高良健吾さんら主演の映画として上映され大ヒットしたのです。

蛇にピアスは映画化されてさらに知名度が上がりました。そして全国の人々が衝撃を受けた過激な作品でもあります。賛否両論あり映画界ではあまり評価されている感想は見受けられなかったようですが、結果的には時代を超えて話題となっている大作です。上映から約10年経過していますが、未だに蛇にピアスの様々なシーンや結末が印象づいている人も少なくないようです。
蛇にピアスのあらすじ•ネタバレを見る前の注意点

蛇にピアスは大変過激なストーリーとなっていて、本当に賛否両論分かれる作品となっております。未成年の女の子を主人公として作品で、不正行為と捉えられるシーンも多くあるでしょう。蛇にピアスを観た人の中には理解ができない、観ていて気分が悪いなどの感想を持つ人もいるのは確かです。ご自分の好みをよく考えた上でネタバレを読み、本作を観るのがおすすめです。

また、少しネタバレをするとこの映画には人が亡くなる表現が含まれています。そのようなシーンやストーリーを苦手とする人もやめておきましょう。あらすじやネタバレ、感想にも含まれていますのでご注意下さい。人によっては不快に感じる場合もありますが、作品としては非常に考えさせられる良作となっています。是非楽しみながらあらすじ、ネタバレをご覧下さい。

「蛇にピアス」のあらすじ&ネタバレ
あらすじ&ネタバレ①登場人物

あらすじの前に軽く蛇にピアスの登場人物をご紹介します。まずは主人公である19歳の女性「ルイ(役•吉高由里子さん)」。アマという男性のスプリット•タンに魅了され身体改造に目覚め、アマと同棲するなどの交際関係に至ります。そして、その「アマ(役•高良健吾さん)」という男性はスプリット•タンの他に顔中のピアスや腕に派手な刺青を入れているといった容姿をしています。

しかしアマはルイに忠実で、彼女には無条件に従う姿を作中で見せています。そして蛇にピアスでもう一人重要な人物が「シバ(役•井浦新さん)」という身体改造のオーナーです。刺青やピアスなどの施術を行なっていて、ルイやアマの身体改造も彼が行なっています。かなりのサディストで、ルイとは体の関係を持っています。登場人物に関してはこのようなあらすじとなります。
あらすじ&ネタバレ②登場人物らの出会い

ここからは蛇にピアスのストーリーに関するあらすじとネタバレです。蛇にピアスの主人公であるルイは生きているという実感を持てず渋谷の街を彷徨っていたところ、アマという男性に出会います。登場人物のあらすじでも書いたように、アマは顔面に大量のピアスと腕には派手な刺青が入っています。そんなアマの蛇のように裂けた舌、スプリット•タンにルイは魅了されるのです。

ルイとアマは出会ったその日に男女の関係を持ち、同日から同棲が開始されます。その後アマは自分の身体改造を施してくれたシバをルイに紹介します。そしてルイはスプリット•タンになるべく、舌にピアスを開けるのです。アマとシバの二人と出会ったルイは二人の刺青に魅力を感じ、次第に自分も刺青を入れたいと考えるようになります。これが蛇にピアスの三人の出会いです。
あらすじ&ネタバレ③アマの起こした事件

ある日ルイはアマと出会ったこと、ピアスを開け出したことについて友人であるマキに話します。心配するマキにルイはアマを紹介するため三人で食事へ出かけます。その帰り道にセンター街を歩いていると二人組のチンピラにナンパをされます。それにキレたアマは二人組を殴り大ごとに。そこへ駆けつけた警察のサイレンが聞こえてルイはアマを連れて逃げ去ったのです。
あらすじ&ネタバレ④ルイとシバの関係

ルイはシバに龍と麒麟が絡み合うデザインの刺青を入れて欲しいと頼みます。麒麟と龍が飛んでいかないようにという願いを込めて、どちらも瞳を入れないでもらうことに。そしてシバはルイに刺青を入れる代償として体の関係を求めます。その要求を飲んだルイは刺青を入れる度にシバと体を重ねていくのです。二人が愛し合うシーンも映画に含まれ、非常にリアリティーがあります。

