＜ブラックダリア事件の真相＞犯人や被害者・映画化についてもご紹介します！

ブラックダリア事件とは、1947年にアメリカで起こった残酷な殺人事件です。カリフォルニア州・ロサンゼルス近くのレイマートパークにて、事件の被害者、エリザベス・ショートの遺体が発見されました。ブラックダリア事件が、ここまで世界的に有名な殺人事件となったのは、被害者の遺体が腰の部分で切断されているという猟奇的な状態だったからです。エリザベス・ショートは、事件のあと、ブラックダリアと呼ばれるようになりました。ブラックダリア事件は、凶悪で残忍な殺人事件であり、当時かなりの話題となりました。

ブラックダリア事件発生から約1ヶ月の間、アメリカではほとんどの新聞社が、たくさんの写真を掲載し、ブラックダリア事件をトップ記事として取り扱っていたほどです。ブラックダリア事件は、残酷な殺人事件で、かなり話題になったにも関わらず、犯人を特定することができなかった未解決事件です。また、ブラックダリア事件発生後、地元の新聞社に被害者エリザベス・ショートの所持品が送付されたことで、さらに話題を呼びました。犯人の決め手となるようなDNAや証拠が一切残っていなかったという点も、ブラックダリア事件の謎と言われています。今回は、謎に包まれた未解決殺人事件、ブラックダリア事件の真相に迫っていきます。
 

ブラックダリア事件の真相①は、切断された遺体です。ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートの遺体が、アメリカ・カリフォルニア州、レイマートパークで発見されたことからこの事件がはじまります。被害者の遺体を発見した女性は、まず遺体を目にしたときに、人間の遺体ではないと思ったと言っています。被害者エリザベス・ショートの遺体は、腰の部分から上下ふたつに切断されていたのです。さらに被害者の遺体の口は、耳の近くまで切り裂かれていた状態でした。また、被害者の遺体の血液が洗浄されていたのです。ブラックダリア事件は、残虐で猟奇的な遺体が発見されたことで、当時アメリカ中に大きな衝撃を与えた事件となったのです。また、ブラックダリア事件は、被害者が美しい女性であったことも、注目を浴びることになる理由でした。その遺体の写真はあまりに痛ましいものです。

ブラックダリア事件の真相②は、犯人が特定できないということです。ブラックダリア事件が発生してから、すぐに捜査が開始されましたが、なかなか犯人を特定することができません。通常の殺人事件であれば、被害者の遺体から、犯人が特定できるDNAや指紋、所持品などが判明されることが多いのですが、ブラックダリア事件の被害者の遺体からは、犯人を特定できる証拠がまったく検出されなかったのです。犯人の証拠が、被害者の遺体から出なかった理由は、遺体がきれいに洗われていたからです。被害者の遺体から、なんの証拠も見つからないほど、遺体はていねいに洗浄されていたのです。これもブラックダリア事件の奇妙な点といえるでしょう。

被害者は、遺体の指紋から、エリザベス・ショートと断定されました。そのため、まずはエリザベス・ショートの交友関係を探ることから、犯人探しの捜査がはじまります。しかしながら、エリザベス・ショートの交友関係は、普通の人に比べるとかなり広範囲に渡っており、捜査は思うように進まず、犯人を特定することができなかったのです。そのため、ブラックダリア事件の犯人は逮捕されておらず、事件の真相は謎に包まれたままとなっているのです。ブラックダリア事件の被害者である、エリザベス・ショートとは、いったいどのような人物だったのかということも、当時話題となり、連日アメリカの新聞に、ブラックダリア事件がトップ記事として掲載され続けたのです。

ブラックダリア事件の被害者は、エリザベス・ショートという女性でした。ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートの遺体が発見されたとき、彼女は22歳という若さでした。腰から半分に切断された、無残な遺体で発見された被害者エリザベス・ショートとは、どんな女性だったのでしょうか？エリザベス・ショートは、その死後から、ブラックダリアと呼ばれるようになりました。このブラックダリア事件は、世界中に広がり、衝撃や波紋を呼びました。

ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートは、アメリカ・ボストンの出身でした。5人兄弟の三番目の子どもとして、エリザベス・ショートは生まれました。子どものころは、マサチューセッツ州メドフォード、フロリダなどに居住していましたが、その後彼女の死亡したと思われていた父親が住んでいるカリフォルニア州に引っ越しています。ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートは、気管支炎を患っており、15歳のときに肺の手術を受けています。手術後、この持病が悪化しないために、冬の間は温暖な気候のフロリダ州・マイアミで過ごすようになります。そのためエリザベス・ショートは、家族の住むメイフォードとフロリダを行き来しながら生活していました。エリザベス・ショートは、メイフォードハイスクールに通っていましたが、2年生のときに高校を中退しています。エリザベス・ショートは、未成年飲酒で検挙されたこともあります。

ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートは、1946年7月にロサンゼルスへ引っ越しています。フロリダで知り合った陸軍航空軍所属のジョセフ・ゴードン・フィックリング中尉を訪ねています。ジョセフ・ゴードン・フィックリングは、当時ロサンゼルス・ロングビーチの海軍予備空港基地に勤めていました。エリザベス・ショートは、ブラックダリア事件が発生するまでのおよそ半年を、南カリフォルニア、ロサンゼルスエリアを生活の拠点としていました。

ブラックダリア事件が発生するまでの間、エリザベス・ショートは、ウェイトレスとしてナイトクラブで働いていました。そのため、フロレンティンガーデンズナイトクラブの裏手のハリウッドストリートにある部屋を借り、居住していました。ブラックダリア事件発生後、被害者エリザベス・ショートは、女優を目指していたとか、売れない女優だったなどとして報道されることが多いのですが、彼女が女優だったかどうかは不明です。しかし、大物女優になることを夢見ていたことは、さまざまな情報源を考慮すると、事実だったようです。エリザベス・ショートの知人によると、被害者エリザベス・ショートは、コールガール、売春婦だったという証言もあるようです。しかし、これは反論もあり、事実かどうかの真相は謎のままです。

ブラックダリア事件発生したあとに発行された新聞によると、1946年ごろにエリザベス・ショートは、ロングビーチにある薬局で働いている人たちや、常連の客たちから「ブラックダリア」という愛称で呼ばれていたと言われています。なぜ「ブラックダリア」と呼ばれるようになったかの由来については色々な説があり、エリザベス・ショートが髪飾りとしてダリアをつけていたことから、そのように呼ばれるようになったとか、いつもシースルーの黒の服を好んできていたからとか、噂はさまざまです。捜査官の報告によれば、ブラックダリア事件を報道していた新聞記者が作り出したものだと主張しています。

ロサンゼルス・ヘラルド・エクスプレス社の新聞記者であるベボ・ミーンズが初めて「ブラックダリア」というニックネームを使用したと言われています。しかし、他の新聞記者たちもニックネームを作った人物として名前が挙がっていたり、事件後にニックネームが作られたのではなく、生存していたときから「ブラックダリア」と呼ばれていたという主張もあり、本当の真相はわからないままとなっています。ブラックダリア事件は、謎が多く、真相がよくわからないことが本当にたくさんあるのです。

ブラックダリア事件の被害者、エリザベス・ショートに関するさまざまな噂が飛び交っています。一部の人たちの間で、エリザベス・ショートは、コールガールや売春をしていたと言われていますが、これに反論する声も挙がっています。その理由として、エリザベス・ショートは、生まれつきの欠陥により、性器が発育不全である「小児生殖器」であったため、性行為を行うことはできなかったというものです。

検視の記録にも、エリザベスショートの子宮は小さいと残っています。しかしながら、解剖の結果特段目立った異常は認められていないため、この真相も謎のままです。一方で、エリザベス・ショートが、同性愛者だったという噂もありました。この噂から、犯人探しのため、ロサンゼルスのゲイバーにも捜査が及んだのですが、犯人につながるものは何も出なかったと言います。当時は、ブラックダリア事件の被害者であるエリザベス・ショートに関する噂も、どんどんヒートアップしていたようです。

ブラックダリア事件は、その遺体の状態が非常にひどく、猟奇的だったことで、アメリカ全土に衝撃を与えました。凶悪な事件にも関わらず、真相がわからないことが多く、未解決事件として有名です。真相が判明しなかった理由として、遺体に謎が多いことが挙げられます。最初に遺体を発見した女性は、人間の遺体とは思えなかったと証言しているほど、人間の形を残していなかったのです。ブラックダリア事件の遺体の真相について見ていきましょう。