ネタバレをするとシバと愛し合うシーンは過激です。シバはサディストであるため、ルイの首を締めて苦しそうにする姿を見て楽しむというシーンがあります。ルイが嫌がる様子もなく体を重ねているため、二人の姿に驚愕する人も多いでしょう。少数な性癖の登場人物を描いているため、あらすじとネタバレを見て苦手に思う方は本作を映像で観るのはおすすめできません。
あらすじ&ネタバレ⑤ルイの欲求

ルイの開けた舌のピアスは徐々に拡張します。無理に広げると危険であることをシバは忠告しますが、ルイはさらにピアスホールを拡張し続けます。そして刺青はのちに完成し、同時にルイは自分の生きる意味を失います。ルイは痛みを感じている間のみ生きている実感を抱けることに気付くのです。そしてそこから自分を殺すのはアマとシバのどちらだろうかと想像を巡らせます。
あらすじ&ネタバレ⑥アマを匿う

ある日ニュースでルイはアマが殴ったチンピラの団員が死んだというニュースを観て、アマが捕まってしまうことを恐れます。そしてルイはアマの特徴であった赤い髪をアッシュカラーに染め、刺青は見えないように長袖を着るよう促します。アマはそのニュースを知らず、ただただルイに従って容姿を変えています。そんなアマはルイには無条件に従順であることがわかります。
あらすじ&ネタバレ⑦アマの行方不明

そんなある日アマは突然姿を現さなくなります。警察へ捜索願を出そうにもルイはアマの本名など個人情報を何も知らず、シバに助けを求めます。シバによって捜索願を出せたものの、ルイは酒に溺れた生活を送りやせ細っていたためシバはしばらく自分と一緒に暮らすよう言い渡します。その後はアマが見つかることを願いながらルイはシバの元で生活するようになります。
あらすじ&ネタバレ⑧アマの死体が発見される

そして遂に警察からの連絡が入り、アマが無残な死体となった状態で発見されたことを知らされます。アマの遺体には無数につけられたタバコを押し当てられた痕、剥がされた爪、そして陰部にはエクスタシーというお香が差し込まれていました。ルイはその知らせによってアマが見知らぬ誰かによってレイプされていたことを知ります。直後、アマを殺した犯人は見つかりませんでした。
あらすじ&ネタバレ⑨犯人の真相

生きる気力を失ったルイを救ったのはシバで、その後はシバとともに暮らします。しかし、その中でルイはあることに気付くのです。アマが陰部に刺されたというお香がシバの家にあるということ、そして押し当てられていたタバコの銘柄がシバのものと一致することに。そしてシバはルイにアマと肉体関係にあったこと、ルイを自分のものにしたくなったことを明かすのです。
あらすじ&ネタバレ⑩結末

最後にルイは入れていた刺青の龍と麒麟に瞳を入れたいとシバに要求します。瞳を入れなかったのには「二人にすがっていたい」という想いから行ったこと。アマを亡くし、シバがアマを殺したという事実も知ってしまったルイはその想いを断つ気持ちを刺青の瞳に込めたのでしょう。そして最後ルイは渋谷のスクランブル交差点でうずくまり顔を上げたところで映画は終わります。

「蛇にピアス」の結末は妊娠を意味?<ネタバレ>
『蛇にピアス』のあの結末ってさあ、あれはべつに「預言」ではないと私は思うよ♪
— 💝かくれんぼ💝 (@NYANHAMA323) October 10, 2014
蛇にピアスの結末はとてもわかりづらく、様々な憶測が飛び交っています。あらゆるあらすじやネタバレなどで予測されているのは「妊娠説」です。ルイが最後の結末の部分で一人うずくまるシーン。ここにアマかシバの子供を身ごもっているという解釈ができるのではないかと言われているのです。映画では妊娠という表現はなく、視聴者の連想で妊娠という結末を想像しています。
蛇にピアス妊娠説の理由(ネタバレ)①アマとの子を妊娠
初めて観てみた!
— きょんくま (@kyon_kuma_kuma) November 25, 2017
痛々しいだけかと思いきや、ここまでのお話を作るって凄いΣ(・ω・ノ)ノ!
ルイは最後、アマの子を妊娠してるよね?☪︎*。꙳#映画 #蛇にピアス #別世界 #やばい寝れない pic.twitter.com/KZg4oFYXs1
蛇にピアスでアマが亡くなった後ルイは愛の証である歯を砕いて飲むというシーンがあります。これはアマへ求めていた愛を自分の一部にした、または一部になったという儀式のように捉えられます。つまり、ルイはアマとの子を妊娠していることを知っていたのではないかという風に考えられるのです。そして結末にルイはあれだけ続けたアルコールもその後やめて水を飲み安定した姿に。