1947年1月15日の朝、ロサンゼルスにあるレイマートパークのサウスノートンアベニューの西側にある空き地で、ふたつに切断された遺体が発見されました。一番最初に遺体を発見した女性は、最初に見たとき、マネキンだと思ったと言っています。人間の遺体とは思えない有様であり、かなり遺体が痛ましい状態であったことが伺えます。被害者エリザベス・ショートの遺体は、腰の部分からまっぷたつに切断されており、体内の血液がすべて抜き取られていたのです。そのため、エリザベス・ショートの肌は、青ざめており、真っ白だったと言います。その遺体は、きれいに洗浄されていたのです。

遺体が切断されたのは、死後であることもわかっています。エリザベス・ショートの死因は、顔面を傷つけられたことによる出血と、頭・顔への殴打によるショック死とされています。被害者エリザベス・ショートの遺体の状態は、それはひどいものです。遺体が発見されてすぐに記者たちが集まってきて、遺体や現場の写真を撮影しています。口は、耳のあたりまで切り裂かれており、遺体の肛門と膣に大腿部が押し込まれていたのです。さらに下腹部が切り裂かれていました。最初は、大腿部であるということがわからず、細かく大腿部がえぐられていました。それらをつなぎ合わせた結果、大腿部だと判明したのです。検視解剖により、この真相が判明されています。さらに肛門管が、44㎜のところで大きく拡張していたため、強姦されたと断定されています。犯人特定のため、遺体から精液を検出しようと試みていますが、検出されませんでした。

エリザベス・ショートの遺体の胃の中から、人間の排泄物が検出されています。犯人は、エリザベス・ショートに大便を食べさせたのではないかと言われています。しかしこれに関しても真相は謎が多く、公式の検死の記録にもこのような記載は一切ないという説もあります。また、エリザベス・ショートの遺体には、生前につけられたと思われるタバコの火のあとがたくさんあったと言われていますが、これも検死記録には記載はないようです。ブラックダリア事件は、猟奇的で、遺体の状態があまりに残酷でひどい事件であったため、遺体に関しても、実にさまざまな噂があるようです。報道が進むにつれて、遺体に関する噂も次第にエスカレートしていったようです。嘘か事実かわからないようなことが多くあり、真相は実に謎が多いのです。

ブラックダリア事件発生後、すぐに大規模な捜査が開始されました。新聞記者なども独自の捜査を行い、犯人を特定しようとしていました。しかし、ブラックダリア事件の犯人に繋がる手がかりなどは、なかなか発見されず、捜査は難航します。犯人が逮捕されないまま、時間だけが経過してしまい、ブラックダリア事件は未解決事件になってしまったのです。エリザベス・ショートの交友関係なども、かなり幅を広げ調査を行なっていますが、犯人は見つかりませんでした。猟奇的な殺人事件にも関わらず、犯人が特定できない、見つからないのはなぜでしょうか？詳しく真相を見ていくことにしましょう。

ブラックダリア事件で、犯人が特定できない、捜査が難航した大きな理由は、遺体からなんの手がかりも検出されなかったことにあります。一般的な殺人事件であれば、遺体から犯人特定に繋がる指紋や体液などが検出され、犯人特定へと繋がります。しかし、ブラックダリア事件では、被害者エリザベス・ショートの遺体からは、指紋も体液もなにひとつ検出されず、犯人を特定するものが出てこなかったのです。その理由は、犯人が、エリザベス・ショートの遺体をきれいに洗浄し、体の中の血液もすべて抜き取られていたからです。この犯人の行為は、実に猟奇的であったため、世間に大きなショックを与えたのです。

ブラックダリア事件の犯人を特定することができなかった理由として、被害者エリザベス・ショートの交友関係があまりに広すぎたということもあります。エリザベス・ショートは、マサチューセッツ州・フロリダ州・カリフォルニア州という広範囲に渡って行動しており、さらにはテキサスやニューオーリンズにも知り合いが多くいたと言われています。それに加えて、エリザベス・ショートは、ウェイトレスとして働いていたため、店の顧客などの数は非常に多く、かなり交友関係が広かったのです。仕事関連だけではなく、エリザベス・ショートは、美人ということもあり、多くの男性から声をかけられ、交遊していたのです。犯人逮捕のため、ロサンゼルス近郊だけではなく、マサチューセッツや、フロリダの交友関係についても捜査しましたが、結局犯人を特定することはできず、未解決事件になってしまったのです。