そして蛇にピアスの代表的なワードでもあった身体改造。これをルイはやめて、スプリット•タンをするための拡張も終わらせます。今まで自傷行為をしていたルイの依存的行動が解消されて行く姿は、もしかすると妊娠したことが原因なのではないかと言われています。妊娠をしたから、アマの分身がいるから結末で自立する決意をしたのではないかというのがアマとルイの妊娠説です。
蛇にピアス妊娠説の理由(ネタバレ)②シバとの子を妊娠

あらすじとネタバレにもあったように、蛇にピアスの作中でルイはシバと何度も体を重ねています。刺青を入れる度にシバと体を重ね、そしてアマが行方不明になってからは一緒に暮らしています。当然シバとの子供を妊娠している可能性は大いに考えられるのです。結末でシバがアマを殺した犯人であったこともあるので、例えシバとの子でも共に居続けることはないでしょう。

シバとの子を妊娠したと考えると、結末でルイがお腹を抱えたシーンはこれからのことについて覚悟を決めようとしているように考えられます。自分の行為によって二人の男性を失ってしまった罪の意識を受け入れる姿であったかもしれません。蛇にピアスは結末にはっきりとした描写がないため、もしかすると妊娠は関係なく彼女自身の独り立ちする姿を描いた結末の可能性もあります。
蛇にピアスで妊娠以外で予想できる結末の真相

蛇にピアスがまず妊娠という結末が連想されたのは、ルイの自立して行く姿にあったと考えられます。しかしあらすじにもネタバレにもある通り、ルイが妊娠したという事実はありません。この作品はルイの生きる意味がわからない、自分の存在を外部から感じ取ろうとする姿の変わりようがメインのストーリーです。妊娠以外で考えられる蛇にピアスの結末はどれも非常に単純です。

二人の男性の人生をくるさせてしまった自分への戒めを表す結末。アマを失ったことで我に返ったという結末。犯人の真相を知ったことで我に返ったという結末などが想像できます。蛇にピアスは肉体関係を表すシーンが多かったので、それが妊娠という発想に繋がったとも言えますね。本来の真相は作者にしかわかりませんが、蛇にピアスはそれぞれ感じたことが真相なのでしょう。
「蛇にピアス」のみんなの感想<ネタバレ>

ここからは蛇にピアスに対する感想をご紹介します。ここでも蛇にピアスの本編に関するネタバレ要素が多く含まれているので、苦手な方はご注意下さい。蛇にピアスはかなり意見の別れる映画で、感想も賛否両論。考えさせられたという感想も、蛇にピアスを不快に感じるという感想もどちらもあります。それだけ蛇にピアスはリアリティーがあり影響を与えたということでしょう。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)①シーンがセクシーすぎる
蛇にピアスをばーちゃんが寝てる横でイヤホンで見てたけどえっろいなこれ…びびったわ…
— きなこ (@04ysc_m) September 30, 2018
蛇にピアスのネタバレでもあったように、セクシーなシーンがあまりにも多すぎて家族とは見れないなどという感想を持つ人が多いです。吉高由里子さんの思い切り露出されたシーンなどは同性でも緊張してしまうほどにリアル。しかも蛇にピアスは偏った性癖のある登場人物がいるため、苦手と感じる人も少なくありません。蛇にピアス特有のストーリー性が影響した感想ですね。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)②考えさせられる
いつみても蛇にピアスがやっぱ好きな映画
— 小悪魔さな🔪 (@heidiloverRoki) October 22, 2018
みるとなんか苦しくなるけどw
蛇にピアスで登場する人物は全員何かについて悩みや苦しみを抱えています。そして衝撃の結末に誰もが考えさせられたと感想を述べます。身近な人物にいるわけではないものの、そのような人生や人間関係が現実にあることは事実。その事実を蛇にピアスを通して実感するのでしょう。非現実のようで現実的な蛇にピアスは決して他人事のように済ましきれないものがあります。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)③共感した

中にはルイの依存する気持ち、痛みに生きているという実感を見出す行為に共感する人がいます。ネタバレでも書いたように蛇にピアスではルイの自傷行為がかなり目立ちます。しかし、それはルイが自己肯定感が低いことによるもの。人は誰でも多少の劣等感を持ちながら生きていますから、生きすぎるとこうなるのだろうという恐怖を共感とともに感じてしまうのでしょう。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)④アマが素敵
蛇にピアス軽く観たけどアマかわゆすぎ pic.twitter.com/LBzEZc1koI
— ❝쓰레기❞( スレギ) (@Oo0Gomi0oO) June 15, 2018
アマはルイに対してとても従順で素直な姿を見せています。その姿を可愛いと感じる女性視聴者が大変多いです。蛇にピアスで一番人気なのはアマかもしれません。だからこそ最後の結末で妊娠しているとするならアマであってほしいと考える人も。ルイが妊娠していたかどうかはわからないのですが、ルイもアマを非常に愛していたためその方が嬉しいという感想になるのでしょう。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑤アマの死の結末に衝撃
休憩中に蛇にピアス見てたんだけどさ、アマが死んだところで泣きそうになった😂
— 🌼りんたそ🚗💨 (@tasomaru_1215) November 7, 2018
アマが突然行方不明となり、結果死んでしまったという結末は蛇にピアスでもっとも衝撃が走った瞬間。しかもその犯人がシバとなれば見た人は恐怖にも感じられるでしょう。アマが亡くなったことで明らかになった事実が多かったため、感想にはそのことが印象的であったと多くの人に語られています。人気のあるアマという人物が亡くなったというのも原因でしょう。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑥結末の意味がわからない
蛇にピアスの結末よくわからんかった。
— 七海 (@myutnnm19) June 17, 2017
蛇にピアスはネタバレでも説明しきれないほど結末が複雑に仕上がっています。そのため、蛇にピアスの本編を見た人もネタバレを見た人も意味がわからないという感想に至る場合も多いです。蛇にピアスは何を伝えたいのか錯乱している印象を持たれやすい作品です。しかし結果としてはルイの人生についてもがく姿に注力すると話が入りやすくなるので何度も観るといいでしょう。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑦不愉快に感じる

蛇にピアスはピアスや刺青などを入れる未成年の姿、それを許しまた体の関係を持つ大人の姿などが描かれています。そんな蛇にピアスを見て誠実さや真面目さを感じることは難しいでしょう。それらの不正行為を快く観ることができない人も当然出てきます。蛇にピアスの評価に振り幅があるのはそれがほとんどの原因です。蛇にピアスは覚悟をして観る必要がある映画なのです。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑧現実にありそうで怖い

ルイが最初から自傷行為をしていたわけではなかった分、その変わりゆく姿がリアルに感じられるのでしょう。蛇にピアスを見て、きっかけさえあれば現実でも起こりうると感じた人も多いでしょう。実際に自傷行為をする人はしている人に憧れ、その痛みに心地良さを感じハマる人もいます。蛇にピアスのように殺人にまで至るかは別として、可能性を感じると恐怖を覚えます。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑨ルイの成長に感動

蛇にピアスの最初の方ではルイの過激な自傷行為が止む様子はありません。むしろどんどんハマって行き、自分は意中の男性に殺されることを望み出しました。そんなルイがアマを失いシバとも決別して一人で生きてゆこうとする姿に見た人は心を動かされています。決して正しいことをしたとは言えませんが、人生失敗は付き物。これからのルイを応援するような声も多数あります。
蛇にピアスの感想(ネタバレ)⑩刺青への偏見