ブラックダリア事件は、世界的にも有名な事件であり、たくさんの人が自分が犯人だと出頭してきています。初期段階の捜査だけでも、60回にも及ぶ出頭があったと言われています。しかしそのほとんどは虚偽の内容でした。さらにその後も自分が犯人だと名乗り出る人が続き、なんと500人以上の人が犯行を自白しているのです。出頭してきた人のほとんどは、男性でした。ここまで多くの数の出頭者が出た事件という点でも、ブラックダリア事件は異様で特殊な事件であることがわかります。ブラックダリア事件の被疑者として名前が挙がっている人の中には、医師やロサンゼルスタイムズの経営者や友人などの名前がありました。しかし、どの人物も犯人の手がかりとなる証拠がなく、逮捕者は出ないまま、時間だけが経過してしまいました。

ブラックダリア事件は、アメリカ犯罪史の中でも、もっとも残忍な犯罪と言われています。タイム誌は、ブラックダリア事件を世界でもっとも有名な未解決事件と掲げています。ブラックダリア事件後、アメリカ共和党の州議会議員であるC・ドン・フィールドにより、性犯罪者登録作成に関する議案を提出しました。カリフォルニア州は、アメリカの州で初めて、性犯罪者の登録が義務つけられた州なのです。エリザベス・ショートは、カリフォルニア州・オークランドにある、マウンテンビュー共同墓地に埋葬されています。

ブラックダリア事件は、世界的に有名な未解決事件であり、その猟奇さと残忍さにより興味を持つ人も多いようです。そのため、ブラックダリア事件に関する小説や映画が数多くリリースされています。ブラックダリア事件を元にしたフィクションの小説や映画もあります。ブラックダリア事件を題材とした、有名な小説にジェームズ・エルロイ作の小説「ブラックダリア」があります。このフィクション小説は、1987年に出版されました。ジェームズ・エルロイの小説「ブラックダリア」の中では、猟奇殺人以外にも、ロサンゼルスの犯罪や政治、汚職などといった、当時のロサンゼルスの状況を伝えるような内容になっています。小説の人気にともない、小説「ブラックダリア」を元にした映画も制作されました。

映画「ブラックダリア」は、2006年に公開されたアメリカの映画です。ジェームズ・エルロイの小説を原作として、映画化されています。映画「ブラックダリア」の監督は、ブライアン・デ・パルマです。ジョシュ・ハートネット、スカーレット・ヨハンソンという大スターを起用したハリウッド映画です。映画の中で、エリザベス・ショートを演じたのは、ミア・カーシュナーです。映画「ブラックダリア」のあらすじを簡単に説明します。腰から切断された若い女性の遺体を発見され、その顔は口が耳まで裂かれているという残忍なものでした。この事件の被害者は、女優志望のエリザベス・ショートで、彼女は「ブラックダリア」と呼ばれていました。捜査を進める途中、この事件の被害者とそっくりな女性を見つけて、刑事は彼女に溺れていくというストーリー展開になっています。

ブラックダリア事件を題材にした映画は、先ほど紹介した映画「ブラックダリア」が有名ですが、映画のほかにも、エリザベス・ショートが登場する作品はいろいろあります。アメリカで人気のテレビシリーズ「アメリカンホラーストーリー」では、2011年公開のエピソード「Spooky Little Girl」と、2018年公開のエピソード「Return to Murder House」のなかで、エリザベス・ショートが登場します。エリザベス・ショートを演じたのは、ミーナ・スヴァーリです。また、イギリスのテレビドラマ「犯罪捜査官アナ・トラヴィス」の2010年公開のエピソードは、ブラックダリア事件を題材にしたものになっています。

アメリカで起こった、アメリカの歴史の中で最悪な事件として有名なブラックダリア事件についてまとめました。全世界に衝撃を与えた、ショッキングな猟奇殺人事件です。ブラックダリア事件は、小説化、映画化もされているため、もっと詳しく知りたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。