蛇にピアスで行われている刺青の入れ方があまりにも印象深く、現在でもそのような場所ばかりと考える人は結構います。しかし、現実で刺青を入れてくれるお店は体の関係を求めるような場所は滅多にありませんし、刺青を自傷行為として行う人も少なくなっています。刺青にも様々な意見がありますが、最近ではただのオシャレとしても利用している人もいると理解しましょう。

「蛇にピアス」の原作と映画の違いは?<ネタバレ>
蛇にピアス見直す pic.twitter.com/7fLX9I0TFc
— ショーーーーー⁇ (@tact_Snake_Tang) December 2, 2018
蛇にピアスの元は当然小説。原作と映画のストーリーにほとんどの差はありませんし、忠実に描かれています。ちなみに原作でも結末は妊娠していたなどという描写はなく、妊娠説の真相は原作でも明らかではありません。しかし、そんな映画と原作とで違和感を感じた部分がある人は少なからずいるようです。原作を知る人が言う活字との差がどのような所にあったかご紹介します。
映画蛇にピアスの原作との差①ルイのキャラクター

作中のルイと設定は当然代わりのない映画蛇にピアス。しかし吉高由里子演じるルイと小説で想像できるルイの印象が何となく違う気がするという意見が出ています。原作での蛇にピアスではルイの過剰な行為をする姿が描かれているものの、知的で頭の良さを感じる発言の多い女性であると考えられていました。しかし映画の蛇にピアスではルイの衝動的な一面が強かったようです。

吉高由里子さんの元の喋り方が柔らかく可愛らしい印象が強いということもあり、緊張感のある喋り方に対する物足りなさがあったのでしょう。もちろん気にならない方もいますが、小説から入るとその人のイメージが大きく影響するので仕方がありません。しかし映画の蛇にピアスで出てくるルイも設定上の行動は同じなので吉高由里子さん主演のルイを映画では楽しみましょう。
映画蛇にピアスの原作との差②シバの印象

シバに対する印象も何だか違うと感じた人はいるでしょう。原作の蛇にピアスで出てくるシバはかなり大人な言動が目立つ余裕のある印象が強いキャラクターです。井浦新さんが演じた見た目がいかつくて大人の余裕よりも怖い大人を連想させたのでしょう。シバの設定も決して原作と代わりはありませんが、井浦新さん演じる特有の雰囲気は原作と違う大人の危うさを感じさせます。
映画蛇にピアスの原作との差③シバの店の印象

映画の蛇にピアスで舞台となったシバの店が少し綺麗な気がすると、背景に関する違和感を覚えた人もいるようです。蛇にピアスのストーリーが過激なこともあり、原作だけを読むとかなり廃れた場所を想像してしまうというのもあるのでしょう。映画で写っているシバの店は綺麗で整頓された工房のよう。荒れたイメージの店を想像していた人からすると驚きますよね。
映画蛇にピアスの原作との差④臨場感

これは蛇にピアスに限った話ではありませんが、やはり活字の臨場感は映画のものとは全く違います。活字が醸し出す臨場感を映像に反映することはなかなかできるものではありません。蛇にピアスの原作をかなり気に入っている人からすれば、映画の臨場感にいまいち納得できないでしょう。映画の蛇にピアスが醸し出す臨場感はまた別物として楽しむべきでしょう。
【蛇にピアス】読了
— 本読むコドモ (@honyomukodomo) July 27, 2018
金原ひとみさんのデビュー作であり、芥川賞受賞作。当時19歳でこの作品を書き上げたという事がとにかく驚きです。等身大の19歳だからこそ、描くことのできたリアルを感じました。ピアスや刺青、人体改造、とにかく痛々しいシーンが多いですが読み進めたくなる面白さがありました。 pic.twitter.com/pPHrV8n37j
原作で描かれているルイの痛みによって生き甲斐を感じるゾッとするような描写。アマのルイをシバに奪われるのではないかと焦る気持ち。シバのルイを本当に殺してしまうのではないかと感じるほどの危うさ。それぞれ原作では原作特有の臨場感が感じられます。もしも映画の蛇にピアスを観て何か物足りなさを感じたのなら原作を読めばその何かが見つかるかもしれません。
「蛇にピアス」のエピソード集<ネタバレ>

大ヒットした蛇にピアスの映画撮影の裏側には様々なエピソードが詰まっているようです。ちなみに吉高由里子さんにとって蛇にピアスは女優として初主演の映画です。もうそれだけでも感慨深い作品ですが、初主演とは思えないほどの堂々たる演技力。これにはスタッフも含め全国の人々を魅了しました。そんな吉高由里子さんの衝撃エピソードをいくつかご紹介します。
蛇にピアスの裏エピソード①吉高由里子のヌードシーン

蛇にピアスの主演が決定した吉高由里子さんは脚本のヌードシーンを読み込み、監督に向かって「私の裸をみずに撮影ができるのか」といった発言をしたそうです。普通女優さんと言っても裸姿を観られるのは躊躇するものですが、吉高由里子さんは自ら監督に見せたと言うのですから驚きます。監督もあまりの堂々っぷりに手で顔を覆いわかったからと逆に困らせたようです。

高良健吾さんもかなりの天然なようで、吉高由里子さんに楽屋で「本当に濡れ場をするものなのか」という疑問をしたと言います。流石の吉高由里子さんもその発言には驚いたようですね。蛇にピアスで有名なシバとの首を絞められながらのヌードシーンの際には、自分の首を絞めながら「ガンバレーガンバレー」とエールを送っていたそうです。純粋な行動は尊敬できます。
蛇にピアスの裏エピソード②吉高由里子撮影前に事故

実は蛇にピアスの前に吉高由里子さんは事故で大怪我をおってしまっています。それは撮影決定した翌日だったようで、しかも生死を彷徨う重傷状態。ICUには5日間入り、全治半年と言い渡されていたそうです。誰もが撮影は無理だと感じたでしょう。しかし、吉高由里子さんはICUで隣の患者が亡くなっていくのを見て「生きたい」という激しい感情を抱いたそうです。

その衝動の後、原因はわからないのですが40度ほどの高熱を出したのです。するとそこから奇跡が起きて劇的な回復を見せます。その結果全治半年と言われていた怪我を1ヶ月半で治してしまったと言うのです。まさに奇跡としか言いようのない状況、その上映画のクランクインにも間に合ったのです。そんな吉高由里子さんは当時何も怖いものはないと感じたようです。

突然の事故で重度の怪我をおった吉高由里子さんは、意識がはっきりしないながらも顔の違和感が気になっていたようです。顔がジャリジャリする感覚があり、今どのような状況なのか鏡を見たいと考えていました。しかし、看護師さんに鏡を見せて欲しいと頼むもないと断られてしまいます。事故後の無残な姿を見せないための病院側の配慮ではあるのでしょう。

しかし、夜中に鏡を見て自分の包帯で覆われた姿に驚愕したと本人は言います。皮膚は全て剥がれていてかさぶただらけになった患部は当然激しい痛みに襲われます。そのせいで夜中痛みにうなされる自分の声で目がさめるなんてこともあったようです。蛇にピアスの中で映されている吉高由里子さんはとても美しく、そんな大怪我をおった後とは思えませんでしたね。

もちろん吉高由里子さんは絶望を感じた瞬間があったそうですが、その絶望から救ってくれたのは吉高由里子さんのお母様だそうです。吉高由里子さんの顔に巻かれた包帯が鼻息でピロピロと動いているのをお母様は大笑いしたそうです。そして携帯で写真を撮って楽しそうにしている姿を見て、吉高由里子さんはなんだか大丈夫な気がすると感じたそう。心強いお母様ですね。
「蛇にピアス」のテーマ曲の歌詞の意味<ネタバレ>

蛇にピアスの主題歌であるCHARAの「きえる」。この歌の歌詞を聴いていると主人公であるルイの気持ちをひしひしと感じられます。主題歌に関しても明確な意味が公にされているわけではなく、詳しいことは断定できません。しかし、歌詞と映画でのストーリーでリンクする表現がいくつかあります。その一部の予測を少しご紹介します。是非参考に聴いてみて下さい。
「そっと突き刺さって犯した私を見つめる私」

この表現はルイが二人の男性と関係を持ち、その後に二人の人生を台無しにした自分への罪悪感と考えられる表現です。ルイが自分の生きているという実感を沸かすために二人を利用し、その結果取り返しのつかないことを招いてしまいます。どちらも愛していたからこそ自分の招いた結果を冷静に、冷酷に見つめているという捉え方ができます。
「この青空…そこにはずっとなかった」

この一連の歌詞は恐らくルイが以前言っていた生きている実感のない感覚を指します。渋谷のスクランブル交差点で生きている心地のしない人生に青空も飛行機も、鳥も木も信号も雑草も全てがあるようでない感覚。そして自分もそこにいるのに何故かいるような心地がしない。そんなルイの複雑な心境が描かれたワンシーンを思い出させる歌詞となっているのでしょう。
「この腕の痛みさえもいつか私を捨てていく…ここには誰もいない」

この一連の歌詞はルイが自分の罪悪感やシバの犯した罪、全てを受け入れている姿を連想させます。刺青に瞳を入れ込んだルイはこの出来事を忘れないようにしても、いつかは受け入れて前へ進むしかありません。そのいつかが来るから、今は諦めずに生きていこうというルイの前向きな気持ちです。ここには誰もいないというのはシバとアマのことを指し自立したことを表せます。
「蛇にピアス」から5年「アシタスイッチ」とは<ネタバレ>
吉高由里子と高良健吾の再共演作

アシタスイッチという2012年から2013年まで放送されていた番組です。ファンケルの一社提供で放送されていた中部日本放送制作のトーク番組。そして2013年2月、吉高由里子さんと高良建吾さんがアシタスイッチで蛇にピアス以来の共演を果たしました。その回では二人の懐かしむような会話が印象的で、当時のことを交えながら会話を弾ませていました。
2012年
— K🌸 (@specbos) July 8, 2018
アシタスイッチ 10/10#戸田恵梨香 #加瀬亮 pic.twitter.com/qZAyzF9NPU
二人の対談で吉高由里子さんは昔から「変わっている」と言われ続け、本音で話すことができなくなってしまったと明かしました。高良健吾さんの知っている吉高由里子さんは思っていることははっきりと言う姿で、その発言に衝撃を受けています。そんな彼女から「私はかわすということを覚えてしまった」と聞かされ、自分にはまだその術がわからないと語っています。

吉高由里子さんは「何を話してもマスコミは面白おかしく取り上げるだけ。それなら当たり障りのないことを言ってのらりくらりとしてテンションで話をしている方がいい。」と言います。「どうせ関わっていく人ではないから」と話す吉高由里子さんは蛇にピアスの時とは変わった様子でした。

また、吉高由里子さんは自分のモノマネをされていることに対しても少し触れていました。吉高由里子さんのお父様に「真似されているうちが華だ」と言われたことに対し、高良健吾さんは「結構正論をサラッと言うね」と返していました。この吉高由里子さんの話に対して高良健吾さんは、真面目に生きることイコール常に自分の思いを正直に伝えることと述べています。
アシタスイッチで高良健吾と吉高由里子が対談してた、蛇にピアス以来で共演するんだー見なきゃ。高良くん25才なんだ、じゃあ前作は20才だったんだ若っ、、
— yuki-ko (@yuki_ko_tokyo) February 18, 2013
例え自分と違う意見の人がいたとしても仕方のないことですが、自分の思っていることは相手に説き続けるという強い意思を示していました。そんな高良健吾さんを見て吉高由里子さんは「人と合わせない嘘がない人」と語り、蛇にピアスの頃から変わりないと感じたようです。
蛇にピアスから学ぶこと

蛇にピアスという作品は深い深い意味の込められた大作です。そんな作品はもう長い年月が経った今でも感慨深い作品として語り継がれています。ルイという一人の少女を通して自分、自分と身近な人、また今を生きるあらゆる人々と重ね合わせてみましょう。そうすることで新しい価値観と出会えるかもしれません。
